積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

外壁:ベルバーン選び

ダインコンクリートとベルバーン

3年ほど前、家づくりを考え始め写真やブログを見始めたころは完全にダインコンクリート推しでした。しかし、展示場を回ったり、住宅地を歩き回って家観察をするようになってからは、徐々にダインコンクリートから心が離れはじめ、気づいたらベルバーン推しになっていました。

 

鉄骨推しが、気づいたら木造推しになっていたのも影響しているのかもしれません。鉄骨と木造については、記録のためにもいつか機会を見て記事にしたいと思います。

ダインコンクリートで気になり始めた点

質感

厚みがあって彫りが深いのは事実ですが、やはり天然の石に較べると表面の風合いも含め、やや平面的な印象を受けます。柄についても、シート材のフローリングと同じように広い面積をカバーすると、変化の幅が限られていることに気づく可能性が高まります。

いろいろと考え、見学し、調べる中で外装材、内装材共に「~~調」、「~~風」の難しさを感じるようになりました。ダインコンクリートは、石風だからこそ、この違いがより気になってしまったのだと思います。

重さ

ダインコンクリートは非常に重い。イズ・シリーズの躯体が非常に堅牢だからこそ、これだけ思い外壁を使っても十分な耐震性が得られるのですね。これだけの厚みがあるからこそ提供できる性能があるのも事実です。

その一方でもう少し軽い素材にすることで耐震性を更にあげたり、逆に同じ耐震性を維持しながらコストをさげたりする方向もあるわけです。ダインコンクリートの意匠性がとても気に入れば問題は無いのですが、思い入れがあまりない場合には悩みどころです。

目地が気になるかも

ダインコンクリートは大きなプレートを壁に吊るしていく構造になっており、プレートとプレートの間をふさぐために目地が必要です。目地が必要という点ではベルバーンも同様なのですが、ベルバーンよりもダインコンクリートの方が厚みがあるだけに、対比でみるとダインコンクリートの目地の部分の方が目立ちやすいと感じました。

特に窓や外壁に何かを設置してあるような場所の周りでは、設置物を避けるように小さなダインコンクリートのプレートをうまく割り付けてあるのですが、プレートが増えれば目地の量も増え、目立ちやすくなります。

他の家とかぶる

これはダインコンクリートに限らず、ベルバーンでもいえることですが、人気がある柄、色が限られているためにコモンステージの分譲地のように積水ハウスで建てた家がまとまっているところでは、結構な確率で同じ、ないし似た外壁を使った家があります。

ベルバーン

ベルバーンは陶磁器のような焼き物でできています。ダインコンクリートほどの強度はないけれど、それでも十分に強い。表面に防水加工をしている素材(窯業系サイディング、ALCなど)は、防水加工部分が剥げてくると再加工する必要がありますが、ベルバーンは大丈夫。従ってメンテナンス費用が抑えられるとされています。

大判のベルバーンのプレートを壁に引っ掛けていくのはダインコンクリートと変わりませんが、上のプレートは下のプレートの上に重なるように設計されているので、上下のプレートの間には目地は出ません。目地は左右のプレートの間だけなので、目地が気になる人にとってベルバーンは選びやすい壁材だと思います。

ベルバーン自体はメンテなしで60年でも持ちそうな感じですが、目地部分はメンテナンスが必要です。現在積水ハウスが使っている目地材は耐用年数30年ということで、メンテナンスの説明の中では30年後には足場を組んで目地の打ち直しをする想定になっています。

30年より長い耐用年数の目地材があるかどうかわかりません。ただ30年経つと屋根の防水、色々なところで使われている金物など、取り替えたり塗装したり、再処理したりする必要がある場所が色々と出てきます。

「放っておいても何十年持つ家」「メンテナンスフリーの家」を求めるのは現実的ではない以上、躯体や構造材以外のところではひとまず30年の耐用年数を目安にして、30年サイクルで適切な補修をすれば60年以上使える家を考えるのが合理的だと感じます。この点で、積水ハウスの使用は理にかなっていると感じました。

付け加えるとすれば、年齢とともに住み方も変わるでしょうし、家を売却すれば違う使い方をする人が住むわけで、リフォームしやすい家というのも家の流通価値、残存価値を高める上で重要です。積水ハウスで建てた家は、実質的に積水ハウス以外の業者によるリフォームが難しい点は、家の性能維持、品質管理の面では必ずしも悪いことばかりとは思いません。が、積水ハウスがリフォーム、リノベーションで、中古住宅市場で魅力のある家、新築と比較しても競争力がある家を提供できるかどうかは、中古住宅市場の成熟と併せて今後の課題ですね。

