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憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

うさぎラクダハウスの電気代公開!データで見る実態

1. はじめに:我が家の電気代、他の家より高い?

「断熱等級5の家は快適なのか? 9ヶ月住んでみた実感」で、断熱等級5(UA値0.55)の我が家で、冷暖房を適切に利用すれば、非常に快適に暮らせることをお伝えしました。

building-dream-home.hatenablog.com

「二人暮らしとしては電気を非常に多く使っている」とされる我が家。 実際のところ、電気代はどうなのか?

今回は、入居後9か月(2025年1月~2025年9月)のHEMSデータを詳細に分析して、その真実に迫ります。

HEMSとはHome Energy Management Systemの略で、家の中の電気系統をモニタリングしてくれる機器です。ここでは、ざっくりと分電盤のブレーカー単位で使用電力量を計算してくれるツール、と思っていただければ十分です。

この記事では、まず電気代の全体像の外観をお見せします。


2. データの前提条件と注意事項

2.1 我が家の立地・気候条件

データを正しく理解するため、我が家の条件を明記します:

  • 地域:6地域(関東地方)
  • 延床面積:約56坪(約185㎡)
  • 家族構成:2人(夫婦)
  • 在宅時間:長い(リモートワーク中心)
  • 換気システム:全熱型熱交換器付き第一種換気
  • 気密性能:C値1.2~1.3
  • 断熱性能UA値0.55(断熱等級5)
  • 設備仕様オール電化、給湯はエコキュート、調理はIH
  • 生活スタイル:洗濯はMiele電気式乾燥機を積極利用、食器洗いはMiele食洗機を利用

気候データ(実測値、気象庁データ)1: - 暖房期(2024年11月~2025年4月):平均気温10.7℃、期間181日 - 冷房期(2025年6月~9月):平均気温27.3℃、期間122日 - 暖房デグリーデー:1,678度日(基準20℃) - 冷房デグリーデー:149度日(基準26.5℃) - 年間日照時間:約2,000時間 - 夏季平均湿度:70~80%(高湿度地域)

2.2 データの見方について

この記事では2種類の金額を使用します:

  1. 使用電力量コスト:HEMSで計測された総使用電力量(kWh)を、仮に全て電力会社から購入したと仮定した場合の金額。実際には太陽光発電で一部を自家消費しているため、実際の支払額とは異なります。

  2. 個別項目の積み上げ:各設備(エアコン、照明等)の使用量を積み上げた金額。

※ 両者には約10~20%の差があります(計測誤差、蓄電池ロス、分類外の消費等)。なお、4月までのデータは計測設定にエラーがあったため、5月以降のデータの方が信頼性が高くなっています。

2.3 太陽光発電システムの仕様

太陽光発電はやや効率が劣ると言われる屋根瓦一体式のもの。また寄棟屋根なので、容量をかくほするために南向きだけでなく東向きにもパネルをのせています。このため、同じ容量でも、より効率よく発電できる家も多々あるのではないかと思います。

それ以外にも、パワコンの容量とパネルの容量の関係など、実際の出力(発電量)に影響を及ぼすいくつかの要素があり、気象条件・容量が同じでも、発電量が大いに異なることが十分にありえます。

太陽光発電の実際の発電効率については、別の機会にご説明したいと思います。


3. やっぱり電気使い過ぎ?我が家の電気使用量

2025年1月~9月の想定電気代(使用料ベース)、買電(実際に購入した電気代)、売電(販売した余剰電力による収益)は以下のようになりました。

データはすべてHEMSから取得しており、買電の金額・使用量はTEPCOの数値とほぼ一致することは確認済みです。ただしHEMSは1日から月末までの周期で計算されますが、TEPCOは2日から翌月1日までで集計していることに起因する若干のずれはあります。

3.1 月次電力収支の全体像 (金額ベース)

HEMSベースでの月次の電力収支をグラフ化したものがこちらです。

月次電力料金

このグラフには、想定電力代に対する買電コストの比率も記載しました。詳細は下の表にまとめました。

使用電力量コスト 買電コスト 売電収入 ネット電気代 太陽光・蓄電池効果
1月 44,680円 25,978円 2,264円 23,714円 20,966円
2月 41,269円 24,154円 4,492円 19,662円 21,607円
3月 38,271円 22,324円 4,292円 18,032円 20,239円
4月 27,637円 16,080円 4,125円 11,955円 15,682円
5月 28,673円 16,713円 4,195円 12,518円 16,155円
6月 37,014円 21,527円 4,060円 17,467円 19,547円
7月 42,672円 24,824円 3,711円 21,113円 21,559円
8月 43,222円 25,156円 3,546円 21,610円 21,612円
9月 36,484円 21,227円 3,748円 17,479円 19,005円
平均 37,769円/月 21,998円/月 3,826円/月 18,172円/月 19,597円/月

