積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

外壁:ベルバーン選び

ダインコンクリートとベルバーン

3年ほど前、家づくりを考え始め写真やブログを見始めたころは完全にダインコンクリート推しでした。しかし、展示場を回ったり、住宅地を歩き回って家観察をするようになってからは、徐々にダインコンクリートから心が離れはじめ、気づいたらベルバーン推しになっていました。

 

鉄骨推しが、気づいたら木造推しになっていたのも影響しているのかもしれません。鉄骨と木造については、記録のためにもいつか機会を見て記事にしたいと思います。

ダインコンクリートで気になり始めた点

質感

厚みがあって彫りが深いのは事実ですが、やはり天然の石に較べると表面の風合いも含め、やや平面的な印象を受けます。柄についても、シート材のフローリングと同じように広い面積をカバーすると、変化の幅が限られていることに気づく可能性が高まります。

いろいろと考え、見学し、調べる中で外装材、内装材共に「~~調」、「~~風」の難しさを感じるようになりました。ダインコンクリートは、石風だからこそ、この違いがより気になってしまったのだと思います。

重さ

ダインコンクリートは非常に重い。イズ・シリーズの躯体が非常に堅牢だからこそ、これだけ思い外壁を使っても十分な耐震性が得られるのですね。これだけの厚みがあるからこそ提供できる性能があるのも事実です。

その一方でもう少し軽い素材にすることで耐震性を更にあげたり、逆に同じ耐震性を維持しながらコストをさげたりする方向もあるわけです。ダインコンクリートの意匠性がとても気に入れば問題は無いのですが、思い入れがあまりない場合には悩みどころです。

目地が気になるかも

ダインコンクリートは大きなプレートを壁に吊るしていく構造になっており、プレートとプレートの間をふさぐために目地が必要です。目地が必要という点ではベルバーンも同様なのですが、ベルバーンよりもダインコンクリートの方が厚みがあるだけに、対比でみるとダインコンクリートの目地の部分の方が目立ちやすいと感じました。

特に窓や外壁に何かを設置してあるような場所の周りでは、設置物を避けるように小さなダインコンクリートのプレートをうまく割り付けてあるのですが、プレートが増えれば目地の量も増え、目立ちやすくなります。

他の家とかぶる

これはダインコンクリートに限らず、ベルバーンでもいえることですが、人気がある柄、色が限られているためにコモンステージの分譲地のように積水ハウスで建てた家がまとまっているところでは、結構な確率で同じ、ないし似た外壁を使った家があります。

ベルバーン

ベルバーンは陶磁器のような焼き物でできています。ダインコンクリートほどの強度はないけれど、それでも十分に強い。表面に防水加工をしている素材(窯業系サイディング、ALCなど)は、防水加工部分が剥げてくると再加工する必要がありますが、ベルバーンは大丈夫。従ってメンテナンス費用が抑えられるとされています。

大判のベルバーンのプレートを壁に引っ掛けていくのはダインコンクリートと変わりませんが、上のプレートは下のプレートの上に重なるように設計されているので、上下のプレートの間には目地は出ません。目地は左右のプレートの間だけなので、目地が気になる人にとってベルバーンは選びやすい壁材だと思います。

ベルバーン自体はメンテなしで60年でも持ちそうな感じですが、目地部分はメンテナンスが必要です。現在積水ハウスが使っている目地材は耐用年数30年ということで、メンテナンスの説明の中では30年後には足場を組んで目地の打ち直しをする想定になっています。

30年より長い耐用年数の目地材があるかどうかわかりません。ただ30年経つと屋根の防水、色々なところで使われている金物など、取り替えたり塗装したり、再処理したりする必要がある場所が色々と出てきます。

「放っておいても何十年持つ家」「メンテナンスフリーの家」を求めるのは現実的ではない以上、躯体や構造材以外のところではひとまず30年の耐用年数を目安にして、30年サイクルで適切な補修をすれば60年以上使える家を考えるのが合理的だと感じます。この点で、積水ハウスの使用は理にかなっていると感じました。

付け加えるとすれば、年齢とともに住み方も変わるでしょうし、家を売却すれば違う使い方をする人が住むわけで、リフォームしやすい家というのも家の流通価値、残存価値を高める上で重要です。積水ハウスで建てた家は、実質的に積水ハウス以外の業者によるリフォームが難しい点は、家の性能維持、品質管理の面では必ずしも悪いことばかりとは思いません。が、積水ハウスがリフォーム、リノベーションで、中古住宅市場で魅力のある家、新築と比較しても競争力がある家を提供できるかどうかは、中古住宅市場の成熟と併せて今後の課題ですね。

脱線しましたが、ベルバーンは実用的に望みうる最大限の耐久性を維持していると言えそうです。

質感と色

ベルバーンには大きく分けて、光沢のあるツルツルな感じ(スムースボーダー、櫛引きボーダーなど)とのものと、ざらざらした質感のもの(クラフトボーダーなど)があります。

色は、柄によっても異なりますが白系から濃い茶色、あるいはチャコールまで、それぞれの柄で5種類ぐらい。

最初にカタログやサンプルを見た感じでは、柄ではクラフトボーダーシリーズと、櫛引ボーダーシリーズで迷いました。色では、アイボリーのような白っぽい色と、チャコール系の色のどちらにするか、その時々で気持ちが揺れていました。

実例を見るのが一番

サンプルを見ていても全く決まらない。けれど、モデルハウスはスムースボーダーのアイボリーが多かったり、そもそも鉄骨が多かったりで、欲しい色の実例があまりない。ということで候補になっている何パターンを指定して、営業のIさんに近所にある実例を探してもらい、外部から通りすがりで見学をさせてもらいました。所要時間1時間強の半径内の地域で、数日かけて五箇所ほど回りました。

