
漠然と導入を考えていた蓄電池ですが、詳細を詰めていくなかで勘違いに気づき、悩んでいます。
前提
石炭・天然ガスに頼る火力発電が主力の間は、長期的な円安トレンドに伴いエネルギー代が高騰するなかで、電気代が更に値上がりするだろうと考えています。原子力の比率が高い関電と、原子力発電所を再稼働できていない東電の電気代の違いを見ても、火力発電がいかに高いかは一目瞭然です。(原子力を擁護したいわけではありません。単に、現在の総括原価方式の価格決定メカニズムの中で、各発電方法がどう電力価格に反映されているか、という話です。)
蓄電池への期待
期待(1):オフグリッド的な生活?
「ZEHを文字通り読めば、エネルギー収支がトントン以上ということ。夏の昼間は発電超過だが、夜間は発電しないので買電する必要があり、買電と売電の価格差分はお金を払う必要がある」
というのが、当初のざっくりとした理解でした。
「だったら、昼間余った電気を蓄電池に溜めて夜間に使えば良いのでは?」
というのが蓄電池に興味を持ったきっかけです。
言ってみればオフグリッド生活のイメージです。
実際には、発電効率や蓄電池の容量など、考えなければいけないことはいろいろとありますが、100%を求めているわけではないので、夜間に使用する電気の大半を蓄電池から賄えれば十分と軽く考えていました。
期待(2):災害対策
オフグリッド的な生活を一旦棚上げして、蓄電池の導入メリットを考えると、災害対策があります。
「太陽光の発電量を考えると、災害時でも日中は太陽光発電だけで十分に電気が賄える。冷蔵庫や携帯の充電、エコキュートは日中に動かせばいい、料理も昼間にすればいい、だから蓄電池は必須ではないはず。ただ、十分な蓄電池があれば、夜間も電気が使えてなお便利!」と考えていました。
要は、「災害対応のためだけ」だったら蓄電池無しでも最低限は賄えるけど、夜の照明・空調を考えると、やはり蓄電池があったほうがよいのでは、ということです。
でも、蓄電池がなくても昼間は大丈夫という思い込みが大きな誤りだったことが今回わかりました・・・。
期待(3):電気代の削減
昼間の余剰分を蓄電池に貯めて夜間に自家消費すれば、買電価格と売電価格の差だけ得することになります。
現時点での買電単価(激変緩和措置の補助金分除く)約36円と、売電単価16円の差に、昼間に蓄電して夜間に使用した電力量を掛ければ、どれだけ削減できるかがわかります。
蓄電池の耐用年数が15年として、15年間で初期コストを回収できれば、実質コストゼロで災害に備えることができるわけです。
実際には全額回収は無理でも相応に回収できれば、と期待していました。
期待(4):拡張性
営業担当から提案されているのは、パナソニックの創蓄連携システムS+の5.6Kwhのものです。パナソニックのカタログを斜め読みすると、二台目の蓄電ユニットを追加して11.2Kwhなどに簡単に拡張できると書いてあるように思えたので、ひとまず小さく導入して、将来蓄電ユニットの価格が下がった時、あるいはFIT期間が切れる時に拡張すれば良いと考えました。
新築時に導入したい理由は、建築後に壁に穴を開けるなどすると、コストの面でも家の性能の面でも悪影響がありそうなので、あとで蓄電ユニットを追加するだけにしておきたいと思ったからです。
当初想定していたコスト
見積もりをもとにした想定では、5.6Kwの蓄電池が実質コスト100万円弱で導入できると見込んでいました。以下の二つの理由で思ったより安かったのです。
- 新築時であれば、キャンペーンで追加の値引きが適用される
- ハイブリッド式の蓄電池であれば、太陽光発電のパワコンを一台減らせる
いずれも新築時のみのメリットなので、新築時に設置する動機につながりました。
5.6Kwではオフグリッドには全然足りませんが、設置後にある程度費用を回収でき、災害対策にもなり、将来は家に負担をかけることなく拡張できるということであれば、十分に検討に値すると思っていました。
今回わかったこと
太陽光発電だけではあまり災害対応にならない
一番の勘違いはこれでした。蓄電池がない場合、太陽光発電の発電力が十分にあっても、非常用コンセントに繋いだ機器以外は、電気を使えないのですね。分電盤にも電力は流れないようで、家の中の電気機器は、非常用コンセントに繋ぎ直さない限り使えません。
つまり、蓄電池なしの太陽光発電では災害時にはあまり役に立たないことになります。太陽光発電導入のメリットを考える上では、電気代をどれだけ節約できるか、経済的な観点に絞って考えることにしました。
一方で、蓄電池については、太陽光発電とセットにすることで、災害時でも昼間に電気をふんだんに使えるというメリットが出てくることになります。
容量の大きな蓄電池でないと使い道に制限が出る
全負荷型の蓄電池が必要と伝えていたので、電気を賄える時間はともかく、家全体の回路に電気を供給できると思っていました。
しかし、設計士も入った打ち合わせと、その後調べてもらった結果、
- 5.6Kwhは分電盤の中で指定された一部回線しか電力を供給できないし、200Vにも対応していない(特定負荷型)
- 7.0Kw以上にすれば全負荷型に変更でき、この制約は外れる。しかし、それなりの工事が必要。後から拡張する場合には、初期にまとめて設置する場合に比べてコストが高くなる
ということがわかりました。
蓄電池の設計思想が災害時の限定的な利用を前提にしている
100Vのみ対応で回線数限定の場合、どの回線を蓄電池と繋ぐか事前に決めておかなければなりません。
営業担当からは、災害時には、必要な場所に絞ることでできるだけ電気を使わず長時間蓄電池を持たせるという発想ですという説明がありました。
蓄電した電力を夜間にできるだけ使って電気代を下げる、あるいはオフグリッド的に買電をできるだけ減らすという発想であれば、逆に電力消費が激しいところに優先的に蓄電池を当てたいところですが、真逆の発想です。
災害対策という観点で回線を選ぶと、冷蔵庫と一部の照明のみになりそうです。IHレンジ、エコキュート、リビングのエアコンはすべて200Vなので全滅です。これだと一晩で蓄電池の容量を使い切るでしょうし、太陽光発電がしっかりと発電している昼間でも、停電時にはできることが限定されてしまいます。
うーん、モヤモヤします。
要するに?
- 創蓄連携システムS+は、全負荷型に対応していますが、規模が小さい場合は特定負荷型のように振る舞う。災害対策の面でも、電気代節約の面でも、中途半端。
- 後から拡張する際にも200V対応トランスの設置などの電気工事が発生するので、部分的に先に導入するメリットはあまり大きくない(かも)
- 入れるなら、最初から大きめのものを入れないとダメなのでは?でなければ、いっそ諦めた方が良いかも
となりました。見積もりを聞くと、最初から大きいものをいれようとするとさらに100万円程度の追加になり、合計200万円以上が必要になる感じです。このコストだとどうかなぁということで、改めて導入の可否も含めて検討が必要になりました。
その後の検討内容はこちらの記事にまとめてあります。併せてご覧ください。
building-dream-home.hatenablog.com