積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

気密性について考えていること(2):結露や、屋内の空気循環などへの影響

C値と自然換気の簡単な関係式

前回はシミュレーションをもとに、C値と自然換気(漏気)回数の関係について調べてみました。

 

調べている中で、C値と自然換気回数をつなぐ近似的な簡便法として、

 

C値を0.1倍すると、だいたい自然換気回数になる。

 

という関係が述べられているのを発見しました。前回の掲載した表をみると、確かに住宅地の中であればこの関係が成立しています。計画換気の量が0.5であることと、この関係を覚えておくとよさそうです。

 

C値が高いと隙間風がぴゅーぴゅ―吹いて寒い?

UA値やC値を改善することは快適な家をつくるための手段です。逆に言えばC値が高いとどうして困るかを考えれば、どの程度のC値を目指すべきか見えてくるかもしれません。そこで、まずは「C値が高いと、家が寒くなるから困る。」とか、「すきま風が入ってくるから困る」という点について考えてみます。

 

C値が1.5(あまり意識しないでできるほどほどの性能の家?)と、C値0.5(結構実現が難しい高気密の家)を比較するとC値の差は1.0なので、自然換気は0.1回分増えることになります。

 

もしC値が0.5だと寒くないけれど1.5だと寒いのだとすると、0.1回分の換気が結構大きなインパクトを持つことになります。このとき風の向きと隙間のある場所の関係によって全体で0.5+0.1回の換気になることも、0.5回のうちの0.1回分が自然換気になることもあるでしょうが、4倍から5倍分は計画換気で空気を入れ替えていることになります。

 

第三種換気の場合、単位量当たり、計画換気で取り入れる空気と、隙間から入り込む空気が家全体をひやす効果は同じなので、家がとても寒くなり、第3種換気はとても使い物にならないはずです。

 

もちろン実際にはそんなことはなくて、第三種換気でも相応に快適に暮らせているわけです。であれば、C値が1.5だととても寒い、といった言い方は大げさだし、もし非常に敏感で気になるのなら、より風量の多い計画換気の方法について考えた方が良いのだと思います。

 

C値が高いと家の中で空気が計画通りに流れない?

2時間で家の中の半分の空気が2回入れ替わっても、家の中の全部の空気が1回入れ替わっても、家全体で見れば換気回数は0.5回になります。

 

家全体の空気の質を保とうと思えば排気口の風量をコントロールするだけではだめで、家の中で空気がよどむ場所が出ないように計画換気を設計する必要があります。このためには、一棟ごとに間取り図に基づいたシミュレーションが必要になるでしょう。

 

これまでのところ、こうしたシミュレーションをハウスメーカー工務店が行っているという話をほとんど聞いたことがないし、実例を見たことはありません。

ただ、第2種換気+全館空調というユニークな方式を採用しているパナソニックホームズは、全館空調がちゃんときくかどうか、そしてダクトをどう配置するかを考える上で、かなり精緻なシミュレーションを行っているときいたことがあります。(実際にみたわけではないし、一次情報でもないので、真偽は直接確認してください・・・。)

 

また積水ハウスも、プレスリリース(2020年12月14日  )によると、

 

住宅業界で初めて、住宅設計用 CAD と連携した邸別換気解析システムを構築し、お客様のプランごとに換気効率や空気の流れのシミュレーション動画を提案します(2021 年 4 月開始予定)。本システムの構築によって、「スマート イクス」で提案する換気・空気清浄の効果について、きれいな空気の広がり方、空気の通り道を、設計段階から見える化できるようになります。お客様のプランごとに適した換気・空気清浄設備のレイアウト等を合理的にご提案します。

 

とあり、換気シミュレーションができるのかもしれません。実はこれについては営業のIさんに依頼したのですが、「全部固まってから・・・・。」ということでやってもらえるかどうか微妙です。即座にお断りされなかったので、実際にシミュレーションをするツールはありそうですが、あまり使われていなかったり、とても大変だったり、積極的にはアピールしたく無いというニュアンスを感じました。

 

現実問題として、変動要因が多いため、換気シミュレーションの有効性は限定的かもしれません。吸気口(第3種)・給気口(第1種)と排気口の位置関係は間取りを設計すれば決まるとしても、

  • トイレ、風呂、玄関などの換気扇の使い方
  • 窓を開ける度合い、どこの窓をかけるか
  • エアコンの位置・風量
  • 部屋の間仕切りを開けた場合、占めた場合

など、風の流れが家の使い方に依存する点が多いからです。

 

計画換気の段階でもこれだけ複雑なので、漏気がどのような影響を及ぼすかを判断するのは難しそうです。ただし、隙間が局所的に固まっている場合、特に排気口の近くに大きな隙間がある場合などは影響が大きそうな気はします。実際には、隙間が一か所にかたまっているのであれば発見や対策も容易な気がするので、家の中に隙間が散らばっているケースの方が多いのではないでしょうか?こうしたケースでどの程度換気の流れを妨げるかは未知数です。

 

歯切れが悪いのですが、定性的に見てC値が高くて良いことはない、という点には異論がないのですが、C値が例えば0.5違うとどれぐらい問題か、とか、家の中全体の空気の質を向上させることを目的としたとき、一番響くのが気密性なのかどうか、という点については議論の余地がありそうです。

C値が高いと壁内結露する?

壁内結露を防ぐためには、壁内に湿気を持ち込ませないこと、壁内の温度が下がらないようにすることで湿気が結露するのを防ぐこと、そして湿気が入り込んだら素早く外部に排出できるようにしておくことが必要です。

気密性との関連で壁内結露が起こるのは、冬によく加湿された室内の空気が壁の隙間を伝って屋外に抜けようとする場合でしょう。気密性を高めることで壁内に取り込まれる湿気を減らすというのは確かに理にかなっています。

湿気を素早く輩出するためには、壁内に設けた通気層で換気をすることがポイントのようです。例えば、積水ハウスのデュアルベンチレーションシステムでは通気層➁がこの役目を果たしているようです。

積水ハウスのホームページからお借りしました。

 

積水ハウスのホームページからお借りしました。

一方で、壁内に湿気や冷気が入り込む要因として、床や天井と柱の取り合い部分の通気止め不良があるのだとか。これが原因で起こる結露を移動型結露と呼ぶそうです。

こちらの考え方は、先の通気層とは逆に、壁内(にある断熱層)内に気流を起こさなないようにする、というものです。考え方からすると反対の用ですが対立する概念ではなくて、両立させることがポイントです。