3.2 月次電力収支の全体像 (電力ベース)

電気代は電力価格の影響も受けるので、違うタイミングや、違う電力会社の場合は比較が難しかったりもします。そこで、価格ではなく電力使用量のデータも取得しました。

月次電力使用量

1月〜9月の電力使用量(kWhベース)

使用電力量 買電 売電 ネット買電 太陽光・蓄電池効果
1月 1,325.5 kWh 766.4 kWh 141.5 kWh 624.9 kWh 700.6 kWh
2月 1,223.3 kWh 711.9 kWh 280.7 kWh 431.1 kWh 792.2 kWh
3月 1,129.0 kWh 652.3 kWh 268.3 kWh 384.0 kWh 745.0 kWh
4月 801.9 kWh 288.2 kWh 308.7 kWh -20.6 kWh 822.5 kWh
5月 834.2 kWh 353.7 kWh 228.4 kWh 125.3 kWh 708.9 kWh
6月 1,104.4 kWh 487.9 kWh 175.6 kWh 312.3 kWh 792.1 kWh
7月 1,282.0 kWh 497.6 kWh 187.2 kWh 310.4 kWh 971.6 kWh
8月 1,300.7 kWh 600.5 kWh 240.3 kWh 360.2 kWh 940.5 kWh
9月 1,089.0 kWh 504.9 kWh 183.2 kWh 321.7 kWh 767.3 kWh
平均 1,121.1 kWh/月 540.4 kWh/月 223.8 kWh/月 316.6 kWh/月 804.5 kWh/月

3.3 電力単価はどれぐらい?

これらのデータをもとに電力の平均単価も計算しました。なお、買電、および使用電力単価計算にあたっては、基本料金3,741円を総額から控除しています。

月額平均 使用電力 買電 売電 ネット電気 太陽光・蓄電池効果
金額(円) 37,769円 21,998円 3,826円 18,172円 19,597円
電力量(kWh) 1,121.1 kWh 540.4 kWh 223.8 kWh 316.6 kWh 804.5 kWh
平均単価(円/kWh)
(基本料金除外後)
30.4円 33.8円 17.1円 24.4円

買電は夜間中心なのでもうすこし単価安いのではないかと思っていたのですが、明細をみてびっくり。電力単価に、再エネと託送料金で13円/kWh程度上乗せされるのですね。そこから、燃料費調整や国の軽減措置の値引きなどで少しさがって34円前後、というのは妥当な数字のようです。

なお、日中に使う電気がより多く含まれる使用電力単価の方が、買電単価よりも高くなるはずですが、低くなっているのはすこし不自然です。4月上旬までは設定ミスなどもあり、誤差の影響ではないかと思います。修正後も、個別の使用電力量の積み上げは、5%程度少なく出ているように感じています。

3.4 ZEH住宅なのに、エネルギーを賄えてない?

ZEH住宅なのでネット買電がマイナスになることが理想ですが、現実にはなかなか難しく、売電量が買電量を上回ったのは4月だけでした。発電量ベースでは、使用電力の72%を太陽光発電で賄ったことになります。

実際には、仮に電力収支(買電-売電)がゼロになっても、ZEH達成にはまだ足りません。なぜならZEHは「一次エネルギー」で評価しており、同じ1kWhでも買電(火力発電等を含む系統電力)は売電(太陽光発電)の約2.7倍の一次エネルギーとして計算されるからです。つまり、売電量が買電量の2.7倍必要になる計算です。

一方で、ZEHの評価は空調・換気・給湯・照明のみが対象で、実際の総消費の30-40%を占める家電・調理用電力は含まれていません。このため、評価上はZEHを達成していても、実生活での電力収支がプラス(エネルギーを購入している)になることは珍しくありません。

この表からも、買電量は全体の約48%にとどまり、残り52%は太陽光発電による自家消費でまかなわれていることが分かります。

太陽光発電の詳細(発電量、蓄電池の運用戦略、売電 vs 自家消費の経済比較、エコキュート連携等)は別の記事で詳しく解説します。

4 標準的な家庭との比較

4.1 条件を揃えて試算してみる

標準的な家庭(戸建住宅)はどのぐらい電気量を使うのか調べてみると、月に400~500KWhといった数字が出てきました。これだと、うさぎラクダハウスは、二人家族なのに、標準の倍も電気を使っていることに・・・。やっぱりエネルギー浪費世帯なのだろうかと少しぎょっとします。

なお、ここでは10,11月を中間月、12月を冷暖房積極利用月と見做すことで、1月~9月の平均がほぼ年間平均に等しいと仮定し、うさぎラクダハウスは月平均1,120KWh使うものとしています。