  • サンプルで見るのと、実例を見るのでは印象が全然違う
  • 光の当たり方で見え方が全然違う
  • コモンステージ(積水ハウスの分譲地)と、一般住宅地では選び方に違いあり
  • 窓枠、ベランダ、軒裏、雨樋などを含めて総合的に考える必要あり
  • 一種類のベルバーンで覆うとのっぺりした感じになることがあるが、2種類以上の貼りわけは難しい
  • 目地に注意(これはモデルハウスを見て感じたこと)

最初の二つは「絶対に実例をみましょう。」という話です。コモンステージで10戸あれば、木造の割合は3−4戸、多ければ半分ぐらい。このうち2件はベルバーンが完全に被っていたり、近い色・柄のものだったりします。白系を選んで被った場合には、さほど気にならないけれど、チャコール系で色がかぶると結構な存在感です。隣り合わせで同系色だったら結構嫌かも・・・。自分が最後に建てるのならいいのですが、隣に何色が建つかわからなければ、チャコール避けるかもな、あえてあまり一般的でない色選ぶかなと思います。遠州茶とか、良さそうです。

 

設計士さんのセンスなのだと思いますが、実例見学していると窓サッシ、軒裏、雨樋、エアコンのダクトなどの色がうまく外壁とマッチしている家と、残念な感じになっている家がありました。白っぽい色を選んでおけばさほど問題はなさそうですが、少し濃い色を選ぶ場合は、事前に外壁に付属するものや、場合によっては外構も含めて調和が取れるか、設計士と検討した方が良さそうです。

 

ベルバーン一色だと単調になりやすい、というのも発見でした。大きな窓や、ベランダなどがあればアクセントになるのですが、家の形が長方形に近く、ベランダもない場合は少し工夫がいるかもしれません。悪く言えばのっぺりとしてしまう感じ。ベルバーンだからというより、凹凸がないことが原因なので、吹きつけやサイディングでも同じなのですが、この点ではダインコンクリートに軍配が上がる気がします。家の形、外構なども含め外観のデザインをしっかりと考える必要性を感じました。一方で、うまくハマった時には、ベルバーンの上品な感じはダインコンクリートでは出せないセンスや質感を演出するのに大いに貢献しそうです。

 

単調さを嫌ってか、ベルバーンを2色ないしそれ以上組み合わせている家もありましたが、これも少し残念な感じの家が多かったです。そもそも家の外周は入隅が少なく出隅が多いし一つの面の途中に見切りを入れて色を無理やり変えるのもちょっと・・・。これをするのなら、鉄骨にしてダインコンクリートとSHストーンの組み合わせを採用する方が自然な外観になりそうです。

 

建築後10年以上経っているモデルハウスを見ても、ベルバーンは古びたり汚れたりしていないのですね。この点は、ベルバーンの優秀さを示しているわけですが、目地は10年経つと結構汚れます。結果として、ベルバーンと目地の色を揃えて建てても、目地だけが黒ずんで見えることに・・・。私はこれが嫌だったので、最初から濃いいろの目地を使える、濃い色のベルバーンを選択しようと思いました。

選んだもの

検討の結果選んだのは、ソイルチャコール+黒い窓サッシ。窓サッシは溶け込んで見えるブロンズとも迷いましたが、キリッと引き締める効果を狙って選びました。外観に変化を持たせる役目は、壁沿いに植える何本かの高木・中木と、それらのライトアップに果たしてもらうつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓄電池の中間経過

悩んでいる蓄電池ですが、追加の見積もりが届きました。

これまでの経緯

悩み始めたきっかけは、当初提案されていたパナソニックの蓄電池の構成が全負荷型・200V対応だと思っていたのに、特定負荷型・100V対応だったことです。全負荷型・200V対応の構成で改めて見積もりをお願いしたら、大幅に価格が上がり、 想定が狂ってしまったのでした。

 

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パナソニック以外のメーカーだともう少し安くならないかと思い、仕様などを調べてまとめたのがこちらです。同時にニチコン・シャープの見積もりをお願いしました。

 

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見積り

まず見積もりに関してのまとめです。金額を書くのはばかりがあるので、定性的な説明でご容赦ください。

実際の価格については、最初から全負荷型・200Vを目指すのであれば、安い順にシャープ、ニチコン、そしてかなりの差でパナソニックでした。シャープは定価がかなり高いのですが、掛け目が他の2社と比べても相当に高く、実売が最安となりました。

容量によらず共通な部品があるから当然なのですが、容量が大きくなればなるほど1KWhあたりの単価は安くなります。容量の大きい構成の場合には、巷でいわれる1KWhあたり20万円を下回る水準も現実的であると感じました。

 

太陽光発電側で2台必要だった(専用)パワコンも、これまで言われていた1台だけでなく、2台とも外すことが可能になる可能性があります。ただ、太陽光発電の容量によっては専用パワコンを1台つける必要があるとのことでした。ニチコンの場合、8.8Kwまでは対応できることになっていますが、蓄電池メーカー側の公称能力とは別にハウスメーカー側でマージンをみた閾値があるようです。こちらについては確認中で、もうしばらくしたら答えがもらえると思います。パワコン1台で20-25万円するので、2台とも外せるとなると、40-50万円ほどのインパクトになります。

期待していることと、次のステップ

ニチコンとシャープ、どちらも良いメーカーだと思いますが、総合メーカーと専業メーカーを比較すると専業メーカーの方により良い印象を受けます。また機能面でもニチコンの方が洗練されているように感じられます。少し価格差はあるけれど、まずはニチコンを本命に考えて、調べてみたいところです。