壁内環境については理解できていないことばかりですが、巷でいわれる「ずり落ちた断熱材」みたいなケースはちゃんとつくられた最近の住宅では珍しいようだし、問題になるのは結露計算をせず、透湿防水シートを省いてしまったり、といったケースも多いようです。

そもそも透湿シートを使う段で気密を保ちつつも湿気を外に逃がすことが前提になっているわけで、私はC値の小さな差よりは壁内の通気層など他の要因の方が気になります。C値は低い方がよいのでしょうが、少なくとも壁内結露対策としてC値を改善しようとするのは優先順位が違うのではないでしょうか。

 

まとめ

今回の記事は自分でも現在進行形で考えていて結論がでていないテーマであることもあり、ぐだぐだです。

はっきりいえるのは、C値は低いに越したことはない。ということだけ。

同時に、いろいろと言われている問題の解決策としてC値を下げることが第一の手段かどうか、あるいはC値が下げることによる改善の幅については、まったく自信がもてない。とも感じています。

寒さの問題は、第一種か第三種かという方が効きそうだし、換気の問題は、換気計画の質の方が大きく効きそう。壁内結露も、おそらくC値よりも壁内の設計や施工でより直接的に効く要因がありそうです。ただ、C値を下げられる施工会社は、その他の面でも施工品質が高い可能性がある、とはいえるのかもしれません。

今回調べてみて、デュアルベンチレーションシステムの構造や、気密施工をお願いした時に何が変わるのかなど、機会があれば設計士さんに質問してみようと思いました。それ以外ではC値については少しおおらかな気持ちでいようというのが今の結論です。

 

気密性について考えていること(1):C値と自然換気(漏気)回数の関係

C値はどの程度を目指すべきか?

積水ハウスと契約する際に鉄骨ではなく木造を選んだ理由の一つは、木造の方が気密性を高めやすいと思ったからです。現在の見積もりには気密施工オプションも追加しているし、気密検査を入れる了解ももらうなど、現段階で施主としてできることは概ねしたつもりです。

それでも大半の大手ハウスメーカーに言えることだと思いますが、C値で0.5を切る数字は期待できないと割り切っています。

私たちが求めているのは、「性能が最高だけれどデザインや間取りで我慢する家」ではなく、「性能面で十分条件を満たした上で、デザイン・間取り・使い勝手に思いをこめられる家」です。

では気密性の十分条件はどこらへんにあるのか、という点が難しいのですが、(大手ハウスメーカーにお願いした場合に)手が届きうる水準としてC値が1を切ってくれたらとりあえず合格、0.7~0.8ぐらいだったら嬉しい、といったレベル感で考えています。

でも、「C値1.0で本当に充分なの?」という疑問は残るわけで、今回はこれまでに集めた情報や雑感をまとめたいと思います。

断熱性に比べて、気密性はわかりにくい

断熱性はわかりやすい

断熱性(Ua値)はハウスメーカー工務店問わずきっちりと計算してくるので透明性が高いし、大抵の議論が断熱等級5で十分か6を越していくべきかの幅に収まります。モデルケースではあるけれど断熱性の違いが光熱費に与える影響も計算できるので、効果もイメージしやすい。

更に断熱性をある水準以上に高めようとすると、断熱材を厚くするとか、外断熱するとか物量投入が必要です。追加的に必要な資材コストだけでなく、壁が厚くなることにより有効に使える敷地面積が減るか、あるいは建坪を増やす必要がでてくるため土地代もかかります。

メリット・デメリットがわかりやすく、コストがかかる話なので、議論も落ち着くところに落ち着くのだと思います。

気密性はわかりにくい

これに対して気密性は理論値ではなく計測値です。施工手法と施工品質に依存する部分が大きく個別性が一段と高いので、じゃあ自分の家のC値がどうなるかとなった時に、建ててみて、(多くの場合自腹で)気密計測をしないとわからない。

Ua値であれば、設計段階から目標とする水準を決めて実現することができますが、C値に関しては、計測する段階でできることは限られている。

 

気密性が悪いことによる影響も、今一つ定かではありません。ざっと見る限り、いわれているのは

  • 換気のうち、計画換気の割合がさがる
  • 壁内結露のリスクが高まる
  • すきま風で寒くなる

といった弊害です。このうちの計画換気の効率に関しては、屋外の状況(温度差、風速など)とC値に応じて、計画換気の割合がどの程度さがっていくかを定量的に説明した文献はありますが、では計画換気の比率がさがった時にどういった弊害がどの程度おきるかは、あまり定かではありません。

他の条件が同じであればC値は低い(性能が高い)にこしたことはない、という点では誰もが同意すると思うのだけれど、「じゃあC値が1じゃなくて2だったら、何が起きてどれぐらいまずいのか。」という点には私は納得できる明快な答えを見出せませんでいた。

 

最も客観的な説明で、「C値が~~の時に計画換気の割合が**%になるので、最低これぐらいは確保しましょう。」というもので、ポジショントーク的なバイアスのかかったコメントが多いという印象があります。

 

気密性は丁寧に施工することで向上させやすい(あまり追加でお金をかけずに実現でできる可能性がある)ことから施主側も要求しやすいし、ハウスメーカーと差別化をしたい技術力のある工務店も主張しやすいということから、議論がもりあがるのかなと感じるのです。

私の立ち位置

私は冒頭にも触れましたが、「C値は1をきってほしい。けれど、0.5は無くてもしょうがないかな。」と思っており、気密性の重要性は認めているけれど、そのために気密性重視の建築会社選びをする必要まではないんじゃないか派、です。

ただし、本当にこれでいいのか?やっぱり、気密性は1じゃだめなんじゃないか、という思いを振り切るためにも、情報を整理したいという趣旨でこの記事を書いています。従って、1でも大丈夫、と言いたいというバイアスがかかっている可能性があります。

また第一種換気を採用するので、第一種換気を前提にした考察が中心です。

家全体を一つの箱としてみたときにどうなるか

こちらの図は外部風速、温度差、C値に応じて、どの程度の自然換気が発生するかを示しています。

この図はいろいろなところで触れられていますが、日本建築学会で1998年に発表された論文のモデルに基づいていると思われます。(全く同じ図ではないのですが、内容としてはほぼ同じです。)

www.jstage.jst.go.jp

論文では1種、2種、3種換気それぞれの場合で補正がされています。この補正では、他の条件が同じであれば、1種換気より2種・3種換気の方が自然換気が少なくなります。この点では2種・3種換気の方が優秀、といえそうです。