しかし良く調べてみると、400-500KWhというのはガス併用住宅で、調理・給湯に加えて暖房の一部もガスを利用している世帯が想定されているようです。

ここで思考実験として、AI(OPUS4.1を使用)の助けを借りて、前提条件を変えたらどうなるか試算してみました。

補正項目 基準/変更内容 使用量変化 累積使用量 備考
ベースライン 4人家族・戸建(標準125㎡)・ガス併用 400kWh/月 400kWh/月 環境省統計基準値
面積補正 125㎡→185㎡(56坪):+48% +65kWh/月(+16%) 465kWh/月 面積比の0.3乗則適用
オール電化 ガス併用→オール電化 +430kWh/月 895kWh/月 詳細は別表参照
エアコン常時稼働 間欠運転→24時間運転 +120kWh/月(+13%) 1,015kWh/月 全館空調相当の運転
完全在宅勤務 標準→2名完全在宅 +60kWh/月(+6%) 1,075kWh/月 常時空調により増分
断熱等級5補正 標準(等級4)→等級5 -80kWh/月(-7%) 995kWh/月 高断熱による負荷削減
地域補正 地域区分6(温暖地) -25kWh/月(-2.5%) 970kWh/月 高断熱により効果減
最終推計:970kWh/月

これによると、ラクダうさぎファミリーと同じ条件の場合、平均的な月額電気使用量は970KWhとなりました。

4.2 オール電化による増分を検証

この試算の中で、一番効いているのはオール電化による増分(+430KWh)です。 この数字のレベル感を確認するためにデータを探してもらうと、いくつかの数字がありました。

データソース ガス併用世帯 オール電化世帯 差分
環境省統計 (2022) 4,744 kWh/年 (395 kWh/月) 11,815 kWh/年 (985 kWh/月) +590 kWh/月
関西電力調査 (2021) 4,322 kWh/年 (360 kWh/月) 10,682 kWh/年 (890 kWh/月) +530 kWh/月
東京電力エリア統計 4,500 kWh/年 (375 kWh/月) 10,800 kWh/年 (900 kWh/月) +525 kWh/月

更に、Opus4.1が430KWhと算出した根拠のブレイクダウンを見ると、以下の通りでした。床暖房・24時間換気・衣類乾燥機など、「標準」といってしまってよいか微妙なもののいくつかありますが、思考実験なのでよしとしましょう。

設備/用途 ガス使用量 ガス相当エネルギー 電化後の電力使用 月間増分 備考
給湯(エコキュート導入) 35m³/月 385kWh相当 110kWh/月 +110kWh/月 年間平均COP3.5で高効率でも増
風呂保温・追い焚き 10m³/月 110kWh相当 30kWh/月 +30kWh/月 深夜電力利用
暖房(ガス→エアコン) 50m³/月(冬季) 550kWh相当 250kWh/月(冬季) +83kWh/月 COP2.2の暖房効率、250kWh×4か月÷12か月
冷房 - - - ±0kWh/月 既に電気使用、ガス併用でも電気使用
調理(ガス→IH) 3m³/月 33kWh相当 37kWh/月 +37kWh/月 IH効率90%
浴室乾燥(ガス→電気) 5m³/月 55kWh相当 45kWh/月 +45kWh/月 標準的使用頻度
衣類乾燥機 - - 25kWh/月 +25kWh/月 オール電化で導入増
24時間換気 - - 20kWh/月 +20kWh/月 第3種→第1種熱交換、オール電化住宅標準装備
床暖房(導入時のみ) 30m³/月(冬季) 330kWh相当 200kWh/月(冬季) +67kWh/月 年平均(使用世帯のみ)
待機電力(ガス機器削減) - - - -10kWh/月 給湯器等の待機電力不要
合計 +430kWh/月
床暖房なし合計 +363kWh/月

4.3. 断熱性の影響

実は上の試算で、しれっと断熱等級4(標準世帯)→断熱等級5にすることで、月当たり80KWh、年間では約1000KWhの電力使用量削減、という数値が入っています。これは、金額にすると数万円と、皆さんが想像するよりもずっと小さいのではないでしょうか?

この点については、うさぎラクダハウスの実際の冷暖房費と併せて次の記事で詳細に調べてみたいと思います。


参考文献・データ出典


データ分析期間:2025年1月〜9月

分析ツール:HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)


  1. 気象庁「過去の気象データ」より実測値を使用(2024年11月~2025年9月)。6地域(関東地方)の観測地点データ。暖房期平均気温10.7℃(2024年11月~2025年4月、181日)、冷房期平均気温27.3℃(2025年6月~9月、122日)。暖房デグリーデー1,678度日(基準20℃)、冷房デグリーデー149度日(基準26.5℃)。