脱線しましたが、ベルバーンは実用的に望みうる最大限の耐久性を維持していると言えそうです。

質感と色

ベルバーンには大きく分けて、光沢のあるツルツルな感じ(スムースボーダー、櫛引きボーダーなど)とのものと、ざらざらした質感のもの(クラフトボーダーなど)があります。

色は、柄によっても異なりますが白系から濃い茶色、あるいはチャコールまで、それぞれの柄で5種類ぐらい。

最初にカタログやサンプルを見た感じでは、柄ではクラフトボーダーシリーズと、櫛引ボーダーシリーズで迷いました。色では、アイボリーのような白っぽい色と、チャコール系の色のどちらにするか、その時々で気持ちが揺れていました。

実例を見るのが一番

サンプルを見ていても全く決まらない。けれど、モデルハウスはスムースボーダーのアイボリーが多かったり、そもそも鉄骨が多かったりで、欲しい色の実例があまりない。ということで候補になっている何パターンを指定して、営業のIさんに近所にある実例を探してもらい、外部から通りすがりで見学をさせてもらいました。所要時間1時間強の半径内の地域で、数日かけて五箇所ほど回りました。

  • サンプルで見るのと、実例を見るのでは印象が全然違う
  • 光の当たり方で見え方が全然違う
  • コモンステージ(積水ハウスの分譲地)と、一般住宅地では選び方に違いあり
  • 窓枠、ベランダ、軒裏、雨樋などを含めて総合的に考える必要あり
  • 一種類のベルバーンで覆うとのっぺりした感じになることがあるが、2種類以上の貼りわけは難しい
  • 目地に注意(これはモデルハウスを見て感じたこと)

最初の二つは「絶対に実例をみましょう。」という話です。コモンステージで10戸あれば、木造の割合は3−4戸、多ければ半分ぐらい。このうち2件はベルバーンが完全に被っていたり、近い色・柄のものだったりします。白系を選んで被った場合には、さほど気にならないけれど、チャコール系で色がかぶると結構な存在感です。隣り合わせで同系色だったら結構嫌かも・・・。自分が最後に建てるのならいいのですが、隣に何色が建つかわからなければ、チャコール避けるかもな、あえてあまり一般的でない色選ぶかなと思います。遠州茶とか、良さそうです。

 

設計士さんのセンスなのだと思いますが、実例見学していると窓サッシ、軒裏、雨樋、エアコンのダクトなどの色がうまく外壁とマッチしている家と、残念な感じになっている家がありました。白っぽい色を選んでおけばさほど問題はなさそうですが、少し濃い色を選ぶ場合は、事前に外壁に付属するものや、場合によっては外構も含めて調和が取れるか、設計士と検討した方が良さそうです。

 

ベルバーン一色だと単調になりやすい、というのも発見でした。大きな窓や、ベランダなどがあればアクセントになるのですが、家の形が長方形に近く、ベランダもない場合は少し工夫がいるかもしれません。悪く言えばのっぺりとしてしまう感じ。ベルバーンだからというより、凹凸がないことが原因なので、吹きつけやサイディングでも同じなのですが、この点ではダインコンクリートに軍配が上がる気がします。家の形、外構なども含め外観のデザインをしっかりと考える必要性を感じました。一方で、うまくハマった時には、ベルバーンの上品な感じはダインコンクリートでは出せないセンスや質感を演出するのに大いに貢献しそうです。

 

単調さを嫌ってか、ベルバーンを2色ないしそれ以上組み合わせている家もありましたが、これも少し残念な感じの家が多かったです。そもそも家の外周は入隅が少なく出隅が多いし一つの面の途中に見切りを入れて色を無理やり変えるのもちょっと・・・。これをするのなら、鉄骨にしてダインコンクリートとSHストーンの組み合わせを採用する方が自然な外観になりそうです。

 

建築後10年以上経っているモデルハウスを見ても、ベルバーンは古びたり汚れたりしていないのですね。この点は、ベルバーンの優秀さを示しているわけですが、目地は10年経つと結構汚れます。結果として、ベルバーンと目地の色を揃えて建てても、目地だけが黒ずんで見えることに・・・。私はこれが嫌だったので、最初から濃いいろの目地を使える、濃い色のベルバーンを選択しようと思いました。

選んだもの

検討の結果選んだのは、ソイルチャコール+黒い窓サッシ。窓サッシは溶け込んで見えるブロンズとも迷いましたが、キリッと引き締める効果を狙って選びました。外観に変化を持たせる役目は、壁沿いに植える何本かの高木・中木と、それらのライトアップに果たしてもらうつもりです。