積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

今日は「住まいの参観日」でした。

間取りについてはほぼ決まってくると、細かい点や内装などが気になってきます。実例を見るのが一番ということで、今日も住まいの参観日で、3軒ハシゴしてきました。

「住まいの参観日」とは

積水ハウスが建築した家を施主さんのご厚意で、これから家を建てようとしている人に公開していただくイベントです。

積水ハウスのホームページで、いつどの会場が公開されているか発表されていますが、月に1〜2回、週末に設定されているようです。なお、毎回会場は違っており、一つの会場が公開されるのは年に1回か2回ぐらいなのではないでしょうか?

中には、モデルハウスとして建てられている物件の内覧もあリます。

 

住友林業三井ホームも同じような企画はあるようですが、積水ハウスほど大々的に広告していない気がします。

「住まいの参観日」の形態

契約後では初めての参加ですが、契約前にも何回か参加しており、これまでに合計で10軒弱訪問していると思います。これまでの経験では、

  • ほぼ完全予約制
  • 10時〜4時ぐらいの時間帯の中で1時間の枠を予約する
  • 同時に複数の見学者が重なることも。
  • 施主さまが在宅で説明をしてくれる場合と、不在で営業の方が説明してくれる場合あり
  • 現場にいる営業の方次第で、見学の進め方は結構違う
  • 家に入る際は手袋、スリッパ(両方支給されます)
  • 施主さまのご意向で締切の部屋やクローゼットもあるけれど、結構裏まで見せてくれる施主さまが多い
  • 現場にいるのが、その家に関わった営業の方だと、思い入れも含めてより突っ込んだお話を聞ける

といった感じでした。

これまで感じてきたこと

家づくりの最初の頃

やはり間取りとか、大開口の窓とか、天井の高さなど、大きな部分に目がいきます。また、モデルハウスと実例の違いを実感するのもこの頃です。大きく違いを感じるのは、

  • 床面積の違い(LDKの大きさ)からくるゆとり
  • インテリア(内装材、家具など)
  • 2階の雰囲気(1FがLDKの場合)

でした。家の大きさについては言わずもがな。大半が60坪強のモデルハウスに対して、実例では35坪前後から55坪前後ぐらいなので相当に違います。

モデルハウスはそこで実際に生活をすることを全く考慮せず、見せる(魅せる?)ことを目的としているために、収納の量や、子供部屋の数なども必ずしも十分ではありません。逆に言えば、表に見える部分のそれだけスペースを割けることになります。

LDKが1階にある場合、衣類の収納や子供部屋などは2Fに来るので、この部分でも実際の家はモデルハウスに比べてより小分けのスペースが増え、生活感が出てくることになります。多くの場合居室スペースを優先的にとるでしょうから、階段、廊下、トイレ、洗面室の幅や大きさを控えめにする設計が多くなります。ここら辺でもモデルハウスとは雰囲気がかわってきます。

インテリアに関しては・・・。自分で家づくりをして感じるのですが、インテリアは他の部分にも増して、「お金をかけても良くなるかどうかはセンス次第だけれど、かけたお金に応じてポテンシャルが決まる」度合いが強いです。

積水ハウスは躯体など基本的なところに結構良いお値段がするので、優先順位で行くと、外構はおろかなかなかインテリアまでお金が回らないのですね。インテリアはグレードを落としても機能性に影響がないために減額調整の対象になりやすいということだと思います。魅せることを目的(インテリアが結構重要)なモデルハウスとは優先順位が違うので、差が開いてしまうのでしょう。

これは積水ハウスだけでなく高価格帯ハウスメーカー全般に言えることだと思います。しばしば「〇〇〇〇りん」と揶揄される他社さんも同様ではないでしょうか?

とはいえ、やはり積水ハウスで建てられた実例は立派なことが多いのです。また、壁紙の仕上げなどもモデルハウスより実例の方が良いことが多く、仕上げ全般の品質の好感度アップです。

のちに伺ったところでは、「モデルハウスは経費管理の観点でできるだけ早く仕上げる圧力が強く、壁紙をしっかりと乾かしたりといった手間をかけにくいので、どうしても継ぎ目などにアラが見えてしまう。」「完成後にクレームが来る可能性があるかないかの違いです。」などなど。いちいち納得です。

また他社ですが、「モデルハウスには本社が使いたい素材、見栄えがする素材が使われることがある。ただ、そうした素材の中には建築直後は良いけれど、汚れや劣化が目立ちやすく、現場の判断だったら使わないものも結構ある。」と伺ったこともあります。似たような例では「モデルハウスでは見栄えを考えて巾木を使わないこともあるが、実際の家でそれをすると後々不安。」という話も。

具体的な話を始めて数ヶ月後

契約前だけれど、だいぶ煮詰まってきた段階。この頃になると、当初のモデルハウスと実例のギャップにショックを受けるステージを通り過ぎて、現実的な水準をイメージできるようになってきます。

叩き台となる間取りプランの提案もされているので、提案内容で気になる点などある程度目的意識を持ってお宅を拝見していました。

  • 部屋の畳数や形と感覚的な広さの関係
  • 天井高が2.5mと2.7mではどれぐらい感じが違うか。
  • アイランド型キッチンとペニンシュラ型キッチン
  • 水回りの配置
  • 吹き抜けの有無
  • 開口部の取り方
  • 玄関の間取り
  • 収納、特にWICやパントリーのサイズ感
  • 冷蔵庫が剥き出しの場合と、隠れている場合で見え方がどう違うか。
  • タイルデッキとウッドデッキ

といった点です。合わせてモデルハウスも何軒か回って比較することでイメージ作りに随分と役に立ちました。この段階になると、こちらもそれなりに知識が増えてきているので、会場にいる担当の方に色々と意味のある質問ができるようにもなってきます。随分と勉強させてもらいました。

間取りがほぼ決まった段階・契約前後

現在はこの段階です。間取りがほぼ固まっている中で、

  • 階段や廊下、家の中の動線の幅
  • 手すりをつける場所、付け方
  • ベルバーンの見え方
  • エアミーや給気口の位置、見え方
  • 窓の感じ
  • 階段の踏み板の長さ、蹴上の高さ
  • 室内ドアの有効寸
  • 収納スペースのドアの形状、付け方
  • インテリアもろもろ
  • 照明もろもろ