この論文は実験・シミュレーションに基づくモデリングが中心なので、換気システムの差が生じる理由までは触れていませんが、他の資料を見ると、家の中が負圧(3種)、または正圧(2種)になることで、家の内外の気圧差の影響が緩和されることが原因のようです。

また換気性能による差はC値に比例し、C値が5ぐらいであれば結構大きな差になるのですが、C値が0.5~1.5ぐらいでは影響が小さいので、ここでは無視することにします。

 

さて、この表で示しているのは一時間あたりの換気回数です。一時間あたりの換気回数といわれてもすぐにはピンときませんが、第一種、二種、三種換気を問わず、計画換気は二時間で家全体の空気を入れ替える量、ということになっています。これは、0.5回/時間に相当します。従って、0.5という数字を基準にして考えることができます。

 

家に隙間があったとしても、家の中と家の外の気圧が全く同じであれば漏気は起きません。下の図でいえば右図の温度差(ΔT)=0℃、外部風速0m/に対応しています。図の味方の説明は省略しますが、この時左の図から、C値がいくつであれ(自然)換気回数は0となるので、整合的ですね。

温度差が無くても風があるとき、風上は正の風圧が壁にかかり、風下は逆に負の風圧がかかるので、隙間があればそこから空気の出入りが発生しそうです。住宅が密集地であれば他の住宅が風よけになるし、広々とした場所にたっていれば風の影響をもろにうけるので、立地条件が3つにわけられています。

 

逆に風速が0でも温度差があると、ある程度の換気が発生するようです。温度の違いから家の内部と外部の間に圧力の差ができるためですね。タイヤの空気と同じで、温度があがれば膨張します。従って、暖かい方から冷たい方に圧力がかかります。

夏には負圧(家の中が気圧が低い)、冬には正圧(家の中が気圧が高い)ですが、夏の気温差は平均すればたかだか10度弱、これに対して冬の温度差は寒冷地でなければ20度弱といったところだと思います。従って冬の方が影響は大きそうです。

いずれにしても、住宅密集地を除けば、風速の方が影響があることがわかります。

 

この表は見にくいので、風速と温度差に前提を置いて、C値ごとの換気回数を上の表から読み取ったものです。松尾設計室からお借りしました。

「松尾設計室」からお借りしました。

住宅地の場合、C値1と、C値0.5の差は、計画換気と自然換気の比率でみて、

 

C値1.5 0.5/(0.5+0.15) = 76.9%

C値1.0 0.5/( 0.5+0.10)= 83.3%

C値 0. 5 0.5/(0.5+0.05) = 90.9%

 

となります。ここまでは事実の世界、と言いたいところですが、ややこしいことに、C値が1だと、計画換気の全換気量に占める割合が50%まで下がる、というグラフが結構出回っているのですね。

83.3%とか90.9%だと、結構頑張ってる、と思うのですが50%となるとうーん、となりますよね。どちらの資料を信じるかで結論が大きく変わってきます。

 

後者のグラフはいろいろな建築会社やブロガーの方に参照されていますが、どうやらもとネタは「社団法人北海道住宅リフォームセンター」のようです。ただし引用されたグラフはあちこちでみるのですが、元ネタそのものは見つけることができませんでした。

 

おそらくは、前提条件の違いでどちらも計算値としては正しい、ということだと思うのですが、私は出典が明らかで、バイアスがかかりやすい業界団体ではなく、学術論文として発表されているものを採用したいと思います。

 

従ってここでは、「C値が0.5だと90.9%計画換気だが、C値が1だと83.3%まで計画換気の比率が落ちる。」としたいと思います。

 

とりあえず思ったこと

この先は解釈の問題ですが、私は「C値は低ければ低いにこしたことはないけれども、1.0でも(なんならC値が1.5でも)、家全体としてみれば結構がんばっている。」と感じました。一番最初のグラフ左側のカーブの立ち方をみると、C値2ぐらいから急激に悪化してくる感じがするので、そこそこマージンがありそうです。

 

そもそも積水ハウスで高いC値を目指すのは無理があるし、気密性を確保するための施工の仕方を考えると、新築時は数字がよくても、10年後、20年後には相当に劣化していると考えるべきかと思っています。一般的かわかりませんが、「C値が倍になるぐらいは覚悟しといた方がよい。」という声もあります。

 

であれば、倍になっても2ということで、ひとまず1を目指せば、そこそこの性能は長期にわたって確保できそう、と考えることにしました。

 

また断熱値は線形でエネルギー消費量にきいてくるので、断熱値に凝るのはコストパフォーマンスは別にして、浪費?エネルギー削減という点では意味があります。しかし、C値についてはグラフが非線形なので、そもそもの漏気の削減効果自体がC値がよくなるにつれて減っていってしまうという特性からも、ほどほど、を目指すのが精神衛生上もよさそうです。

 

ただし、これまでの議論はすべて家を一つの箱として家の中の外にずばっとわけたマクロ的な議論です。次回は、局所的な影響についても考えてみたいと思います。

ウィンドウトリートメントの悩み:ゲストルーム編

ゲストルーム編

ゲストルームと呼んでいるけれど、家具は何も置いていない多目的スペース。来客が着た時には、隣の納戸に置く予定の折り畳みベッドを持ち出して客間にするつもりなので、ゲストルームと呼んでいます。

普段は、ストレッチ、ヨガなどの軽い運動をしたり、2ndリビングできな使い方をしたりするつもりの場所です。窓は西向き、幅2m、高さ1.2mの腰窓です。

用途が二つあるので、窓の遮蔽にも二つの機能が欲しい。

  • 来客が寝るときに遮光スクリーン(東向きではなので、遮光等級は2級でも可)
  • 日中に使う際に西日を若干抑えられる程度のレースのスクリーン

この部屋も窓の幅が2mにぎりぎり収まっているので、その点では制約があまりありません。従ってロールスクリーンを二枚持ったダブルタイプを候補に考えています。

ダブルロールスクリーン

各社商品を出しています。

  • トーソー:マイテック ダブル
  • タチカワ:ラルク ダブル
  • ニチベイ:ソフィー ダブルタイプ

機能的にはほぼ同じ。ただしメカのデザインがそこそこ違います。またカバーがつくかつかないかとか、推奨する巻きあがった時の位置などもまちまち。

 