確認すべき点は二つ。

一つ目はパワコンに関する制約です。太陽光発電は7.5KW程度を予定しています。ニチコンのカタログでは8.8KWまで大丈夫なので、積水ハウスが追加のパワコン無しで7.5KWの太陽光発電を接続させてくれるかどうかでコストが20-25万円変わってきます。

二つ目は、将来拡張するときの手間・コストです。ニチコンの中では絶対額の安い7.4KWの構成を選ぶことになると思います。ただし、7.4KWの蓄電池ユニットを二つ使った14.9KWの構成でも、120万円する本体・コンディショナー部分は共通なため、LW当たりでみるとかなり割高に見えてしまいます。

このため、最初は7.4KWで導入しても何年後かには7.4KWの蓄電池ユニットをもう一つ追加して14.9KWにしたいところです。この際にユニットの購入と簡単な配線で済むのか、壁に新たな部品を据え付けたりといった面倒な工事が必要だとすると、初期にまとめて導入するのに比べて大幅に割高になることも考えられます。

この二つの点で納得がいけば、蓄電池については決めることができそうです。

 

 

 

断熱について考える(2):窓・サッシ

アルミ樹脂サッシって本当にダメなの?

家づくりに詳しいYoutuberさんの話を聞いていると「アルミ樹脂サッシは時代遅れ、ありえない。」という気にさせられます。もう少し見ていると、アルミ樹脂でもまあ場合によってはいいんじゃない、という方、あるいはアルミ樹脂擁護派のLIXILなどもありますが、不安になりますよね。

 

今回のテーマは、アルミ樹脂に落ち着いた私たちが、サッシについて検討したり、考えてきたことのまとめです。

 

私は、断熱等級やUa値は良ければ良いに越したことないけれど、有限の予算の配分や、その他のニーズとのバランスを考えると、断熱等級5がクリアできれば、あとは他の部分で補えるのでは?、と考えてます。この理由については前回の記事にまとめました。

 

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この点で、「いや断熱等級6は必須、あるいは7を目指すべき。」と思う方は、この記事は全く役に立たないと思います。

断熱性に一番影響があるのは窓

省エネルギー基準に即した家でアルミサッシの場合、熱が家からどの経路で出入りするかいくつかの試算があります。

日本建材・住宅設備産業協会によるシミュレーション

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/assets/v0/img/general/housing/01/img06.jpg

YKK APによるシミュレーション

こちらのシミュレーションはYKK APのホームページを引用させていただきました。

https://www.ykkap.co.jp/info/pvc-windows/q/img/02_img_03.gif

※上記数値は、YKK AP算出です。
窓からの熱の流入出比率の算出条件【解析No:00033】(2021.7.1更新)
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会 ●住宅モデル:2階建て/延床面積 120.08㎡/開口部面積 32.2㎡(4~8地域)「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●躯体:平成28年省エネルギー基準レベル相当 ●窓種:アルミ(複層ガラスA8未満) ●環境条件: 冬:外気温:2.6℃、室温:20℃ 2月14日 5〜6時(日平均外気温最低日)、東京

夏の暑さの伝わり方

※上記数値は、YKK AP算出です。
窓からの熱の流入出比率の算出条件【解析No:00033】(2021.7.1更新)
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会 ●住宅モデル:2階建て/延床面積 120.08㎡/開口部面積 32.2㎡(4~8地域)「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●躯体:平成28年省エネルギー基準レベル相当 ●窓種:アルミ(複層ガラスA8未満) ●環境条件:夏:外気温:34.8℃、室温:27℃ 8月5日 14〜15時 (日平均外気温最大日)、東京

窓の影響が一番大きい

どちらのシミュレーションも、夏・冬ともに窓から伝わる熱が最も大きいという点で共通しています。これらの試算の前提は省エネ基準、アルミサッシです。

省エネ基準時代と比べると断熱材については素材の変化は少なく、密度を高め厚くすることで徐々に性能を上げていく感じだと思います。それに対して、窓は

  • サッシ:アルミ→アルミ樹脂→樹脂
  • 窓:単板→複層→複層Low-E→トリプルLow~E
  • 窓:乾燥空気→アルゴンガス→クリプトンガス

と選択肢が広がり、アルミサッシから高性能サッシに換えることで大幅に性能をアップすることが可能になります。

 

アルミサッシ+単板ガラスの熱貫流率が約6.5と言われています。下の表は代表的なサッシの熱貫流率をまとめたものです。実際には、同じ製品の中にもいろいろなバリエーションがあるだけでなく、窓の大きさが変わればガラス部分とサッシ部分の比率も変わるため、数値が変わってきます。こちらは代表的な数値として考えてください。

 

サッシ モデル 熱還流率 備考
アルミ 複層ガラス 4.07  
アルミ樹脂 AJサッシ 2.27  
アルミ樹脂 SAJサッシ 1.66 ペア、アルゴンガス
樹脂 APW330 1.37 アルミスペーサー
樹脂 APW430 0.9 トリプル

(*) APW330, 430についてはYKKのカタログから、それ以外はブログの情報を引用させてもらっています。

 

これによれば、単板ガラス+アルミサッシを、APW430(樹脂サッシ、トリプルガラス、アルゴンガス)に換えると、失う熱が約7分の1になることになります。ペアガラス+アルミサッシとの比較でも、熱損失を半分以下に抑えられるので、劇的な効果があります。この改善効果をみれば、

  • 断熱性能を考える上では、まずサッシ性能にこだわるべき
  • 断熱性の高いサッシを採用した家の場合、上の試算と比べれば窓からの熱流出入は大幅に削減されているはず。この場合、壁など他の部分の断熱性能を上げることの重要度が増してくる。