といった点に関心を持って訪問しています。インテリア、照明に関しては今後始まるインテリアコーディネーター(IC)との打ち合わせに向けて、自分たちのイメージをより明確にするための予習です。

それ以外の部分は、提案してもらい間取り図に書かれている中身を実感とし、修正する必要があるかどうか確認する目的です。このため、同時に複数箇所で開催される参観日の中で、見たいものがある会場はどこかを予め営業の方に調べてもらい訪問しています。

提案されているプランの詳細見積もりを見た後で参観日に臨むと、これだけタイルはると、このスケルトン階段は、この造作、あるいはこの浴室オプションはいくらぐらい、といった感覚もわかるようになっているので、メリハリの付け方の参考にもなります。

振り返ってみて

百聞は一見にしかず、の諺通り、実際に見ると理解が随分と深まります。また家づくりのそれぞれの段階で、その時興味があったこと、考えなければいけなかったことにしか注意が向いていなかったな、と強く感じます。モデルハウスであれば同じところに何回も通えるのですが、住まいの参観日はそうはいきません。この点でも、ある程度の期間、いろいろな家を訪問するのが良いと思います。

今日行った先では、「契約した後も熱心に参観日に参加する人は少ない。」と言われました。少しの褒め言葉(?)と、「契約を撮るための販促活動だから、もう契約した人は来なくても・・・」という本音の両方だと思うのですが、建築確認申請を出す前まで、引き続き参加させてもらうことになりそうです。

(おまけ)本日の感想

今日の訪問先は平均的な大きさの家1件、大きめの家2件でした。どちらも施主さんの好みというか、やりたいこと、優先順位が伝わる良い家だったと思います。YouTubeInstagramでしばしばある「内装に凝利すぎててんこ盛りにしたら、お金がかかっているにも関わらずまとまりがなく残念な感じになってしまったお家」もなく、施主さんと共にICのセンスの良さが感じられました。さすが積水ハウス

施工品質も概ねモデルハウスよりはっきりと上とかんじらられますが、一軒だけ、自分だったらこれ現場監督さんに色々と手直しをお願いするかな?、と感じたお家が・・・。やはり施主検査などはちゃん臨んだほうが良いのですね。

 

 

家のコストに関する考察(6) まとめ

ハウスメーカー割高説の根拠

Youtubeやブログなどでよく見る「ハウスメーカー割高説」では二つの理由のどちらかが根拠になっています。

  • 営業経費、間接費が高い → 販売管理費(営業利益ー粗利益)
  • 利益をとりすぎ → 営業利益率を見る。 

これらの批判は妥当なのか?

個別案件ごとの数字は当然公開されていませんが、上場企業で投資家への情報開示に熱心な会社は、注文住宅部門としての販売管理費や営業利益率は公表しています。

 

工務店については少し古いアンケートである程度の水準感がわかります。

 

 

これらを比較すると、

  • 営業利益率で見ると、大手ハウスメーカーでも苦戦しているところが多い。儲けすぎという批判は当たらない。(ただし積水ハウスは好調で、5%程度利益率が高いと言ってもよさそうです。)
  • 粗利益率でみると、ハウスメーカーの方が平均的な工務店よりも5%-10%程度は高そう。
  • 広告宣伝費は1%ぐらいにしかならない。

ということで、モデルハウス、営業マン、広告宣伝費のコストが載ってしまうという批判はある程度はあたっている、といえるでしょう。

ただし、粗利益を5-10%削ったとしても大手ハウスメーカーで100万円の坪単価が90万円~95万円になるかどうか、中堅ハウスメーカーで70-80万円の坪単価が、63万円~76万円になるかどうか、といった感じです。

多くの人がイメージするハウスメーカー工務店の単価の差はもっと大きいでしょう。もしそれが事実だとすれば、原価に違いがあることになります。モデルハウスや宣伝費があるからハウスメーカーが割高だ、というのは間違いでは無いけれどミスリーディングだと考えます。

 

原価に影響を与える要因

販売管理費だけでは大きな差がつかないということがわかったので、家を建てるために直接必要な原価に関して、ハウスメーカー工務店の間にどのような違いが生じ得るか、可能性を探ってみます。

価格面でハウスメーカーが有利

大量発注により建築資材価格・設備の仕入れ価格を抑えられる。

大量発注できることのメリットは、ハウスメーカー選びの中で大いに実感しました。特にわかりやすいのが設備価格です。設備は注文住宅だけでなく建売、賃貸用マンション、分譲マンションなども含めた建築戸数が多い会社ほど、メーカーとの取引条件が良くなりやすい傾向があるように感じました。

積水ハウスヘーベルハウスダイワハウス住友不動産あたりは戸数が多いメーカーと言えそうです。一方で住友林業は注文住宅だけをみると最大手の一角ですが、建売、賃貸、マンションなどをあまり手掛けていないので、総戸数という点では見劣りします。三井グループでみれば分譲マンションを活発に行っていますが、別会社になっているために三井ホームも、スケールメリットを享受しきれていないように感じられます。

自社で製造している建築資材についてはマージンが少ない。

大手ハウスメーカーでは構造材を自社内で製造しているところも多くあります。積水ハウスを例にとれば、構造材に加えてアルミサッシ、ベルバーンやダインコンクリートのような外壁材など、本体価格に大きな割合を占める建材が自社生産になっています。

 

プレカットの資材を外部のメーカーから購入している工務店と比べると、マージンが少なくなる分、有利になるはずです。

 

スケールメリットを活かした効率的な工法が採用できる。

積水ハウスの鉄骨住宅で使われるダインコンクリートを例にとると、非常に重いプレートを重機を使って一気に壁に掛けていきます。外壁材として優秀であるだけでなく、工期の大幅な短縮にも貢献しているはずです。

安定して年に数千戸の需要があるから、ダインコンクリートを手の届く価格で製造し設置していくことができるわけで、年に10戸、20戸といった単位でこうした素材や工法を開発したり使ったりすることはほぼ不可能と言えるでしょう。

 