我々は、カバー付きで巻き上げた時にスクリーンがぶらぶらとしないデザインが好み。トーソーがこの基準に一番近かったので、三社のメカの実物を見た後は比較的簡単に決まりました。見た目はこんな感じです。

TOSOのホームページからお借りしました。

他の2社のホームページから図をお借りしました。実際にはスクリーンの大きさやメカの方式その他に応じて寸法、形などは変わる可能性がありますので参考程度にご覧ください。

 

 

ニチベイのホームページからお借りしました。

タチカワブラインドのホームページからお借りしました。

まとめ

最初はロールスクリーンはあまり考えていなかったため、ロールスクリーンが候補に挙がってから各社のカタログを随分と読み込みました。

その上での私なりの結論です。

  • 大手3社はいずれもよく考えた製品を出している。メカの部分のデザインの好みで選ぶのがよさそう。
  • ロールスクリーンをおろした状態と上げた状態のどちらが多いか、また何を目的にしてロールスクリーンをつけるのかで選択が変わってくる。

今後状況が変われば、記事をアップデートするかもしれませんが、ウィンドウトリートメントについてはひとまずこれで終わりです。

 

ウィンドウトリートメントの悩み:LDK編

LDK

ハウスメーカー選定にあたり直前まで悩んだものの、間取りだけでなく、営業のIさんと、設計士のOさんを信じて積水ハウスと契約しました。契約から2か月で8回の打合せを重ねる中で積水ハウスを選んで良かったという思いは強まるばかり。

 

ではあるものの、(ちょっとした?)行き違いや、トラブルから気分がとても落ち込むこともあります。LDKのウィンドウトリートメントはその一つ。端折って書けば、天井掘り込みでロールスクリーンなりカーテンレールなりを隠すつもりで契約時の設計図にも入っていたものが、堀り込みができなくなった。という話です。

 

死守したいのは、LDKのデザイン。同じぐらい大事なのは、リビングルームで大音量で音楽を聴けること。このためには、ウィンドウトリートメントである程度は吸音・遮音することが前提でした。

 

できなくなったことはしょうがないし理由にも納得もしています。Iさん、Oさんへの信頼にもなんら変化はありません。が、これがわかったときは1週間ぐらいかなり拗ねました。

専用オーディオルームを諦めた上に、LDKでもガラス、タイルでお風呂場のような音響になってしまったり、近所への音漏れを気にして音楽を気兼ねなく聴けないなんて・・・。と思ったのですね。

が、私が拗ねておたら負のオーラが妻に飛び火し、今度は妻が別件で負のオーラを増幅しだしと、本当に家づくりを断念する道にいきそうだったので、気を取り直して再挑戦です。

 

もろもろの思いや優先順位を踏まえると対策は二つしかありませんでした。

(1)吸音性の高いロールスクリーンの枠内設置

(2)天井を10㎝下げて掘り込みを復活させる ← 最終手段。やりたくない。

 

ということで、我が家のウィンドウトリートメント計画の中で、一番の難問。これは現在進行形の課題です。

枠内設置の是非を検討する

枠内設置の最大のメリットは、天井面や壁(ただし、LDKはクリアビューデザインで窓の上に壁が無いので、クリアビューの維持)を綺麗に維持しやすいことです。

条件1:物理的な収まり

このための要件の一つは、ロールスクリーンの幅が窓枠の幅以内、高さが窓サッシと同じかそれ以下に収まること。

測ってみると窓サッシは8㎝~、ロールスクリーンの高さは7-8㎝なので、上下方向にはまずまずの納まりといえそうです。

奥行きに関しては、通常は柱が4寸だから12㎝、あるいは壁が標準で15㎝あるので枠の幅は最大で15㎝となります。

ただしこのスペースに窓も来るのでまるまる15㎝が使えるわけではありません。固定窓のところはまだ良いのですが、引き違い窓がくる場合にはサッシが二重に入るため、15㎝では足りないことがわかりました。わかりにくいのですが、下の写真の一番右側の黒いサッシの部分です。

ここらへんの位置関係は、積水ハウスの木造、軽量鉄骨、重量鉄骨などいくつかの展示場を訪問して実際に測らせてもらい確認しました。

奥行きが収まらないと、壁の面から室内側にでっぱってくるので、デザイン上相当残念な感じで枠内設置に黄色信号です。その場ではがっくりとしたのですが、帰りの電車の中でふと、「壁をふかせばいいんじゃないか?」。

次のうち合わせ(これは問題が発覚して私が拗ねた後の初回の打ち合わせでした)でこの点を確認すると、ちゃんと設計図の中で壁をふかしてありました。さすがOさん!ぬかりないですね。これで、位置関係上は枠内設置に前進です。

条件2:色が悪目立ちしない

天井から軒天のつながりを意識して、天井はブラックウォールナット、窓枠や柱は黒、軒天が濃い茶色のサイディングにする予定です。ここで白っぽいロールスクリーンが黒い窓枠の内側に入ると、一気につながりが破壊されてしまう、ということで落ち着いた色のものを選ぶことが必須です。

このためには、ロールスクリーンの生地を巻いたときに茶色から黒っぽい色に見えることと、ロールスクリーンのメカニズムで濃いアンバーや黒を選べることが条件になります。

一時調光スクリーンも考えたことがあるのですが、この場合にはレースの部分の白が表に見えてきてしまうので、巻き上げたロールスクリーン全体が白っぽくなり条件をみたしません。幸いにして大手メーカーであればメカの色はありそうなので、あとは生地の色の調節でなんとかなりそうです。

 

ということで、ひとまず枠内設置というコンセプト自体は選択肢となりました。

 

吸音性問題

残るはロールスクリーンである程度の吸音性や調音機能があるもの、更にさほど厚くなくて枠内に収まるものがあるか、という点です。

そもそもロールスクリーンの様に薄い生地にこうした機能を求めるのは無理があるのでしょう。トーソー、ニチベイ、タチカワのカタログを調べても、遮光、遮熱といった機能はあっても、吸音・遮音に触れたものは一つもありませんでした。

他の音響系のメーカーでも、カーテンやブラインドはあっても、ロールスクリーンで吸音性を明示している商品はなかなかみあたりません。

 

が、ひょんなきっかけで知った欧州系のカーテンメーカー?が吸音性を測定した生地でロールスクリーンを商品化していることに気づきました。これならいけそうです。測定値の半分ほどでも力をだしてくれれば御の字、なのですが、ネックになるのは金額。見積もりを取得中ですが、日本の3大メーカーのロールスクリーンと比較して、少なくとも3倍から5倍程度の価格になりそうです。3倍だったらなんとか、5倍だったら・・・。といった感じでしょうか。