と言えそうです。

性能を上げなくても、窓の面積を減らせば断熱性は上がる

断熱材が10cm程度入った外壁の熱貫流率は0.5前後のようです。上の表では最強のAPW430と比べても熱の流出入は半分強に抑えられます。

と言うことは、断熱性能にこだわるのなら、窓面積をできるだけ減らすのが良いわけです。大開口の家、床から天井までの窓、などかっこいい(?)デザインを追求した上で断熱性能を求めるから、窓の性能が一層重要になるのであって、日射取得も含めた機能面で必要最小限の窓に絞ることが、Ua値を追求したい人がまずやるべきことだと思います。

サッシか、ガラスか

1m✖️1mの窓と2m✖️2mの窓を比較すると、面積は1平米と4平米で4倍。サッシの長さは、4mと8mで2倍になります。

1m✖️1mの窓と1m✖️2mの窓で比較しても、面積は2倍、長さは1.5倍です。

 

要は大きな窓になればなるほど、サッシ部分の面積よりガラスの部分の面積の増え方が大きいので、ガラス部分の性能の貢献度が大きくなりやすい。ということです。それぞれの部分の性能値や面積をもとに計算してみないとなんともいえないところではありますが、大きな窓の場合、アルミ樹脂サッシでもトリプルグラスにしていれば結構いい仕事してくれるかも、と期待したくなりますね。

似た話では、樹脂サッシの方がアルミ樹脂サッシより単位面積あたりの熱貫流率は低いのですが、樹脂サッシはアルミ樹脂サッシよりもサッシ幅が大きいので、素材の性能ほど差が出にくい、という面もあるようです。

 

樹脂サッシでは大きさに制限がある

積水ハウスは2.7mの天井高にたいして、床から天井まで2.7m弱の高さがあるSAJサッシ(アルミ樹脂)が利用できます。しかし樹脂サッシの代表格であるAPWシリーズでは、最大高さは2270mmまでのようです。

 

別のハウスメーカーからの間取りプランでも、他の多くの窓は樹脂サッシのAPW330(このハウスメーカーはこれが標準です)を使っているのに、間口が広い大開口窓用にAPW511シリーズの提案がありました。APW511はアルミ樹脂サッシです。できることなら樹脂サッシに揃えたかったので変更をお願いをしたのですが、こちらも樹脂サッシでは同じだけの間口をとれないので、アルミ樹脂サッシを使っているとのお話でした。

 

アルミの方が樹脂より強いので、樹脂サッシはアルミ樹脂サッシよりもサッシ部分の幅を太くして強度を確保していますが、それにも限界があるということですね。ある程度以上の大きさの窓をとりたい場合には、樹脂サッシをあきらめるか、あるいは大きさを諦めるかの二択になります。

 

断熱性能の差をどう考えるか?

SAJサッシとAPW330を比較すると、断熱性能の差は約20%。大きいといえば大きい。けれどAPW430まで行くと、更に40%ほど性能があがるので、どうせならそこまでいってしまいたい気分になりますが、コストもとんでもなくなりそう・・・。

 

サッシ モデル 熱還流率 備考
アルミ樹脂 SAJサッシ 1.66 ペア、アルゴンガス
樹脂 APW330 1.37 アルミスペーサー
樹脂 APW430 0.9 トリプル

 

家全体の断熱性能や、冷暖房費の差で考えると、SAJサッシとAPW330の20%の差はあまりきかないのではないか?でも、局所的に窓の近くの感じ方は結構ちがうのだろうか?結露も気になるし・・。

 

と、断熱性能だけを切り出すと、考えがまとまりません。

 

最終的な判断

いろいろと考えてきたのですが、家づくりのコンセプトとしてデザインと性能のバランスで、性能に大きく振るのであれば例えば一条工務店を選んでいたと思うのです。あるいは中堅ハウスメーカーにお願いをして、性能面に予算を厚く配分することもできたと思います。

 

積水ハウス住友林業三井ホームといったハウスメーカーに惹かれていったのは、そして大開口の窓をどうしても採用したかったのは、このデザインと性能のバランスで、妥当な性能を確保しつつ、デザインや使い勝手など数字で測れない部分を大事にしたかったからだと思います。

 

もし、樹脂サッシでも窓の大きさ、ひいてはデザインに制約が無ければ、樹脂サッシを採用していたと思います。言ってみれば、できることなら樹脂サッシを選びたかったけれど、何が何でも樹脂ではない、という立ち位置に落ち着きました。

 

コスト面では、最終的に採用することになったSAJサッシと樹脂サッシでどの程度さがあるか、微妙なところです。口さがない人は、「大手HMが樹脂アルミ複合サッシを使い続けるのは、そちらの方が儲かるから。」とか、「樹脂アルミ複合の方が安くて売りやすいから。」などと言ったりもするようです。

しかし、積水ハウスのセカンドブランドで大幅に価格が安い積水ハウスノイエは、APW330が標準仕様です。これは、SAJサッシにも相当にコストがかかっている、という可能性を示唆するものだと思います。

 

 

断熱について考える(1):家庭で使用するエネルギー

家が使用するエネルギー(一次エネルギー)の内訳

一般家庭が消費するエネルギーは、暖房、冷房、換気、給湯、照明、その他(家電など)に分けて考えることができます。

実際の使用量は家ごと、日ごと、住む人ごとに異なりますが、ZEHや、省エネルギー基準などの基準を満たしているかどうか判定するためには標準的な計算方法が必要になります。この計算式は国土交通省によって定めれらており、多くの場合この計算式に基づく基準値(理論値)を元に判断されるようです。

 

https://www.mlit.go.jp/common/000026837.pdf

この分類とはやや区分が異なりますがエネルギー庁の試算によれば、平均すると30%弱が冷暖房、30%弱が給湯、残りが照明・換気、その他に相当するようです。

家庭の用途別エネルギー使用量

この数字は全国平均、年平均だと思います。この場合、

  • 12月から1月や、8月など特定の月は、冷暖房費の割合がとても高くなる。
  • 北海道など寒冷地は冷暖房費の割合が高くなる。

と考えられます。

家づくりへの示唆

エネルギーコストの観点では、断熱等級5以上に上げるのは割りに合わないのでは?