価格面で工務店が有利

施工管理の重複が無い。

ハウスメーカーで建築する場合、ハウスメーカー供給する資材を使って下請けの工務店が実際の施工するケースが大半です。下請けの工務店側にも現場監督的な役回りの人はいますが、ハウスメーカーの現場監督が複数の現場を掛け持ちで監理業務や、品質管理を行っています。

これに対して工務店が直接請け負う場合には、工務店の中で監理業務が完結することになり、人件費削減が可能になります。ただし、工務店側の施工の質、および品質に関する考え方によっては、結果に大きなばらつきがでてくることでしょう。

工務店の方が人件費単価が安いことが多い。

原価の中では資材費と並んで人件費が大きな割合を占めます。ハウスメーカーで建設する場合には、施工は下請けの工務店しても、原価の中に現場監督をはじめとしてハウスメーカーの社員が関与する部分も存在します。ハウスメーカーの人件費は中小企業である工務店と比較すると高くなると考えられ、仮に同じ工数だったとしても、その分だけ工務店の方が原価を抑えられることになるでしょう。

コストパフォーマンスが良くても大量に仕入れることができない資材も使える

ハウスメーカーは毎年何千軒もの家を、安定した室で供給することが求められます。どんなにコストパフォーマンスが良い資材であっても、安定して手に入らなかったり、まとまった量が手に入らない資材、あるいは質にばらつきが多い資材は使えません。

これに対して、年に高々数十軒をたてるのであれば、資材調達の幅は格段に広がることになります。

良い例かわかりませんが、スターバックスで使ったり販売したりする豆と、独立系のコーヒーロースターで販売する豆に求められるものの違いと似ていると感じました。

法令順守、レピュテーションリスクなどのためのコストが小さい

仮に一万分の1の確率で大きな問題がおきる商品があったとします。その商品を年に50個売るとすれば、約200年に一回しか問題が起きないことになります。これに対して、年に1万個売るとすれば、1年に1回問題が起きることになります。

(実は数学的にはこの計算は正しくありませんがイメージとしてはずれていないので、このまま続けることにします。)

また大手ほどトラブルが発生した際のレピュテーションリスクが大きく、炎上しやすいと言えるでしょう。

このことは、大手ほどトラブルを回避するために品質基準を厳しくしないといけないことを意味します。もともと高い基準をさらに上げるためには相応のコストが必要で、この部分でも工務店の方が有利なポジションにいると言えます。

似たような例ですが、グレーゾンにあるもの、業界の慣行と建前にずれがあるときにどう対応するか、という点でも中小企業の方が小回りが利くという側面もあります。例えば、「この現場だったら多くの業者はガードマン1人しかつけない。けれど、法律を厳密に守ると2人つける必要があり、大手の看板出しながら守っていないと通報され問題になるケースも多いので、うちは2人つける。」といったはなしです。

特徴を比較すると?

双方を比較すると、人件費の単価が高い点は大手が不利だが、質のばらつきが小さいというメリットにもつながっているはず。その他で工務店側が有利な点は、質とのトレードオフにつながるリスクを抱えている。またスケールメリットは相応のインパクトがあるはず、ということで「同じ品質で工務店の方がコストが安くなるべき」とは感じられませんでした。

 

まとめ

だらだらと書いてきましたが、経営数値を調べてみても、一般論としてみても、「同じ品質でも工務店の方が大幅に割安。」という仮説に対して説得力のある説明は難しいのでは、というのが結論です。

特に中堅ハウスメーカー(除くローコスト)と設備のグレード、間取りなどの条件を揃えて比較したら、工務店が大幅に割安とは限らないどころか、中堅ハウスメーカーの方がコストパフォーマンスが良いのではないだろうか、という印象すら持ちました。

 

ただし、質をスペック(UA値、C値、耐震等級など)だけで定義すれば、その部分に特化することで、大幅に安いコストで、より高いコストの家のスペックを上回る、といったことが簡単に起こりえます。

断熱・気密に対する関心が高いのを利用して「うちは、高性能の家を安くつくれます。」といったアピールも目立ちますが、これは、出力(ワット数)だけでオーディオのアンプの評価をしたり、加速性能だけで自動車を評価したりするのと同じだと感じます。

家は住むものであり、スペックは住みやすさに影響を与える材料の一つでしかないからこそ、スペック競争とは違った物差しで評価すべきだし、総合的にみれば、やはり良い家をつくるにはそれなりのコストがかかる、という事実を直視すべきなのだと思います。

ただし、自分にとって必要のない機能や性能、あるいは自由度・デザイン性などをそぎ落とすことができれば、自分にとって大事なものを残しながらもコストパフォーマンスの良い家づくりは可能だとも感じます。

光熱費・CO2シミュレーションから

太陽光発電と蓄電池の電気代節約効果について、概算しました。

前提となる数字

仮定

こちらの数字はざっくりとしたおきの数字です。

 

買電:36円 / KWh

売電:16円 / KWh(10年間)、11円(それ以降)

太陽光発電の設置費用:30万円 / 1KW

蓄電池の設置費用:22万円 / 1Kw

 

初期費用については、もう少し安くできるところも多くあるのではないかと思います。

試算値

こちらの試算値は積水ハウスが計算してくれたものです。二人家族だけれど大きめの家なので、消費電力は多めかもしれません。

 

太陽光発電1KWあたりの年間発電量:1076KWh

月間平均消費電力:736KWh(最小の月は6月で503KWh)

 

もらった試算には月ごとの売電・自家消費・買電などの数字もでていました。計算上は8.2KWぐらいの太陽光を載せると、エネルギー収支がネットゼロになるようです。

太陽光発電の損益分析

自家消費分

月ごとの数字をみていると、最初の3KWぐらい太陽光発電からくる電力はほぼ全て自家消費にまわると考えて良さそうです。この場合、1KWあたり年間に

 

1076KWh ×36円 / KWh = 38736

300000 / 38736 = 7.74年

 

となり、初期費用は7年9か月ぐらいで回収できることになります。その後の発電分は丸儲けです。太陽光発電のパネルは徐々に出力が低下していきますが、寿命は20年~30年はあると考えれば、自家消費分については太陽光発電がとってもお得と考えられます。

 