ということで、見積もり次第では、あるいは他で予算の折り合いがつけば、解決策あり、というのが現状です。

最後の手段

ここからは家づくりとは直接関係ない話。

 

株式会社NOAHのホームページからお借りしました。

株式会社NOAHのホームページからお借りしました。

molo softwall

こちらにあるのは、紙かポリエチレン樹脂繊維でできた折り畳み式の壁で、「インテリア性と音響性能とを見事に融合させたルームチューニング製品で、各周波数あたりの吸音率データは米国標準技術研究所 NIST の試験所認定プログラム NVLAP の認定を取得」したものです。

www.noahcorporation.com

いくつかのサイズがありますが、高さは1.8m、伸ばした時の長さが4.5mというのが大きさ的にはぴったり。もしロールスクリーンが全く役に立たず、ガラス窓でキンキンと反響するようなことがあったら、東西の窓の前にこのウォールを建てれば、ずっと良い効果が得られそうです。

でも、白いテキスタイルのものだとお値段が一つ約46万円、二つで90万円超。黒いクラフトペーパーでできたものでも、二つで約60万円。毎回出し入れする手間も考えると、頑張って吸音ロールスクリーンかなあと思ったり。でも、きっとこちらのウォールの方が吸音性高いんですよね。将来は、「両方必要」と言っている姿がちらほらとみえたり・・・。注文住宅の価格もとんでもないと思いますが、最近のオーディオ界の値付けも、世界的に無茶苦茶だと思うので、この二つが絡むとろくなことがなさそうです。

 

お見積りが届き、無事採用することが決まったら、あるいは逆に諦めたら、今回検討中のロールスクリーンについて具体的な情報を追加しようと思います。

 

ウィンドウトリートメントの悩み:寝室編、ロールスクリーンもろもろ

寝室編

寝室には南向きに幅2m、高さ1.2mの腰窓がつきます。窓の片側がコーナーに接しているのでカーテンは使いにくいけれど、割り切ってロールスクリーンを受け入れてしまえば対応している製品も多く、候補が多すぎる苦労はあってもLDKや書斎のような悩みはありませんでした。

寝室は寝るだけの部屋と割り切っているので、昼間は使わない(はず)。就寝仕様で遮光スクリーンを条件にしたほかは、標準的な仕様です。

ロールスクリーンの候補

ニチベイ:ソフィー

www.nichi-bei.co.jp

タチカワブラインドラルクシールド

www.blind.co.jp

トーソー:マイテックシリーズ

www.toso.co.jp

 

生地

各社とも生地はとても豊富です。なんとなくの印象ではニチベイが一番選択肢が多い気がしたけれど、数えたわけではないので間違えているかもしれません。大手3社のどこにしても、柄や色の選択肢は十分にあると感じました。

生地の手触り感、質感についても、同じタイプの生地同士を比較すると3社の間で特に大きな違いは感じませんでした。メーカーの違いより、メーカーの中でのタイプの違いの方が大きな違いにつながるように思います。

生地選びでは、候補があまりに多くて大変です。

  • 模様あり、無し
  • シースルー → ミディアム → シークレット → 遮光
  • 遮光の場合は、イメージする遮光等級(1級、2級、3級)とバックコートの有無
  • 遮熱など、機能性で求める基準があるか
  • 織り方、柄の好み
  • 色の好み

の順番で絞り込んでいくと効率的でした。

各メーカーともサンプルをオンラインで請求できるので、結構請求しました。リクエストした翌日に発送、翌々日に到着といったスピード感だったので大変に助かりました。

 

ただし送られてくる小さなカットサンプルでみると、結構残念な感じ、やや気持ちが落ちたことを白状しておきます。その後でショールームにある大判のサンプルや、実例を見ると、同じ生地でもずっと立派に見えるのが確認できて安心しました。

これは壁紙でも同じですが、カットサンプルは色味や手触り感の確認などの絞り込みには良いですが、質感などにしっくりこなくて決断できない場合にはできるだけショールームを訪問してみることをお勧めします。

 

ショールームでは生地の透け感なども確認できるのですが、デジタルカタログの方が優れていると思う点、絞り込んでおいた方が良いと思う点が二つあります。一つ目は、夜間の透け感など、異なる状況での見え方の違いの確認です。二つ目は、光の透過度などの記事の工学的性能です

生地が豊富にあるだけに、ショールームに行く前に自分が欲しいもののイメージは固めておけると、時間が有効に使えると思います。

カニズム・コントロールユニット

三社とも標準的な仕様同士ではメカニズムの基本的な機能やつくりに大きな違いはありませんでした。ただし寸法は微妙に異なります。特に枠内設置する場合は、少しの差で見え方がかわってくるかもしれないので、寸法に一段と注意を払った方が良さそうです。

また、デザインも微妙に違います。比較的曲線を多用したデザインと、直線的なデザインにわかれますが、これは実物をショールームなどで見てもらうのが一番だと思います。特にカバータイプの場合、違いがよりはっきりします。

スクリーンの上げ下げの仕方はチェーン、プルコードなどいくつかの手法が各社から用意されています。この点については標準的なチェーン方式で十分だと思っていた我々は特に調べませんでいた。特にお気に入りの手法がある場合には、それが提供されているかどうか確認した方がよいですね。操作方法が違うと、メカの大きさ、デザインや作成できるスクリーンの大きさも変わることがあるので、要注意です。

 

我々の評価基準では生地ではあまり差がつかず、メカのデザインや色でどの商品を採用するかが決まりそうです。以下に各社のメカの例(図)をまとめました。それぞれ各社のホームページや電子カタログからお借りしています。実際のメカの大きさは、操作方式やスクリーンの大きさ、その他のオプションによっても変わってきますので、決める際には必ずメーカーのサイトでオリジナルの情報を参照するようにしてください。

トーソー

 

TOSOのホームページからお借りしました。

 

TOSOのホームページからお借りしました。
ニチベイ

ニチベイの電子カタログからお借りしました。
タチカワブラインド

タチカワブラインドの電子カタログからお借りしました。

オプションとして考えること

  • カバーをつけるかつけないか。つける場合はカバーの色
  • メカやウェイトバーの色
  • ウェイトバーの種類やラップする仕様にするかどうかなど
  • コントロールの仕方(チェーン、プルコード、ワンタッチチェーンなど)
  • スクリーンを逆巻きにするかどうか(対応しないメーカー多そう
  • 電動か手動か

