積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

積水ハウスの設計士さん、素晴らしかった。

契約まで

我々の家づくりでは、ハウジングアドバイザリー制度に申し込んだこともあり、契約前の初回から設計士Oさんの名前がクレジットされた提案をしてもらうことができました。

 

営業のNさんによれば、Oさんはチーフアーキテクトで、社内的にも有名な凄腕の設計士さんとのこと。OさんとIさんは、何軒も一緒に仕事をしているようで、気心もしれているようでした。

 

契約までの16回の打合せの中で、Oさんが打合せに参加したのは、3回だったと思います。もしかすると、Oさんだけリモートで参加した回が他に1回あったかもしれません。

 

1回目:提案コンセプトの説明

2回目:修正案でも収納の量や取り方について懸念がなかなか払拭しきれず、営業経由ではなく直接話をしたいとお願いした回

3回目:請負契約時の重要事項説明

 

Oさんはまさに働き盛りのパリパリという感じ。契約前の印象は「とても優秀そうで、センスもよさそう。一方で、世界観をしっかりと持っている分、目指す方向性が違った場合に、こちらの提案や懸念をどこまでくみ取ってくれるか少し不安。」というものでした。

 

実は、こちらから重要な要望をとしてはっきりと伝えていたにも関わらず、ファーストプランからばっさりと落とされていたものが三点ありました。

  • 一階に客間が欲しかった → LDKの広さ・開放感を優先して客間は2Fに。
  • 木質感を活かした家。 → LDKの床がタイル張り。
  • プロジェクターを天井に埋め込みたい → 埋め込みなし

どれも今では納得しているのですが、最初は少しもやもやした気分があったのも事実です。

 

ハウスメーカー選びの段階で、最後まで悩んだ他社のベテラン設計士さんは、こちらの要望を丁寧に拾って積み上げた結果としてのプランを出してくれるような、とても安心できるタイプ。

まったく対照的なアプローチのOさんだけに、間取りプランにただならぬセンスを感じつつも、一抹の不安と緊張感をもって契約後初回の打ち合わせを迎えたのでした。

 

設計士さんのお仕事

契約までは、もっぱら営業マンのIさんと話をしていたのですが、契約後の打合せからは、Iさんはすっかり無口になり書記役に徹している感じです。かわって、設計士Oさんの仕切りで打合せが進行していきます。積水ハウスと契約したのはIさんの人柄や信頼感が大きかっただけに、Iさんが「おとなしく」なってしまったのは少し残念な気もしました。

 

一方で、Oさんは水を得た魚のように生き生きとしてきました。Oさん、きっとシャイな人なんだと思います。また契約前は営業主導、契約後は設計士・IC主導と決まっているのかもしれません。契約前はきっと遠慮していたのですね。

Oさんは、優秀なだけでなく、しっかりと耳を傾けてくれる設計士さんでした

  • 提案される間取りに説得力がある。家のコンセプト、目指す方向が明確。
  • 壁、天井面、窓など、直線のラインがいきるすっきりとした設計。実用性を重視してつみあげていくと、家の内外に凹凸ができたり、建具のラインが揃わなかったり、天井面が綺麗にならなかったりするものですが、実用性への影響を最小限に抑えつつ、ラインを整えることにこだわりまくり。
  • タイル・板材などの割り付けにもこだわる。点検口、換気口、スイッチの配置などにも細やかな配慮。造作系の家具にもこだわり・・・。
  • 仕事がとても丁寧で緻密。

きれっきれ・パリパリの設計士さんという感じでありながら、こちらの懸念や、時に曖昧模糊とした要望にも丁寧に耳を傾けてくれます。しっかりと受け止めてもらった上で提案をしてもらうと、安心感が増します。

 

なにより、私たちの目指す方向と、設計士さんのセンスの方向がうまく重なっていたのか、あるいは設計士さんがいくつもある引き出しから、我々にあった方向性を選んでくれたのか、出てくる提案がすっと入ってくるのです。

 

すぐに、懸念や要望は伝えるけれど、特に強い反対意見をこちらが持っていない場合には、Oさんのいう通りにしよう、という流れになりました。

 

チーフアーキテクトの選考にあたっては、「作品」の良しあしだけでなく、施主からのフィードバックや業務遂行能力なども反映されると聞きます。Oさんを見ていると、この制度がうまく機能しているのだなと感じました。

 

次の段階で出てくる外構担当やICさんもそうなのですが、みなさんものすごく優秀です。そして、積水ハウスの高いお値段の中には、こうした優秀な人を抱えることによる提案力が含まれているわけです。であれば、できる限り彼らのポテンシャルを引き出すアプローチをとった方がよいと思います。

 

ただし、設計士さん、ICさんのこだわりは時に特注や造作家具の提案を通じて、予算増額につながる面も・・・。営業担当のIさんが予算管理をしてくれており、提案に至るまでの裏側で、かなり整理をしてくれていたようです。

設計士さんの守備範囲

大きく分けて、設計士さんが主体的に担当した分野はこちらです。

  • 間取り修正
  • 建具の大きさなど
  • 太陽光・蓄電池・電気系統
  • 構造計算を反映した修正
  • 空調計画
  • コンセント・スイッチの配置

これ以外でも、外構の打合せの際には同席していたし、収納計画や、造作家具などについてはインテリアコーディネーターと一緒に考えてくれました。

 