売電分

自家消費できず、売電する分については、

1076KWh/年  × 16円 / KWh × 10年  = 172,160円

 

なのでFIT機関の10年では回収しきれません。

 

(300,000円-172,160円) / (1076KWh/年 x 11円 / KWh) = 10.8年

 

となり、更に10.8年、合計すると21年近くかかることになります。日中の電力消費量を完全に賄えるだけ太陽光発電を積んでしまったら、それ以上に能力を増やしても、お得ではないようです。

完全に自家消費、完全に売電の中間

月ごとに発電量も消費量も違うので、自家消費を賄うのに必要な太陽光発電の量は月によって異なります。我が家の場合、2~3KW分は自家消費、5KWを超える分は売電、その間は月や日によって自家消費したり売電したりといった感じになります。

この分に関しては年間を通じてみた自家消費と売電の比率に応じて16円~36円の間のどこかにおちつくことになるので、初期投資回収にかかる期間も7年9か月~20年10か月のどこかになります。

 

蓄電池の損益分析

月ごとの買電量は、平均463KWh、最小で289KWh、最大で657KWhでした。ひと月=30日とすれば、それぞれ22KWh, 10KWh, 15KWhとなります。このままだと完全オフグリッドを目指すとすれば、発電力を十分に確保したうえで20KWh以上の蓄電池が必要なのですね。

ここでは、100%充電から残量10%まで放電するサイクルを毎日繰り返すことで、効率も考えて、容量1.2KWhから1KWhの正味の電力を夜に取り出せたとします。

 

最初の10年:(36-16) 円/KWh  × 1 KWh x 365 / 年 = 7,300円 / 年

それ以降:(36-11) 円/KWh  × 1 KWh x 365 / 年 = 9,125円 / 年

(30,0000 - 7300 x10) / 9125 = 24.9年

ということで、1KWhあたり30万円のコストを回収するためには、35年かかることになります。蓄電池は太陽光パネルに比較しても能力の減衰が早そうなので、これでは全然もとがとれないですね。投資として考えると太陽光とは随分と違う結果になりました。

他に考慮すべき点は?

  • もらった試算はではエコキュートを夜に動かす計算になっていました。これを昼に動かすことにすれば自家消費分を増やすことができ、太陽光発電をより活用できそうです。
  • 太陽光パネルは性能が徐々に落ちつつも20年以上使えるとしても、パワコンは15年程度で寿命が来そうです。パワコンの交換費用も計算にいれないといけないですね。
  • 実際の発電効率、蓄電効率などはもっと低いのではないかと思います。従って経済性は更に落ちそうです。
  • 今回は月単位でみているけれど、日単位、あるいは時間単位でみると天気の影響などもあり、発電量、使用量共にむらが大きいはずです。追加的な太陽光発電、蓄電池はこうしたむらに対応する点ではプラスに働きます。
  • 太陽光発電、蓄電器共に容量に比例してコストがかかる部分と、コンバーターやコンディショナーなど固定費の部分があります。従って自家消費分だけに絞って発電の容量を落とすと、初期費用は1KWあたり22万円や30万円よりも高くなるでしょう。
  • 故障や災害で壊れるリスクを今回の試算では考慮していません。
  • こうした試算って理想的なケースが多く、実際にはもっと電力消費量が多く、発電量が少なくなる方向にぶれると考えるべきでは?

うちはどうする?

ざっと計算して、だいぶ整理ができた気がします。蓄電池については見積もり待ちですが、方針が見えてきました。

 

前提に関して言うと、ドル建てで見たエネルギー価格は長期的には上昇、ドル円も10年~20年といった長期でみれば円安方向にいくと考えています。

試算では個別空調を人がいるときだけつける前提ですが、全館空調的に複数の空調を常時オンにする可能性が高いので、電力消費量は試算より相当に大きめになると思います。

こうした予想のもとでは、太陽光発電は多めに載せておきたいと思います。

蓄電池に関しては、全負荷型・200V対応であれば、災害時の昼の間は困りません。これが実現できる蓄電システムは確保したいところです。一方で、昼間の電力を貯めて夜使うことで自家消費率を上げるアプローチはあまり経済合理性が無いと感じます。従って、災害時夜間に冷蔵庫や照明も含め一定のことができる程度の蓄電容量があれば十分に思えます。3-5年後に蓄電池の価格が下がったら追加できるような柔軟性があるシステムが望ましいです。

 

結論:太陽光は多め。蓄電池は全負荷型が実現できる容量を目安に、将来の拡張を視野に入れる。

蓄電池の種類

前回に続いて蓄電池の話です。

 

打合せで話をきいていると、蓄電池の導入事例はあまり多くないような印象を受けます。他社も含めて見積もりを改めて取ってくれるのことなのですが、打合せで名前がでていたニチコン、シャープでどのような商品があるのか、自分でも調べてみました。

積水ハウスの設備カタログと、メーカーのサイトを比較すると、特注扱いにしなくても導入できるのはこちらのようです。

  • パナソニック:創蓄電連携システムS+ - 3.5/5.6/.0/9.1/11.2KWh
  • ニチコン:トライブリッド蓄電システムII(T3)-4.9/7.4/9.9/14.9KWh
  • シャープ:クラウド蓄電池システム -4.2/6.5/8.4/9.5/13.0KWh

 

ここではメーカーのホームページからわかる情報をまとめています。価格は定価ベースです。

 

パナソニック 創蓄連携システムS+

特徴

  • スリムデザインで屋内設置可能(屋外もあり)
  • 3.5, 5.6, 6.3KWhを二つまで組み合わせ可能、後から追加可能
  • 5.6KWhまでは特定負荷型・100Vのみ、
  • AiSEG2対応
  • 200Vトランスユニット(LJTR241)が独立している
  • 200V仕様の際は、自立出力4.0KVA
  • ハイブリッド・パワコン(太陽光+蓄電池)