断熱性を高めることで大きく削減することが見込めるのは、冷暖房費用の部分です。特定の月に電気代やガス代が大きく跳ね上がることにより痛みを感じやすいので「冷暖房費用が削減できる。」というのは感覚としては非常に魅力的です。

一方で、寒冷地でない場合には年間を通してみれば冷暖房は全体の30%弱。仮に冷暖房に必要な熱量を半減できたとしても、家全体としてのエネルギー消費量は15%弱しか減らないことになります。

さらに、冷暖房に必要な熱量が、家が失う熱量に比例するとすれば、熱量を半減させるためには、U a値0.6(6地域で断熱等級5)を、Ua値0.3(6地域で断熱等級3=0.26に肉薄)まで引き下げる必要があります。

ZEH(ZEH+)で目指すものの一つが、省エネ基準からエネルギー消費量を20%(25%)であることを考えると、冷暖房だけで15%下げることができればとても大きい。けれど、断熱等級7に近い水準を狙うためには、ある程度は断熱材の密度を上げることで対応できるけれど、サッシの部分など断熱性を大幅に向上させにくい場所や、熱橋があることをも踏まえると、付加断熱も利用して断熱材の厚さを倍以上にする必要があります。

仮に総2階、長方形(10m x6m)の家があったとしてます。この家の延床面積は120平方メートルで約36.3坪です。

断熱材を厚くしつつ、上から見たときに同じ専有面積の家を作るとします。(一般的には壁芯で考えますが、ここでは外周を基準に考えます)角の部分の誤差を無視すれば、10cm X(10+10+6+6)x2 =6.4平方㍍(約2坪)分、壁が暑くなり、有効に使える面積が減る事になります。

言い換えれば、36坪の家で2坪を居室に使う代わりに断熱に使うという困難な決断をした上で、やっと全体のエネルギーの15%を削減できることになります。

追加的なスペースを取るためのコストと、断熱材のコストなどを含めて一坪80万円と考えれば、2坪では160万円のコストになります。

エネルギーコスト以外の断熱性のメリット

断熱性を上げることのメリットは、エネルギーコスト削減だけではありません。

  • 家の中の温度ムラが少なくなることが期待でき、快適度が高まるはず。
  • 局所的に寒気に触れる場所が減る可能性が高く、結露リスクを抑えられる。
  • 消費エネルギーを減らすことは、エコの観点からは絶対に正しい!

これらのメリットを総合的に考えてどの水準の断熱性能を目指すか考える事になります。

他のエネルギー消費

冷暖房に次いでエネルギー消費が大きいのが給湯です。従来型の給湯器からエコジョーズエコキュートにすることでエネルギー効率を上げることができますが、使う湯量が同じであればこれ以上削減する技術は今のところ普及していないようです。

照明も、白熱電球や蛍光灯からLEDに置き換えることでエネルギー消費を抑えることができますが、この置き換えもほぼ一巡でしょう。今後エネルギー消費量を大きく削減する道はまだ見えていません。

家電についても、待機電力を抑える工夫・改良などは続くと思いますが、短期的には大きなブレイクスルーは期待薄です。

全体としてみればエネルギー消費を抑える方向には限界があると思います。

家庭での発電

エネルギー消費抑制に限界があるとすれば、残るは太陽光などを用いた自家発電により正味でのエネルギー使用量を減らす方向性です。

 

先ほどのざっくりとした計算で、断熱等級を5から7近くに上げるためのコストは、それに必要な空間(間取りへの影響)も加味すれば、160万円になりました。160万円あれば、太陽光発電を6Kw程度載せる事ができるでしょう。6Kwあれば、36坪で断熱等級5(6地域)であればZEH水準をクリアできる可能性が高く、少なくとも晴れの日の昼間消費電力はほぼ賄えるはずです。ネットでの消費電力削減効果は15%どころではありません。

 

私は、太陽光発電はライフサイクルを考慮にいれてCO2発生量を見た場合に、一般的に言われる38g/KWhより大幅に高い可能性が大きいが、LNG(599g/KWh)、石炭(943g/KWh)などと比べると圧倒的に少ないと考えています。このため、現在の電気代、設置コストなども含めて総合的に考えると、太陽光発電の採用は個人としてのメリット、社会的意義の両面で理にかなっていると考えています。

私たちの方針

  • 断熱等級5はしっかりと確保するが、デザインやコストとのバランスを考え、性能競争やスペックの追求に走らない。
  • 「空調をできるだけつけない。」ことにこだわらない。全館空調的に一部の冷暖房器具を常時オンにすることを前提に、家の中の温度ムラが小さくなるような換気システム・空調機器の設置方法を考える
  • 家の性能、空調・換気システム、太陽光発電全体で、初期コスト・ランニングコストの双方を加味して最適な組み合わせを実現する。

経緯:契約後2回目の打ち合わせまで。

これまで

契約時にもらった見積もりを元につくったチェックリストはこちらです。

 

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このチェックリストを作ってから、営業マン、設計士さんと打合せを2回で6時間弱しあました。今回は中間経過のまとめです。

契約後の打合せの優先順位

営業の方から、「建築確認申請に関係する部分を先に詰めたい。」というお話があり、設計士との打合せを週に1回のペースで4回まとめてスケジュールしてもらっています。インテリアコーディネーターはその次の段階で参加する予定です。

 