家全体のコンセプトについては設計士さんに思いがあるようで、外構やインテリアもできるだけ全体のコンセプトと調和がとれたものになって欲しいという思いが強いようです。

 

人によるのかもしれませんが、Oさんは植樹用の木も、外構担当と一緒に選びにいくことがあるそうです。同じ木でも樹形の良しあしで見映えが全然違うとか。こだわりの強さがわかりますね。Oさんこだわりの、外構で使う石積みも、結構なお値段しますが、ファーストプランから生き残りました。

 

設計士の領分で契約後に調整・変更したこと

他に独立して記事を書くかもしれませんが、ここでは契約後に詰めていく中で調整した点をまとめておきます。

収納・建具・部屋の仕切り壁の微調整

契約前の間取りの際にも、冷蔵庫や家具の大きさなどを伝えていたのですが、将来のことを考えて少しゆとりを確保したい場所や、幅を広げたい動線などが一部でてきました。

大方の変更は、家の中の仕切り壁の微調整や、建具の幅の変更ですんだのですが、一部足りないところが。シャーウッドの場合、外壁は25㎝単位で広げることができるので、家の幅を広げることになりました。

構造計算

プランでは、LDKのスパンが最大6mとシャーウッドの規格ギリギリな上、さらにリビングの2面が大開口の窓になっており耐力壁をとれない間取りになっています。許容応力度計算をしたところ天井裏の梁を契約時よりも一回り太いものにする必要があることがわかりました。

梁を太くすることで、天井に埋め込もうと思っていたものが埋め込めなくなり、付随していくつか調整が必要になりました。

構造・耐震等級については特に気にしている点でもあるので、別に書きたいと思います。2025年4月の法改正(4号特例の縮小)を視野に、一軒ずつ許容応力度計算をしているようで、この点は安心です。

点検口、エアミー、換気口など

床下点検口、二階にあるお風呂用の点検口、エアミー(結構大きい)、換気関連のダクトや給気口の位置、火災報知器の位置などは、請負契約段階でふわっとした仮置きでした。ここらへんは、あまり気にしていなかったので質問すらしていませんでした。

ただ設置をするだけならなんとでもなるのですが、具体的に検討しだすとデザイン上の問題がでてきます。

 

特に色合わせは鬼門です。一階の天井はほぼ全て木質天井にしたので、白いフレームの機器はとても目立ち、雰囲気ぶち壊しです。これらの位置決めはそこそこ苦労しました。

平面図(間取り図)がどんどん複雑になっていく

間取が固まった後も、打合せごとに平面図に追加的な情報が書き込まれていきます。後半になってくると、記号がいっぱいになってきて、なかなか判別できないぐらいです。最後の確認段階では、ファイルをもらってiPadで拡大して見るようになりました。

 

工事現場の職人さんも同じ図面を見るようですが、やはり解読に苦労するとのことでした。現場でもタブレットを使って図面を見るけれど、それでも分かりにくいときもあるとか。そういう時は、設計士さんが現場に呼ばれて説明・解読することもあるそうです。

 

よく、「結局ハウスメーカーも下請けの工務店に出すのだから、直接工務店とやったほうが安上がり。」という論調を見ますが、どうなんでしょう。

細部まで非常にこったアイデアが詰まった設計図を見ると、これをもとに形にする(家を建てる)のは、決してできて当たり前ではない。ように思えるのです。

そもそも、工務店とひとくくりにしてしまうこと自体が、とても失礼な気がします。それって、例えば個々の能力を問うことなく「プログラマー10人いれば~~ができる。」というようなものだと思います。

積水ハウスや他の大手ハウスメーカーは、工賃が高いかわりに、優秀な工務店を抱え込んでいるんじゃないでしょうか。

 

適宜、立面図・建具表なども更新してくれますが、これと並行して建築士は建築確認申請、構造計算、その他膨大な作業を裏でしてくれています。相応に高い設計料が見積もりに入っていますが、作業量や複雑さを考えると納得です。

積水ハウスの設計士さん、素晴らしかった。

デザイン先行でこちらの要望をあまり聞いてもらえないのではないかという懸念を持って始まったものの、振り返ってみれば大満足。

微調整で痒いところに手が届くようにしてくれた後は、ほぼOさんのお勧め通りの家になりそうです。振り返ってみても、大きな修正や提案のお断りは、二つだけ。

階段の位置を変更

ファーストプランでは階段が玄関と反対側の家の奥についていました。デザイン的には非常におさまりがよく、玄関わきにシャワー室を作れるなど一階の使い勝手は、よかったものの、二階の廊下スペースが大きくなります。

二階スペースの有効活用を重視したため、階段を玄関脇に移し階段のあったスペースにサニタリーを持っていく変更をお願いしました。

玄関脇の壁を石張りからタイル張りに

玄関脇の壁には、素晴らしい天然石を使った石張りを提案してくれていました。けれど、これだけで60万円ぐらいするんです。こちらは謹んでお断りし、大幅に安いタイルに変更しました。

 

それ以外は、ほぼ全てOさんのアドバイス・提案を最大限に尊重して最終案に至っています。

 

良い営業マンにあたると良い設計士がつくというのは本当だなと実感しました。