システム図

必要な機能だけを採用できるようにモジュール化されておりコンポーネントが細かく分かれているのだと思います。

ただ、停電時に通常と同じように電気を使いたいと思うと、ほぼフルセットが必要になります。

パナソニックはこの場合に必要なものをわかりやすく図にしてくれています。

システム構成 停電時出力200Wタイプ

価格

システム価格としてまとめられている中には、トランスと電力切替ユニットの価格が含まれていません。

200V、全負荷型を実現するためには追加で、

  • 200Vトランスユニット(LTRJ241):632,500
  • トランス用壁掛け架台(LJTMT53):138,600
  • 電力切替ユニット(LJTS3353):272,800 (ただし30Aまで)

が必要になるので、これを追加すると

 

蓄電容量 価格
5.6   3,069,000 
7.0   4,749,800 
9.1   5,365,800 
11.2   5,981,800 

 

となりました。

ニチコン ESS-T3シリーズ

いろいろな製品が出ていますが、太陽光パネルと同時にせっちするので単機能は除外。ハイブリッドか、トライブリッドが選択肢になります。積水ハウスのカタログと比較すると、トライブリッドのESS-T3シリーズが採用されてるようです。

T3シリーズの中にはハウスメーカー専用モデルとしてESS-T3SS/T3LS/T3Fが記載されていますが、電池容量4.9KWh, 9.9KWh, 12.0KWhとラインナップが異なります。積水ハウスの場合は、ESS-T3S1/T3M1/T3L1/T3X1モデルと同等のようです。

特徴

  • 4.9KWhと7.4KWhの2種類の蓄電池ユニット。同じものを2つまで接続できる
  • 太陽電池、蓄電池、EVの内臓電池を統合制御できる。(トライブリッド)
  • 太陽光パワコンとしては8.8KWまでカバーできる(搭載量は10KW)
  • どの容量でも全負荷型、200V対応
  • パナソニックでいう本体、パワコン、200Vトランスが一体
  • 自立出力、連携出力 4.0kW(蓄電ユニット一つ)または5.9KW(二つ)
  • V2Hスタンド、V2Hポッドは後からつけられる

システム

パナソニックと異なり、トライブリッドパワコン部の中に200Vトランス、パワコン、コントローラー部などがすべて含まれているため、下の図にあるようにすっきりとした構成になります。

 

(出典:ニチコンホームページ)

リモコンは、トライブリッドパワコンに付属しているので、V2Hを導入しない場合には、トライブリッドパワコンと蓄電ユニットだけを購入すればよいようです。

価格

カタログによれば、

  • トライブリッドパワコン:120万円
  • 蓄電ユニット:120万円(4.9Kw)、170万円(7.4KWh)

なので9.9KWh(4.9KWhx2)の場合、定価360万円になります。

 

シャープ クラウド蓄電池システム

特徴

  • 200V対応
  • 蓄電量量が大きい場合には全負荷型(8.4KWh以上)
  • 後からEV対応(現時点ではまだ発売されていない機器が必要)
  • 屋内・屋外兼用蓄電ユニット

構成

4.2KW、8.4KWの蓄電池は在庫僅少とのことで残り以下の2種類です。全負荷型にしたい場合、6.5KWhX2又は9.5KWhX1になります。

 

蓄電ユニット

JH-WB1921:6.5KWh (X1、X2)

JH-WB1921:9.5KWh (X1)

 

(出典:シャープホームページ)

 

蓄電池(JH-WB2021/JH-WB1921)と蓄電池連携型パワーコンディショナ(JH-55NF3/JH-40NF2)を接続した太陽光発電/蓄電池システムを設置しておくと、将来電気自動車(EV)を導入時にEV連携が可能*です。

 

価格

パワーコンディショナ―につなげる太陽光発電の回路数などで複数のモデルがあり、価格も若干違いますが、だいたいの定価はこちらです。

 

JH-WBPDB660(9.5KWh)- 4,496,250円

パワーコンディショナー  JH-55NF3

コンバーター   JH-WD2111  

エネルギーモニタ JH-RWL8     

 

JH-WBPDB755  (13KWh) - 6,184,090円

パワーコンディショナー  JH-55NF3    

コンバーター   JH-WD2111×2    

エネルギーモニタ JH-RWL8    

三社の比較

全負荷型、200V対応を要件に3社を比較しました。

 

  蓄電容量
(KWh)
システム価格
(万円)
KWh当たり単価
(万円)
パナソニック 7.0 9.1 11.2 475 540 600   67.9   59.3   53.6
ニチコン 7.4 9.9 14.8 290 360 460   39.2   36.4   31.1
シャープ   9.5 13   450 620     47.4   47.7

 

定価で見るとニチコンに価格優位性があります。実際の販売価格は定価とは大きく異なるので、掛け率によって順位は変り得ますが、モジュール化しているパナソニックに対して、一体化しているニチコンは製造コスト、設置コスト共に抑えやすいのではないかという気がします。

ニチコンに死角があるとすれば故障時の対応でしょうか。製品としては複数の機能が一体化されているために、修理が効かない故障があった時に一部だけ交換することが可能かどうか未知数です。故障時に全部交換ということになればコストが高く、保証や修理部品の入手可能性が一層重要になりそうです。

Tesla Power Wall  テスラ パワーウォール

最近 Power Wall 3が米国では発表されました。Power Wall 2は単機能型ですが、Power Wall 3はハイブリッド型になるほか、自立出力も大幅にアップするようです。日本での発売がいつになるかわからないので、ここではPower Wall 2についてひとこと。

蓄電池を付けたいと思ったときに、最初に思い浮かんだのはPower Wall (2)でした。13.5KWhもあり価格が100万円台前半。これに対して上にまとめたように日本の蓄電池は10KWh前後でも400万~500万円します。

ところが、Power Wallは指定された業者しか工事ができず、積水ハウス経由では導入できません。しかし、保証の問題を別にしても、第三者にダインコンクリートやベルバーンに穴をあけてもらうなんて怖くてできません。ということで、泣く泣く候補から外したのでした。

 

既に太陽光発電を持っている人が卒FITなどで導入するには、Power Wallはとても有力な候補だと思います。ただ、新築で大きめの太陽光発電を載せる場合に関しては価格面での差も結構縮まるように感じています。

一つ目は、Power Wallが定価販売なのに対して、日本のメーカーは値引き率が大きいことです。実際にはKWhあたり20万円前後(残念ながらもらった見積もりはこれより高いのですが・・、)のようで、定価から見ると大幅な値引きがあることになります。