「建築確認申請に関係する部分」は間取り、外構、外壁の色などです。

外構、外壁の色に関しては風致地区の上に住民協定に関連する規定が存在し、順守しているかどうかの確認が必要になるからです。

間取りについては、家の位置、外壁や構造材の場所だけなく、部屋の大きさは確定させたいとのこと。ここでの落とし穴は扉が閉まるタイプのクローゼットです。

例えば書斎と、書斎の中に設置するクローゼットを、「併せて何平方メートルで割り付けの微調整はあとからすればいいや。」と考えていました。しかし、扉と壁で仕切られたスペースは独立した「部屋」として取り扱われるので、割り付けを変更すると「部屋」の広さがそれぞれ変わってしまうことになり、影響がでてくる、との説明でした。

 

逆に、確認申請に含まれない、あるいは含まれるとしても間取りに優先度が劣るものは、

  • 壁紙や天井の色
  • 空調計画
  • 照明計画
  • クローゼットや戸棚の中の詳細
  • コンセント、電気配線
  • 太陽光、蓄電池などの設備

のようです。

 

間取りに関して残っているのは細かい調整や確認、そして曖昧になっている点の整理です。曖昧になっている点は、「面倒くさい」あるいは「あまり考えたくない」ので後回しになってたりするのですね。でもこれらを詰めないと間取りは完成しません。

 

間取りについては「ほぼ」固まった気分でいる私。既に気持ちは内装や電気設備などに向いているのですが、さすがの敏腕営業マン。なかなか好きにやらせてくれません。

 

こちらが木質天井とか、蓄電池とか、外構とか違う話を始めるのをうまく捌きながら、話を引き戻して間取り検討を続けます。

 

それでも間取り以外にびっくりが二つありました。

 

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2回の打合せで固まってきたこと

三社と打合せをしてきた経緯も振り返ってみれば、

  • 土地のかたち
  • 近隣の家(とその窓)を反映した窓の取り方
  • 日当たり
  • ライフスタイル
  • 家にどのようなスペースを必要とするか

など、土地に関する所与の条件と、住む人の大づかみにした要望を上手にとりこんで、

  • 家の形
  • 階段の位置
  • LDKの形と位置

が納得のできる形で決まれば、それ以降の割り付けは自然な形できまっていくし、逆にこの3点が悪いと、どうにも収まりの悪いプランになる気がします。

 

この3点セット、答えは一つでは無いと思いますが、ハウスメーカーの強み、設計士のスタイル、好み、得意だったり経験のあるアプローチを加味すると、ずいぶんと絞られてきます。この点でもファーストプランはとても大事ですね。

脱線しましたが積水ハウスの場合は、ファーストプランからコンセプトや形を維持しつつ階段の位置を変更したセカンドプラン以降は、二階の部屋の取り合いの微調整を4-5回繰り返して契約時のプランに至っています。

 

契約前に間取りや設備をほぼ固めていたために、契約後の2回の打合せの多くの時間は、設計図をなぞりながら確認、質疑応答でした。ドア・引き戸の大きさ、窓の配置なども一つずつ確認しています。

大きな間取変更やコンセプトの変更は発生していませんが、それでもいくつかの変更がありました。

  • 玄関と土間のデザインを変更(設計士の提案)
    • 玄関につける窓の変更
    • 靴箱の場所変更
    • 階段の位置を1段ずらす
    • 土間収納の拡張
    • 階段上の収納を拡張
  • 隣接するWICと寝室の壁を5cmずらす
  • 隣接するパントリーと一階サニタリーの壁を15cmずらす
  • パントリーの引き戸を大きくする(冷蔵庫対応)
  • キッチン背面のカウンターや食器棚の配置を固める(45㎝余る幅を有効活用するための変更)
  • ゲストルーム/トレーニングルームの天井構造材に装着する金具の場所決定と、エアコン配置場所、ドア配置場所変更

玄関については、設計士が「LDKと玄関のバランスを考えて、提案があります。」ということで契約後の初回のミーティングで提案してくれたもので、あまりダウンサイドなく、魔法のように玄関周りがすっきりしました。

 

元のプランではすこしごちゃっとしてしまっていたのも、オリジナルプランに我々が靴箱追加の要望を加えたからでした。設計士さん、この時の変更がしっくりこなくて、ずっと考えてくれていたのだと思います。すばらしい提案でした。

 

その他の変更は、ドアの大きさ、動線の幅を丁寧になぞっていく中でこちらが気になった点をもとにお願いした修正です。

間取りはほぼ固まってきた

階段の踊り場を二段回りにするか四段周りにするかまだ決め切れないのと、納戸とゲストルームの取り合いで微調整の可能性があることを除けば、図面をみて思いつく点はほぼカバーされた気がします。

三次元で見るとまた何か出てくるかもしれないので、次回の打ち合わせはCGを見たいとお願いしました。

営業マンも、「そろそろICにも出てもらおうかなあ。いや外構の人先に入れたほうがいいかなあ。」と設計士と相談をしていたので、次回は別テーマも入ってくるかもしれません。楽しみですね。

長期優良住宅の認定が取れないかも?