スクリーンの設置方法

スクリーンの設置方法(設置する場所)にはいくつ化の候補があります。通常いわれるのは、天井付けと正面付けですが、誤解を招きやすい用語に思えます。少なくとも、私たちはこの言葉をめぐってかなり混乱しました。

天井付けと正面付けの定義(ChatGPTに聞いてみた)

以下はChatGPTによる天井付けと正面付けの説明です。

 

ロールスクリーンの取り付け方法には、天井付け正面付けの2つの主な選択肢があります。どちらを選ぶかは、お部屋のデザインや使い勝手に影響を与える重要な決定です。

ここで、それぞれの取り付け方法について詳しく説明します。

  1. 天井付け:

    • 窓枠の内側に取り付ける方法です。
    • メカ部分や生地がすべて窓枠の中に収まるため、スッキリとした印象を与えます。
    • 光が少し漏れることがあるため、朝日を遮りたい寝室や書斎などの部屋の窓の方角を確認しましょう。
    • 窓枠の上下左右の寸法を全て図って、窓枠のゆがみがないか確認することが大切です。
  2. 正面付け:

    • 窓枠を覆うように取り付ける方法です。
    • 光漏れの心配はありません。
    • 高い遮光性が期待でき、ダイナミックなお部屋の演出やデザイン性の高い生地でインテリアのアクセントにもなります。
    • 窓周辺の壁にロールスクリーンをしっかり固定できる下地が必要です。

 

この説明は用語の使い方の一つとして成立しているようなのですが、完全なものでもないようです。

上にあげたロールスクリーンメーカーの説明図では、天井付けか正面付けは、窓枠全体を覆うかどうかにかかわらず、ブラケットが上に向いているか、横に向いているかを基準に定義しているように見えます。

 

ややこしいのは、壁(横向き)につけるか天井(下向き)につけるか、という方向を指す場合と、窓枠の外から窓枠全体を覆うか、窓枠の中に設置してガラス部分だけを覆うか、という覆う範囲を指す場合の二つの概念があるからです。

 

窓周辺の壁にロールスクリーンを固定する方式(正面付け)では通常窓枠全体を覆わない理由が無いので、窓枠全体を覆うように取り付けるというのは間違いではありません。ただし、窓枠全体を覆うために必ず壁に取り付けなければいけないか、という点では曖昧さが残ります。

 

また、枠内に設置する場合は、必然的に枠の天井側に設置することになるし、窓ガラスだけを覆うことになります。しかしながら、枠内以外の天井につける場合はこの限りではありません。

 

(枠ではなく部屋の)天井につけて、窓枠全体を覆う方式は、文字通りの意味でいえば「天井付け」だけれど、窓との関係では「正面付け」と同じ関係になっている、という点が誤解を招くのですね。

 

これは部屋の天井から窓枠全体を覆う方法があまり一般的ではなく、用語を考える上で無視されてきたからではないかと思います。しかし、時代と共に窓が大きくなり、天井や天井の掘り込みから下までスクリーンをぶらさげるケースがもはや珍しくない中で、言葉も修正された方がわかりやすいなと思います。

(本当の?)天井付けと正面付け、我が家の場合

文字通り天井からぶら下げるのと、正面付けの違いは、窓上部に出る壁の部分をロールスクリーンで覆うか覆わないかです。

 

もともとは、妻は「必要以上にロールスクリーンが大きいのは不自然だ。」との立場で正面付けは、私は「壁にぼこっと物がついているのは残念な気がする。」との立場で(文字通り)天井からぶら下げる派、でした。ただし、二階の居室はエアコンも壁掛けむき出しなので、今さらロールスクリーンに目くじらをたてても、という感じなのも事実です。言ってみれば、消極的天井付け派といったところでした。

 

しかしひょんなことで二人の意見があっという間にまとまりました。

 

やったことは簡単。今住んでいる家の壁に、新居の窓の大きさを床から同じ高さ、少なくとも一つの壁との位置関係もそろえて、実寸大で養生テープを使ってマーキングすること

新居の2階は天井高2m50㎝なのに対して、現在の賃貸マンションは2m40㎝と10㎝差があります。他の目的もあったので、床からの高さ(108㎝)を揃えたマーキングしましたが、ロールスクリーンの配置シミュレーションだけが目的であれば、天井からの高さだを合わせた方がよかったかもしれません。

 

マーキングによりわかったことは、天井からぶらさげても、正面付けにしても、スクリーンの大きさの差は限定的ということ。

250㎝: 天井の高さ - (120㎝: 窓の高さ + 108㎝:窓の位置) = 22㎝

ところが、巻いたロールスクリーンはウェイトバーの位置によっては約8㎝-10㎝程度あります。とすると

22㎝ -8~10cm = 12㎝ ~ 14㎝

となり、壁でいうと、10㎝強が巻いたロールスクリーンの上に出るか、下に出るかというだけの違いになります。であれば、天井からぶら下げた方が誇りもたまりにくいし、壁もすっきりする、ということですんなりと合意できました。計算してみても同じ結果になるのですが、壁へのマーキングでシミュレーションすることで感じられたことですんなりと腹落ちした気がします。、窓の大きさや位置関係を確認するうえでもこの方法はとてもお勧めです。

電動と手動

ロールスクリーンを電動化するコストは、メーカーにもよりますが、1台5万円~10万円ぐらいのようです。腰窓が一枚ぐらいであれば、電動にするメリットは限定的だと思います。進化を発揮するのは連窓で複数枚を同時に上げ下げしなければいけないとき。ただしこの時には、5-10万円×窓の数、と出費もかさみます。

我が家はLDKが複数窓同時開閉にあたるのですが、コスト面から電動は見送ることになりそうです。

まとめ

寝室は比較的シンプルに決まったので、今回はどちらかというとロールスクリーンに関して調べたことの備忘録です。ただし、正面付け、天井付けの言葉問題は、ちょうどちょっとしたトラブルと関連していただけに、ぎくしゃくのもとになり強い印象が残っています。ちゃんと言葉がわかりやすく進化するとよいなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィンドウトリートメントの悩み:書斎編、幅広の窓は難しい。

書斎編

今度の家には、私と妻それぞれの書斎を2階に作る予定です。

それぞれの部屋には、幅3m(実寸は285㎝ぐらい)、高さ120㎝の腰窓がつきます。この腰窓は両袖窓と言われるタイプで、真ん中の140㎝ぐらいが固定窓、両側75㎝ずつがスライドする仕組みになっています。