二つ目は、パワコンの価格です。ハイブリッド型の場合、太陽光発電用に専用のパワコンをつける必要がありません。6KW以上の太陽光発電をする場合、パワコンを2つつけて40万円ぐらいになると思いますが、この分が浮くわけです。

この二つの理由で、価格差は結構縮まります。

 

次の一手

今まではパナソニックで見積もりをもらっていましたが、シャープとニチコンについても見積もりをもらい比較をしてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

蓄電池で悩んでいます。

漠然と導入を考えていた蓄電池ですが、詳細を詰めていく中で勘違いに気づき、悩んでいます。

前提

  • オール電化
  • 太陽光発電:最低でもZEH基準を満たすレベルまで太載せる
  • 床暖房、個別エアコンを気兼ねせず使いたい
  • 日中も在宅が多い

石炭・天然ガスに頼る火力発電が主力の間は、長期的な円安トレンドと合わせてエネルギー代が高騰する中で、電気代は更に上がっていくだろうというビューを持っています。原子力の比率が高い関電と東電の電気代の違いを見ても、火力発電がいかに高いかは一目瞭然です。(原子力を擁護したいわけではありません。単に、現在の総括原価方式の価格決定メカニズムの中で、各発電方法がどう電力価格に反映されているか、という事実確認です。)

蓄電池への期待

期待(1):オフグリッド的な生活?

「ZEHを文字通り読めば、エネルギー収支がトントン以上ということ。夏の昼間は発電超過だが、夜は発電しないので買電する必要があり、買電と売電の価格差分はお金を払う必要がある。」

 

というのが、当初のざっくりとした理解でした。

 

「だったら、昼間余った電気を蓄電池に溜めて夜使えば良いのでは?」

 

というのが蓄電池に興味を持ったきっかけです。言ってみればオフグリッド生活のイメージです。実際には発電効率だとか、蓄電池の容量だとか、考えなければいけないことはいろいろとあるけれど、100%を求めているわけじゃないから、夜間の電気の多くを蓄電池から賄えれば十分と軽く考えていたのです。

期待(2):災害対応

フグリッド的な生活を一旦棚上げして、蓄電池の導入メリットを考えると、災害対応があります。

災害時には、日中は蓄電池がなくても太陽光発電で十分に電気が賄えるから、冷蔵庫や携帯の充電、エコキュートは昼に動かせばいい、料理も昼すればいい、だから蓄電池は必須ではないはず。ただ、十分な蓄電池容量があれば夜も電気が使えてなお便利。

と考えていました。要は、「災害対応のためだけ」だったら蓄電池はいらないのでは?ということです。でも、これは大きな誤りだったことが今回わかりました・・・。

期待(3):電気代の削減

昼に余った分を蓄電池に貯めて夜に自家消費すれば、買電価格と売電価格の差だけ得することになります。現時点での買電単価(激変緩和措置の補助金分除く)約36円と、売電単価16円の差に昼蓄電して夜使った電力量を掛ければ、どれだけ削減できるかがわかります。

 

蓄電池の耐用年数が15年として、15年間で初期コストを回収できれば、実質コストゼロで災害に備えることができるわけです。実際には全額回収は無理でも相応に回収できれば、と期待していました。

期待(4):拡張性

営業から提案されているのは、パナソニックの創蓄連携システムS+の5.6Kwhのものです。パナソニックのカタログを斜め読みすると、二台目の蓄電ユニットを追加して11.2Kwhなどに簡単に拡張できると書いてあるように思えたので、ひとまず小さく導入して、将来蓄電ユニットの価格が下がった時、あるいはFIT期間が切れる時に拡張すれば良いと考えました。

新築時に導入したい理由は、建築後に壁に穴を開けるなどすると、コストの面でも家の性能の面でも悪影響がありそうだから、あとで蓄電ユニットを追加するだけにしておきたいと思ったからです。

当初想定していたコスト

見積もりをもとにした想定では、5.6Kwの蓄電池が実質コスト100万円弱で導入できると見込んでいました。以下の二つの理由で思ったより安かったのです。5.6Kwではオフグリッドには全然足りませんが、設置後にある程度費用を回収でき、災害対策にもなり、将来は家に負担をかけることなく拡張できるということであれば、十分に検討に値すると思ったのです。

なお、導入コストには以下の二つを織り込んでいます。いずれも新築時のみのメリットなので、新築時に設置する動機につながったのでした。

  • 新築時であれば、キャンペーンで追加の値引きが適用される。
  • ハイブリッド式の蓄電池であれば、太陽光発電のパワコンを一台減らせる。

今回わかったこと

太陽光発電だけではあまり災害対応にならない

一番の勘違いはこれでした。蓄電池がない場合、太陽光発電の発電力が十分にあっても、非常用コンセントに繋いだ機器以外は、電気を使えないのですね。分電盤にも電力は流れないようで、家の中の電気機器は(非常用コンセントに繋ぎ直さない限り)使えません。

蓄電池なしの太陽光発電では災害時にはあまり役に立たないことになります。太陽光発電導入のメリットを考える上では、電気代をどれだけ節約できるか、経済的な観点に絞って考えることにしました。

一方で、蓄電池には、太陽光発電とセットにすることで、災害時でも昼に電気をふんだんに使えるというメリットが出てくることになります。

容量の大きな蓄電池でないと使い道に制限が出る

全負荷型の蓄電池が必要と伝えていたので、電気を賄える時間はともかく、これで家全体の回路に電気を供給できると思っていました。

しかし、設計士も入った打ち合わせと、その後調べてもらった結果、

  • 5.6Kwhは分電盤の中で指定された一部回線しか電力を供給できないし200Vにも対応していない。
  • 7.0Kw以上にすればこの制約は外れるが、それなりの工事が必要。後から拡張する場合には、初期にまとめて設置する場合に比べてコストが高くなる。

ということがわかりました。

蓄電池の設計思想が災害時の限定的な利用を前提にしている

100Vのみ対応で回線数限定の場合、どの回線を蓄電池と繋ぐか事前に決めておかないといけません。

営業からは、災害時には、必要な場所に絞ることでできるだけ電気を使わず長時間蓄電池を持たせるという発想ですという説明がありました。

蓄電した電力を夜にできるだけ使って電気代を下げる、あるいはオフグリッド的に買電をできるだけ減らすという発想であれば、逆に電力消費が激しいところに優先的に蓄電池を当てたいところですが、真逆の発想なのですね。

こういう観点で回線を選ぶと、冷蔵庫と一部の照明のみになりそうです。IHレンジ、エコキュート、リビングのエアコンは全て200Vなので全滅です。これだと一晩で蓄電池の容量を使いだろうし、太陽光発電がしっかりと発電している昼間でも、停電時にはできることが限定されてしまいます。

うーん、モヤモヤします。

要するに?