契約後1回目の打ち合わせで点検口の位置を質問したところ、驚きの事実がわかりました・・・。

 

長期優良住宅について

長期優良住宅制度は「長く良好な状態で住み続けるための措置を講じた性能の高い住宅」の建築を促すことで、住宅を30年前後で使い捨てるのを止めようという趣旨です。

 

人生で一番大きな買い物と言われる住宅が、実質的には資産にならず消費に終わってしまうことが日本が豊かになることを阻む大きな要因の一つだと感じるので精度の趣旨には多いに賛成です。

 

税制上のメリットもあることから、長期優良住宅の認定をとることは当然だと思っていました。取得した場合、住みながら定期的に点検や補修を行う義務が発生しますが、これらは家を資産と考えるのであれば当然のことだと思うから、問題になりません。

何が引っかかったか。

長期優良住宅の前提の一つである家の性能面では、特に問題はありませんでした。積水ハウスはこの認定をとるのに積極的な会社なので、設備や使用の面で相性も良いのです。

 

問題になったのは、お風呂の点検口でした。我々の間取りではお風呂は2階に設置する予定です。一方で長期優良住宅認定の条件の一つとして、「お風呂の排水管周りの状態を目視で確認できること。」というものがあるそうなのです。

 

採用予定のパナソニックのお風呂(オフローラ)では、風呂を2階に設置した場合、点検口は一回の天井側につける必要があります。ところがお風呂の下は、デザインを考えると絶対に点健口をつけたく無いところ、いや、点検口をつけるなんてあり得ない場所、です。

 

よくよく話を聞けば、点検口があったとしても実際に問題があるとすれば天井を剥がしての補修になるとのことで、点検口の役割は限定的です。であれば、カメラ付きのファイバースコープのようなものを差し込めルだけの小さな穴が空いているだけでも十分じゃないか。と粘ってみても、ダメとのこと。ルール決めてるのはお役所で積水ハウスじゃ無いですからね、諦めるしかありません。

 

ということでお風呂をどうにかするか、長期優良住宅認定を諦めて、低炭素など他の分類を狙うか、というジレンマを抱えてしまいました。

 

解決策が見つからず、デッドエンドにはまりかけ。

調べてもらうと、積水ホームテクノと、TOTOのバスユニットは点検口が上側につくので、一階天井はきれいなままで保てるとのことでした。営業さんは、「別にオフローラにこだわらなければいいじゃん、あるいは低炭素じゃダメなの?」と思っている感じが若干します。

 

バスユニットについては(洗面、キッチンも含め設備全般ですが)、妻に非常に強い子だわり。主張があります。曰く、

 

積水ホームテクノ:壁のデザインなどで選べる色がしっくりこない。

TOTO:ほっからり床の柔らかい感じが受け入れられない。柔らかくないからり床は、今度は抗カビ機能の有無や、掃除のしやすさの点で許容できない。

 

とのことです。そもそも、パナソニックのお風呂を選ぶまではかなり紆余曲折があり、なんとか納得できる候補としてカタログだけでなく設備メーカーのショールームも何回か訪問してやっとオフローラを選んだだけに、妻は相当にがっかり。

 

一方で、低炭素住宅にした場合、気持ちの問題を別にしても固定資産税の軽減期間が2年間短くなるなど、数十万円以上の影響が見込まれます。

 

ということで、一旦はデッドエンドに嵌りました。

 

バスユニット、本当に変えられないの?

ショックを受けていた妻ですが、納得できるバスユニットが無いか再び挑戦することに。

 

床が気に入らないのでTOTOは絶対に無いということで、積水ホームテクノのカタログを改めて引っ張り出すとともに、実サンプルがどこかにないか積水ハウスの営業さんに問い合わせたり、積水ホームテクノに電話をかけたり、猛然と調査を開始しました。

 

ところがこの件については営業の方の反応が結構鈍いのです。まあなんとか諦めてもらえるのでは?と思っているのかもしれませんが、妻はそんなことでは諦めないよ・・・。

 

積水ホームテクノに電話そすると、そもそも積水ハウス用に提供しているバスユニットは、シャーメゾン用に積水ハウスと共同開発したモデルのサイズを大きくして積水ハウスだけに下ろしているもので、積水ホームテクノのショールーム(営業所)にはサンプルはない、とのこと。

ただし、積水ハウスの営業から、色の組み合わせは基本的にはカタログにある色の基本パターンから選んで欲しいと言われていたものが、ホームテクノの担当者からは色の組み合わせについては変更可能との返事をいただき少し光明が見えてきます。

 

現時点ではここまで。妻としては、もし自由に色を組み合わせることができるのなら、積水ホームテクノのバスユニットに変更することも許容できる(かも)。そうすれば、長期優良住宅も取得できる。

 

血いうことで、色のサンプルを改めて確認し、積水ハウス側にも色変更が可能であると確認した上で最終的に決めることになります。

 

 

 

 

 

ショールーム見学:RVIERA、リビエラ

提案されているのはアルティカシリーズ

LDKやタイルデッキの床材提案されているのは、RIVIERAのアルティカシリーズです。積水ハウスのカタログを見るとLIXIL製なども含めいろいろなタイルがありますが、RIVIERAはアルティカだけのようです。

なお過去に検討していた他のハウスメーカーも、キッチンや土間のタイルにアルティカが提案されていました。比較的広く使われているタイルなのでしょうか?

滑りにくいように表面をざらざらにしてある外用タイルと、靴下・ストッキングなどが引っかからないように表面を滑らかにしてある中用タイルが用意されています。色味として提供されているのは、全部で6種類。

赤みが入っていない
  • ヌーベ
  • グリジオ
  • アントラッチ
赤みが入っている
  • ビアンコ
  • ブランデー
  • ベージュ

どの色もとても格好いいけれど、グリジオやアントラッチだと、LDKが公式の応接間?のようなかっちりとした空間になりすぎてくつろぎにくい感じだし、色が寒色系に触れすぎてしまうきらいがあります。

そこで、白系に近い残りの四色(ヌーベ、ビアンコ、ブランデー、ベージュ)を候補にしました。

サンプルを注文

RIVIERAのホームページにサンプル写真がありますが、やはり写真では質感・微妙な色合いなどがなかなか分かりません。

RIVIE RAはホームページからお願いするとタイルのサンプルを送ってくれます。サンプルの大きさは一辺約9cmの正方形です。こちらで、候補の四色(ヌーベ、ビアンコ、ベージュ、ブランデー)の外用・中用それぞれ、計8サンプルを送ってもらいました。