「2階で抜け感のある方向を意識して配置した、3mのまど開放感があって素晴らしい。特に妻の書斎は南向きで完璧!」と間取りを見た時には思っていました。でも、なかなか一筋縄ではいきません。

なぜ悩むのか

漠然と考えていたのは、「普通にカーテン2枚つければどんな用途にも対応できる!。」ということだったのではないか?と思います。自信がないのは、そもそも意識したことがなかったから。

導入編でも書きましたが、一つ目の誤算はカーテンやバーチカルブラインドを使いにくいこと。

まず脇にカーテンだまりがとれないので、あえてカーテンを採用するなら、窓の前にたまりをつくることになる、というのも問題がどちらの書斎にも発生します。

加えて、妻の書斎は、入口の幅85㎝ほどの通路の脇まで窓が伸びているので、カーテンだまりをつくると動線が狭くなるし、入口のドアを閉める際にカーテンだまりと干渉する恐れがあります。

それでもカーテンやブラインドを採用する余地がないか?

ただし、日中でも夜でもカーテンは基本的に閉めるのだったらこの問題は発生しません。「カーテン閉めるなら窓をつける意味ない。」という声も聞こえてきそうですが、必ずしもそうではないかも。

例えば、以前に使っていたことがあるハンターダグラス社のルミエットというバーチカルブラインド越しにみる屋外はとても良い感じです。

(Hunter Douglous社のホームページからお借りしました)

この商品の特徴は、厚い生地でできたブラインドとブラインドの間をレースの記事でつないでいること。これであれば、ブラインドを垂直にした状態では薄いレースのカーテン越しに外を見ることになり、とても高級感があります。

 

こうしたブラインドをつねに引いておく状態であればカーテンだまりはできません。動線はブラインドの幅分小さくなってしまうけれど、少なくとも圧迫感はでないでしょう。

 

しかし後ろ髪をひかれましたが、このブラインドは諦めました。再際の理由は腰窓との相性が今一つということ。このブラインドは天井から床までの長さがあるときに一番しっくりくる気がします。以前に使っていた時も天井から床まででした。腰窓の場合、窓の下の線までで切るか、窓がない下部も覆うように床までの長さのブラインドを採用するかの二択になります。

でも、どちらもデザインがすっきりしないのです。バルコニーのない2階なので、腰窓を掃き出し窓にすることは安全性の観点からできません。

今この記事を書いていて思ったのですが、腰窓の下にフィックス窓をつけて床までガラスにすれば、デザイン面での問題は解決しますね。ちょっと惹かれますが、外から見た窓の高さなどもすべて計算して窓を配置しているので、この部屋に下部までFIX窓をつけると、他の部屋(追加で4か所)も同じことをしなければいけません。お金の問題もさることながら、そこまですると断熱性への影響も甚大になる気がします。また、以前のときのように高層マンションであれば床までの窓をとることによって開ける視野のメリットは大きいですが、分譲地住宅街の2Fでは、窓の外の光景もさほど・・・。やはりだめですね・・・。

ということで、やはりバーチカルブラインドやカーテンは諦めるのが良さそうです。

ロールスクリーン

別に記事でまとめようと思っているLDKでは、天井面の美しさ、天井と軒のつながりなどを条件にしているため難易度が高いのですが、書斎に関してはそこまでのこだわりはありません。だから、すんなりと決まるはず・・・・、と思いきや、難題がありました。

 

難題1:2mを超える幅のロールスクリーンは選択肢が少なくなる。

難題2:2m70㎝を超える幅のロールスクリーンは、選択肢が本当に少ない

 

うーん、3mの窓を提案するときに警告しておいて欲しかった・・・。ロールスクリーンを検討している際にあるメーカーの方から、「設計士さんの中には、デザイン面ではウィンドウトリートメントは必要悪、できればない方がいいぐらいい思っている人が多いのでは?」と言われたことがありますが、あながち嘘ではないかも。モデルハウスの多くでウィンドウトリートメントが考慮されていない・設置されていない、ことと併せ、施主にとって盲点になりやすいポイントの一つだと思います。

 

調査・ヒアリングの結果、候補となる案は3つ。

 

案1:何としても、3mを1枚のスクリーンで覆うのだ。

1枚のスクリーンで窓全体を覆う最大のメリットは、2枚のスクリーンを使う場合に不可避であるスクリーンの間の隙間を回避できること。

調べた限り、大手3社のうち2社から対応する商品が発売さ入れています。

どちらも選べるかなり生地が限られています。おそらく巻き上げる際の撚れだったり、重さだったりといった点が影響しているのだと思います。しかし最大のデメリットは選べる生地が少ないことではありませんでした。

 

私の感じる最大のデメリットは、コントロールユニット・メカニズムのデザインでした。それぞれのリンクを見てもらえばイメージがつかめると思いますが、メカが結構大きい上に、デザインがいかにも堅牢性・耐久性重視といった感じでごついのでです。採用を検討されている方は、ショールームで実際のユニットを見ることをお勧めします。実物は図面でみるより、おそらくもっとインパクトがあると感じると思います。

 

印象としては、オフィスや商業施設で天井に彫り込んだりしてメカを隠して使う用途を想定しデザインされているように見えます。特にトーソーのメカは無塗装の金属の金具が一部むき出しになるなど、一般住宅に導入するにはやや躊躇してしまうかも。(といっても、金具は他の部品で隠れやすい場所ではあるので、設置後は特定の角度から見上げないとあまり見えないかもしれません。)

案2:あきらめて、2つに長さを分割してロールスクリーンを2つ設置しよう。

270㎝を超えてしまうから難しいんだと思えば、3mを分割してしまうという手もあります。両袖のどちらかを分離すれば、窓の幅はおおよそ210㎝と75㎝。210㎝であれば、生地の選択はやや限られるものの、通常の(家庭用使用を主な目的としてデザインされた)メカニズムで対応できます。従って、案1の問題点は回避できます。

 

デメリットがあるとすれば、2つのスクリーンの間から光がもれること、窓全体のスクリーンを上下するには2か所で操作する必要がでてくること。

スクリーンとスクリーンの間の隙間はおおよそ3㎝~4㎝程度になりそうです。計算上は窓のサッシとうまく重なって、光の漏れが限定的になること。もし漏れたとしても、寝室じゃないし、まあいいかという割り切りもできるかもしれません。