  • 創蓄連携システムS+は、全負荷型に対応しているけど小さく入れると特定負荷型のように振る舞う。災害対応の面でも、電気代節約の面でも、中途半端。
  • 後から拡張する際にも200V対応トランスの設置などの電気工事が発生するので、部分的に先に導入するメリットはあまり大きくない(かも)
  • 入れるなら、最初から大きめのものを入れないとダメなのでは?でなければ、いっそ諦めた方が良いかも。

となりました。見積もりを聞くと、最初から大きいものをいれようとするとさらに100万円程度の追加して200万円以上必要になる感じです。このコストだとどうかなあということで、改めて導入の可否も含めて検討が必要になりました。

 

 

LDKの天井(木質天井、天井面の美観)

計画中の家はLDK、なかでもリビングとキッチンが最大のこだわりポイントです。

リビングのつくり

リビングは積水ハウスならではのクリアビューデザイン(床から天井までの大開口サッシ)と270㎝の天井高を採用し、屋内と軒やデッキとのつながりを感じさせるデザインになっています。

また開放感をもたせるために、玄関ホールから廊下を経てLDKまで、ドアを設けずひとまとまりの空間になる設計です。

この空間の床材にはタイルを採用する予定で、すっきりとした現代的なデザインになりそうだけれど、やや暖かみに欠けるかも、という懸念も持っています。

希望していること

木質天井にしたい

検討する中で候補から外れてしまいましたが、住友林業が第一希望だったのは木の香りがする木質感あふれる内装と大開口の組み合わせに大きな魅力を感じたからです。

床材がタイルで壁も大開口のサッシが大きな割合を占めるので、LDKで木を使うとしたら木質天井にするしかありません。また木質天井にすれば暖かみを演出するのにも役立つかも、ということで契約前の段階では一度木質天井の採用を見積もりにいれていました。

しかし、LDKから玄関まで一体のつくりになっているために、デザインの観点からはリビングを木質にするなら、つながっている空間全部を木質天井にしたほうがよいとのこと。

この空間全部では約60㎡となり100万円程度追加費用がかかるとのことで、一旦は候補から外していたのですが、やはりあきらめきれません。契約後あらためて復活させる余地をさぐりたいと思っています。

天井をすっきりとさせたい

積水ハウスのSmart ECSを採用すると、Air Meという天井付の空気清浄機が設置されます。また、火災報知器、一種換気の給気口、二階のバスルーム用の点検口など、他にも潜在的に天井に設置する可能性のあるものがいくつかあります。

リビングの片側から間接照明で天井を照らす計画になっているので、天井面にいろいろと設置するのは望ましくないし、木質天井を採用する場合、こうした設置物は一層目立ちやすくなってしまいます。

どうすれば影響を最小に抑えられるか、というのが検討ポイントです。

木質天井の種類

材質

木質天井、あるいはそれっぽく見せるためには、床材と同様にいくつかの素材が選べます。

  • シート
  • 突板
  • 挽板
  • 無垢板

シートは費用が最も抑えられるし、天井であれば床と違って傷がついて下地が見える、といった問題もあまり気にしなくて良さそうです。

ただし、貼る面積が大きく上に天井だと全体が目に入ってくるわけで、同じパターンの重なりからくる違和感が大きいのではないかという懸念があります。気づかなければ良いのだけれど、一度気づいてしまったら、ずっと気になりそうですよね。

他の内装材とのバランスも考えて、候補から外すことにしました。

残るは、突板・挽板・無垢板ですが、直接触れることができない天井材に関しては、挽板でも触った感じや温度感などのメリットがありません。一方で、収縮したり反ったりというデメリットは残ります。そもそも無垢板の天井材は扱っているメーカーが少ないこともあり、まず候補から外してよさそうです。

突板と挽板にも同じことが言えます。2m近く離れたところから見るだけでは、突板と挽板の違いはわかりにくい・・・。

けれど、朝日ウッドテック(The Wallシリーズ)は突板に加えて、挽板の厚みを活かした、レリーフ、ノーチラスという凹凸のある意匠性の高い商品をだしているのですね。確かにこうしたデザインは突板ではできません。

ただし、お値段は突板だと1㎡あたり1万円弱なのに、挽板だと1㎡あたり4万5千円ぐらいします。60㎡分購入したら、定価ベースだけれど材消費だけで260万円!これはあえなく撃沈です。

住友林業のウッドタイルよりも好みなので書斎の壁の一部とか、面積の狭いところに少し使うのはありな気がします。

ということで、材質については頑張って突板の天井材を貼るか、あきらめるか、といった感じでしょうか。

樹種・色

もう一つ悩ましいのが、樹種・色です。積水ハウスでカタログから選べる中で候補になりそうなのは、朝日ウッドテックのThe Wall(突板)と、積水オリジナルの木質うづくり天井材。

木質うづくり天井材は、杉突板を着色したものでアッシュグレイン、チャコールグレイン、ダークグレイン、ライトグレインの4色があります。この4色は、軒裏天井材、作り付けの家具の面材など、いろいろな分野の積水オリジナル建材で提供されているので、デザインの統一性を保つことができます。我々の場合でも軒天とLDKの天井材は繋がっているので、そろえた方がいいんですよね。

ただ、着色した木材って、木質感としてイメージしていた自然な木材の風合いから少し遠い気がします。The Wallシリーズであれば、ブラックウォールナット、アカシア、オーク、スプルース、ヘムロック・・・、と樹種を決めたらそれぞれの樹種の自然な色味をそのまま感じることができます。木質感として求めているのはこっちなんだよなあ・・・。