お願いしたら翌日か、翌々日にはサンプルが届きました。とても素早い対応ありがとうございます。

 

サンプルを見ると、重量感もあってとても良い質感です。最近では技術が進んで厚さ5㎜程度の薄いタイルも作られて言うようですが、こちらは厚さ10㎜でしっかりとしています。薄ければ軽くなるなど建材として使い勝手も良くなるとのだと思いますが、私はこのガッチリした感じ、とても好みです。

ただ、一辺9cmのサンプルだと、広く貼った時にどのような感じになるのかはやはり掴みにくい。そこでショールームにもお伺いすることにしました。

 

なおサンプルと同時に送られてきた説明では、タイルは産業廃棄物扱いになり家庭ごみとして捨てられないとか。資源の有効活用の為にも使用後は返送することで再利用に協力してほしいとのことでした。

ショールーム訪問

RIVIERAのショールームは地下鉄の赤坂見附駅のすぐそば。日枝神社の向かいのビルの地下一階にあります。1時間ほどおじゃやましてサンプルを見せてもらったり、説明を伺ったりしました。

 

ショールーム内は、天井・床・壁にいろいろな種類のタイルが貼られています。タイルだとどのような雰囲気になるのか、どういったタイプのタイルがあるのかが分かりやすいです。

壁や床に使われているのは10種類ぐらいでしょうか?リビエラが扱っているタイルの種類が非常に多いので全部のタイルは貼りきれません。残りのタイルはは約1.5m✖️3mぐらいのパネルに貼った状態で収納されていて、お願いすると引き出して見せてもらえます。

引き出したパネルには、白昼色と、電熱色のスポットライトが当たるようになっており、異なる光の組み合わせの中でどう見えるか実験もできるようになっているあたりがさすがです。

説明で伺ったこと

リビエラはタイル商社。イタリアにある複数の一流タイルメーカーから厳選してタイルを買い付けている。

 

タイルは、セラミックの焼き物。天然の石や大理石は水を吸って劣化したり汚れたりしやすい。セラミックタイルは汚れに強くメンテナンスしやすいので、「偽物」だけれど天然素材の風合いをまねたセラミックタイルの意匠性が十分に水準に達していれば、天然素材の代替として適切と考えている。

 

地層、さまざまな種類の石(ライムストーン、大理石・・・。)、木目などさまざまなパターンを用意している。パターンを使っているので、よく見ると同じ柄のタイルがある。パターンが何種類あるかは公表していないが、数十枚に一枚程度と思ってもらって良い。

 

日本ではタイルを大量に製造しているメーカーは数社、準大手を入れても10社もないが、イタリアには世界にタイルを輸出している大手メーカーが40社以上ある。歴史的建造物に触れる機会が多いイタリア製は、タイルのデザイン・意匠性の点で日本製よりも優れていると思う。

 

セラミックタイルは汚れにくく掃除も簡単。ショールームでも普段は掃除機とクイックルワイパー程度で十分。もう少ししつこい汚れの場合には、激落くんなどのメラミンスポンジを使えばきれいになる。ショールームなので来客も多いし土足だが、付着した汚れも半年に一度ぐらいスチームなどを使ったあと拭き掃除をすればきれいになる。

 

パターンは表面についているので、表面を削り取ってしまえば下地が出てしまう。ただし、普通の使用や掃除で割れたり表面が削れてしまう心配はしなくて良い。

 

アルティカは、取り扱っているタイルの中でも意匠性と価格のバランスが良いためか、多くのハウスメーカーで採用してもらっている。

感じたこと

何といっても説明してくれた人のタイル愛がすごい!とても参考になりました。ありがとうございます。

天然素材を真似てと言うのは、シート系のフローリングやシートを使った木目調の家具と同じ発想です。シートだと耐久性の問題もあり、安くするために我慢しているといったネガティブなイメージが強いのですが、タイルについてもっと前向きに感じられます。何といっても天然素材自体よりも耐久性が高いという点が違いかもしれません。

 

色味・デザインですが、一枚のタイル(60cm x60cm)よりさらに小さなサンプルを見るのと、複数のタイルを貼った大判のサンプルを見るのでは全然印象が違います。

柄の多様性や美しさを評価する為には、大判のサンプルや施工実例を見ることが必須だなと感じました。我々の場合アルティカ以外のタイルは考えていないので結論は変わらなかったと思いますが、想像以上に良い、と感じられたのは嬉しいポイントです。

また、よりお値段のはりそうな他のタイルのサンプルもみたのですが、質の違いではなくパターンの違い(ただし高そうなタイルは、パターンがより複雑だったり、複数の色や素材?が使われていたりします)のように感じられました。主張が強すぎない柄が好みの私の場合、高そうなタイルよりもアルティカの方がしっくりくる、と言う点も微妙に嬉しいところです。逆に、グロッシーな表面や、少し光る素材が入った大理石調など華やかな雰囲気が好きな人はもっと好みに合うタイルが他にありそうです。

 

色味に関しては、照明で結構左右される気がします。ただヌーベは赤みが全く入らない白だけに、特に白昼色ではかっちりとしていて少し冷たい感じ。ベージュは逆に電球色などで茶色っぽさが目立ちすぎ、暖かいけど少しぼやっとした感じ。バランスの良いのはブランデーといった感じでした。ブランデーであれば、木質天井と黒い窓サッシの組み合わせでもまとまりが良さそうです。

 

と言うことで、ブランデーを第一候補に、インテリアコーディネーターとの打ち合わせに備えたいと思います。