 

この案を採用する場合の注意点は、コントロールユニットの大きさの違いです。メーカーによっては、ロールスクリーンの幅や高さによってコントロールユニットの大きさを変えていることがあります。

例えばニチベイの場合、私が必要とする高さと生地では2mまではコントロールユニットI、2m以上はコントロールユニット2(か3)が使われます。ユニットが異なると、巻き芯の太さが異なるので並べた時に不自然になります。ニチベイでは、連窓仕様という指定をすると、幅が狭い方も幅が太い方のユニットに揃えてくれるようです。おそらく他社も同じようなオプションがあるのではないかと思います。

 

案3:ハイブリッド

ニチベイからはセパレートタイプ案2の改良案にあたる幅3200mmまでに対応した商品が出ています。この商品が使えれば、2つのスクリーンの間の隙間を更に減らせるため、とても有力な候補です。

ニチベイのホームページからお借りしました。

ところが・・、この商品では2つのスクリーンはそれぞれ幅2m以下という制約があります。従って215+75には割れないのです。例えば145+145に割ることはできますが、そうするとサッシの上ではなくガラスの上に隙間が位置することになり、残念な感じに。

 

最後に

調査の結果3案におちつきました。気持ちはほぼ案2なのですが、次回の打合せでインテリアコーディネーター(IC)と相談をして決める予定です。ロールスクリーンに関しては、このほかにもカバーをつけるか付けないか、操作する仕組み(チェーン?プルダウン?)、設置方法(天井付け、正面付け)、メカの色、といったことを考える櫃よぐああります。これらは寝室編で説明したいと思います。

 

 

 

ウィンドウトリートメントの悩み:導入編

間取り図を書いているときは、ウィンドウトリートメントは何とかなるだろう、設計士も考えてくれているだろう、と思い、何も意識していませんでした。一方で、積水ハウスの最大の魅力が大開口の窓ということで、大きな窓をあちこちにとっています。

契約後、内装を考える段になって、このウィンドウトリートメントが俄然問題になってきました。今回は大開口の窓に注意、というお話です。

ウィンドウトリートメントが必要な部屋

  • LDK:2m幅x4、1m幅X2(床から天井まで)
  • 書斎1:3m幅(腰窓)
  • 書斎2:3m幅(腰窓)
  • 寝室:2m幅(腰窓)
  • 多目的ルーム:2m幅(腰窓)

このほかにも二箇所窓がありますが、外からの視線が気にならない場所です。思い切ってウィンドウトリートメント無しにしました。

検討にあたって

伝統的な家では、庭やバルコニーに面した掃き出し窓があり、それ以外の各居室に採光・換気のためのほどほどの大きさの腰窓がある。それぞれの窓には、レースのカーテンと集めのカーテンの2枚がかけられるようにしていることが多いのではないでしょうか。

我々の建てたい家は、窓の取り方・使い方が大きく異なるので、それにあわせたウィンドウトリートメントを最初から考えておくべきでした。

契約後にインテリアを考え始めると、間取りからくるウィンドウトリートメントへの制約が見えてきます。同時に、私と妻の間でウィンドウトリートメントに求めるもの、イメージが大きく違っていることが明らかになります。

 

私:できるだけ窓から日差しを取り込みたいので、日中は基本的に窓を覆わない。夜に外から見えないようにしっかりと覆えることを重視する

 

妻:日中も日差しをコントロールしたい。特に西陽が当たる時間は覆いたい。この時は圧迫感が無いように透け感のあるもので覆いたい。バーチカルブラインドやカーテンが好み。ホリゾンタル(ベネシアン)ブラインドやロールスクリーンは好みではない

 

あわててすり合わせをする中で見えてきた考慮ポイントはこちら。

  • その部屋はいつ使うのか(午前中、午後、夕方、就寝時・・・。)
  • その窓を覆うのはいつか
  • その部屋に求めるデザインと機能性のバランス
  • 日差しコントロールと、視線コントロール、どちらを求めているのか
  • それ以外に求める機能はあるか
  • 質感に対するこだわりは

そして間取りを考える上で最大の制約条件が「カーテンだまりを確保できるか」、でした。

 

我が家の間取りでは、5か所とも窓の片側がコーナーから始まっているので、両開きのカーテンやバーチカルブラインドはとりにくい。更に2か所は逆側も部屋のコーナーまで窓が伸びているので、まったくカーテンだまりがとれません。

 

ということで、妻が好むカーテンやバーチカルブラインドを採用するためには、窓の配置を変更するしかありません。ここは悩んだ末に家全体のデザイン優先で変更なしとなりました。

 

シェードとロールスクリーンでは、二人ともシェードの感じが好みではないため、ロールスクリーン一択です。

納得のいくロールスクリーンをもとめて・・。

最初に積水ハウスのオフィスでロールスクリーンのサンプルを見せてもらったとき、関連したちょっとした残念なサプライズの直後だったこともあり、まったくピンときませんでした。

 

それからは各社の電子カタログを読み込むと共に、ショールーム訪問、サンプル請求と徹底調査あるのみです。それから、タチカワブラインド2回、トーソー1回、ニチベイ2回、その他2回と、これまでのショールーム訪問が延べ7回。ようやく結論が見えてきました。

 

www.blind.co.jp

www.toso.co.jp

www.nichi-bei.co.jp

 

ショールーム見学は、予約して説明をしてもらうパターンと、自由見学のパターンがあります。2回訪問しているのは、まず自由見学をして、次に案内付きで相談したり、質問したりするパターンがほとんどでした。

 

どのショールームも非常に親切で大変に参考になります。

この中ではニチベイが少し予約取りにくいかも。自由見学も12:00-13:00の間だけに限られているので、ややアクセスしにくいです。一方で、件数をしぼり自由見学を昼だけに限ることで、予約している訪問客には落ち着いて説明をしようという配慮がしっかりとされているとも言えます。

ちなみに、ニチベイとトーソーは歩いて5分ぐらいの距離にあるので、訪れる際は2つまとめて予約をとると便利です。

スタッフの数が多く、最もショールームが開けていて、積極的に見学客を受け入れたいという姿勢を感じるのはタチカワブラインド。場所も新橋駅からすぐで便利です。ひとまずどこか一つ訪問するのだったら、こちらのショールームが良いかもしれません。

 

どのメーカーも強みや特徴があるので、我々も複数のメーカーのものを採用予定です。次の記事から何回かにわけて、検討結果をご報告します。