色でラインナップを構成するのか、樹種でラインナップを構成するのか、というのはデザインの考え方に関する結構本質的な違いに感じます。ちゃんとみたことないけれど、住友林業だったら、樹種ベースで建材のラインナップを揃えているんじゃないかと、想像したりします。

更に、軒天と天井材で違うメーカーだったり、違う構造の素材を色だけ合わせて使っても、時とともに変色していくと違った変化をすることで、不自然な組み合わせになってしまう可能性もありそうです。

悩ましい・・・。

今のところは、朝日ウッドテックのThe Wall突板(ブラックウォールナット)と、それにうまく合う軒天を組み合わせられないかと期待しているところですが、相談してみないといけません。

積水ハウス:契約後1回目の打合せにむけた事前準備ー検討項目一覧

これまでの経緯

積水ハウスとは契約まで、打合せ・住まい参観日・Tomorrow's Life Museum訪問を含めて半年で16回打合せをしています。そのうち、契約時の重要事項説明を含めると3回設計士が同席してくれました。

最初は本命・対抗が滑った場合の第3候補の位置づけでしたが、本命まず脱落、残る二社の比較の中で最後の数週間で逆転し、めでたく契約の運びとなりました。

契約までの半年以上にわたる検討過程は改めてまとめたいと思います。当初は大穴扱いということもあり細かくは詰めていなかったのですが、契約前の最終案の完成度はかなり高いと思います。

一つ目の要因は、設計士・営業ともにとても優秀で我々との相性がよかったこと。

二つ目の要因は、

  • 打合せ開始時に渡したパワーポイントでまとめた数十ページの資料をしっかりと読み込んでくれた。
  • 住まい参観日や、Tomorrow's Life Museum訪問で好みを説明する機会が豊富で、営業さんがこちらの言葉だけでなく、表情や雰囲気から読み取る能力がとても高かった。

など、コミュニケーションがうまくいったこと。

三つ目の要因は、規模がやや大きめな家で、設計士・営業の方がやりたいと思うことを積極的に取り入れるなど、積水ハウス側にとってもやりがいのある案件になりそうな空気が漂っており、一層汗をかいてくれたこと。(と、勝手に想像しています。)

第一案がコンセプト・デザインとしては素晴らしく、その後5回ほどの修正は水回り・収納を中心に住みやすさ・我々が思う快適さを高めていくプロセスでした。

なお水回りなどの設備については、ほぼ全て型番まで契約前に固めています。

契約後の増額を抑えるという目的ももちろんありますが、妻は水回りについて「これができない(採用できない)のなら、もうこのハウスメーカーとはやれない。」といったNGが結構あるので、契約後に頓挫しないようにすべて確認をする必要があったのです。

ここでは打合せの備忘録をリアルタイムでざっくりと書きます。

事前準備

クリスマスイブに契約をすませお正月休みに入ります。

ハイになった気分も手伝い、3Dマイホームデザイナー13で間取りを復元してみたり、契約時にもらった詳細見積もり、間取り図、その他の図をじっくりと読み込み、質問・相談リストを作成したりしました。

LDK

  • キッチン背面のカップボードを入れても部屋の横幅が余る部分をどうするか
  • キッチンのアイランド部の位置(レンジ側との幅、壁との幅)
  • カップボードとレンジの順番変更
  • パントリーの中に置くものを確認
  • キッチン横の飾り棚を全部造作でつくるか、一部カップボードを流用するか
  • 床暖房をLDKと玄関ホールだけでなく、一階の洗面スペースに広げるべきか
  • 天井を木質天井にしたい。(契約前にコストを考えて一旦外していました。)
  • Air Me、吸気口、火災報知器などの配置で天井が綺麗にみえないのはいや
  • リモコン、スイッチがずらっと並んでみえるのはいや
  • カーテンにするか、ブラインドにするか
  • テレビの配置

間取・配置

  • 駐車スペースの幅と、敷地内の家の配置の調整(5㎝ ずらすかどうか。)
  • WIC、ベッドルーム、洗面の動線(壁を少し動かして調整)
  • 持ち込み家具が運び込めるか
  • 階段の割り付け(U字型でまわるところを2段にするか4段にするか)
  • 靴箱の位置と、玄関脇の窓の大きさ
  • パントリーにもう一サイズ大きな冷蔵庫を入れられるか
  • 持ち込みたいチェストが寝室にしっかりと収まるか

建具・設備

  • 室内ドアの幅が十分かどうか、一つずつ確認
  • 室内ドアで、シリンダー錠、鎌錠をつけるところの確認
  • 引き戸のつもりだったところが開き戸になっている場所の確認
  • 蓄電池の将来の拡張性、配置場所、使い方
  • SAJサッシの遮音性はどの程度あるか
  • SAJサッシに換気框はつくかどうか。(1種換気で必要ないはず。気密性を考えたらない方が良い)
  • 照明も含めてできるだけスマートハウス、IOT対応にしたい

外構

  • 敷地境界の一旦を生垣にするか、フェンスにするか。
  • 庭の水やり用に散水栓ないし立水栓を追加するかどうか。
  • 道路側からみた家の見映え
  • 外水栓を立水栓と散水栓のどちらにするか

今回のまとめ

インテリア系のものはコーディネーター(IC)がでてくる打合せまでに考えればよいやと思い、基本的に後回しです。ただ予算に大きく跳ねそうなもの、間取りとも関係しそうなものだけ拾っています。

契約前に随分と時間をかけて細かいところまで詰めたつもりだったのですが、契約時に空調、火災報知器、蓄電池、Air Meなどの暫定的な配置位置を記した図面、部屋ごとの素材(天井、床、壁)の一覧、室内ドアと天井高の関係を表した一覧図など貰ってから丁寧に読みだすと、たくさん出てきます。

振り返ってみると、契約前は全体としての間取りと、設備に意識が向いてたようです。ここに来るまで、積水ハウスとの打合せだけで優に50時間以上、持ち帰って家族で相談に同じかそれ以上の時間をかけているはずですが、どこまででも時間が使えてしまいそうです。

次回は、このリストの中でも特に重要なポイントについて書きたいと思います。