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屋外セキュリティ(防犯)カメラ選びのポイント

はじめに

私たちが家を建てているのは治安が良いと思われる地域ですが、家のセキュリティに関しては、以下のような対策に加えてセキュリティカメラを設置する予定です。

  • 警備会社と契約する
  • 全ての窓を防犯ガラスにする
  • 開く窓を少なくする
  • 庭の死角をなくす

屋外用セキュリティカメラを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。カメラの画質や録画方式、データ保存時の接続方式(有線または無線)、給電方法、さらには防塵・防水性能など、設置場所や目的に応じた仕様が求められます。本記事では、私たちが考慮した点について紹介します。

セキュリティカメラに期待する役割

何らかの理由で私たちの家をターゲットにした強い決意の侵入者が現れた場合、セキュリティカメラが果たす役割はあまり大きくないでしょう。やはり、心理的・物理的に侵入を難しくする警備会社との契約や防犯ガラスなどが主たる備えとして必要だと考えています。

しかしながら、多くの窃盗犯は、比較的安全に目的を達成できるターゲットを選ぶと考えてよいのではないでしょうか。近隣の家と比較して防犯対策がより整っている家があれば、あえてその家を狙うのを避けることが期待できます。

セキュリティカメラがあれば、

  • 侵入者の記録が残る
  • 防犯意識が高いことを示すことができる
  • 音声やライトなどでの警告・威嚇が可能

といった理由で、侵入者の意欲を削ぐ効果が期待できます。

価格帯

ざっくりと分けると、カメラ1台あたり10万円以上、5万円前後、2万円以下の3グループに分けられそうです。

上位2つのグループは有線式で、商業施設の監視カメラも手掛けるメーカーが作っているものが多く、屋内に設置したデバイスに長時間の録画ができるような仕組みが中心です。

これに対して、一番安価なグループはスマートホームバイスや家電メーカーが提供するもので、無線式が中心です。モーションセンサーを利用して必要なときだけ録画し、一部の例外を除いてSDカードやクラウドに保存する方式を採用しています。

画質や録画時間以外の機能面では、価格と性能の関連は弱い一方で、堅牢性・信頼性は高価格のグループが大幅に勝っている印象があります。

私たちのアプローチ

屋外用セキュリティカメラは風雨にもさらされる電子機器です。頑丈なものであれば10年もつかもしれませんが、それでも他の機器に比べて寿命は短いと考えています。

それに加えて、画質や人を検知する機能は日進月歩の世界。3~5年もすれば機能は大幅に向上するはずです。漫然と長時間録画をしていても、人の侵入に気付かないのであれば有効性が事後的な犯人探しに限定されてしまいます。このため、こうした追加的な技術があってこそ、牽制としてもより有効になると考えています。

このため、安価な家庭用セキュリティカメラを導入した上で、3~5年ごとに交換していくのが一番効率的だと考えました。安価であれば、必要に応じて庭から建物に向けたカメラを必要な数だけ追加することで、死角をなくすことができるという期待もあります。

警備会社提供のカメラにするかどうか

セキュリティカメラを考える上でまず最初に思いつくのが、SECOMやALSOKなど、警備会社が提供するカメラだと思います。これらは、先に述べた高価格帯のグループに属します。

メリット

  • ホームセキュリティ・サービスを契約した上で、屋外画像監視サービスを追加で契約すると、侵入が検知された際に警備会社が画像を確認できる(SECOMの場合)。

デメリット

  • 一般に売られている家庭用保安カメラと比較すると非常に高価
  • カメラの選択肢が限られている
  • 画質や自動認識技術の向上に応じてカメラを交換しにくい

繰り返しになりますが、商業施設のように常時監視が前提であれば話は別ですが、一般住宅においてはホームセキュリティサービスとの連携効果は限定的だと感じました。そうであれば、機能に比して高価で、交換が容易でない警備会社のカメラを選ぶ理由はあまりないように思えます。

検討ポイント

家庭用セキュリティカメラは、商業施設の監視カメラと異なり、動きを検出したときに録画を始める方式が一般的です。これは、データ容量やバッテリー容量などの制約があるためです。

ただし、AC電源に接続してあれば、一定間隔でスナップショットの写真を撮ることで、常時録画的に準じた使い方ができるカメラもあります。

以下に、具体的にカメラを選ぶ上で違いが出てくる項目をまとめました。

有線式・無線式

ここでいう有線式・無線式は、データをLANケーブル経由で送るか、Wi-Fiで送るかの違いです。LANケーブルで送る方式のカメラは、壁内に配線が必要になるので後からの設置は大変です。

一方で、Wi-Fi接続の場合、

  • 有線に比べて接続の安定性が劣る
  • 侵入者がジャマー(電波妨害装置)を持っていたら、データを送信できず無力化されてしまう
  • ハッキングに遭う可能性がある

などのデメリットがあります。こうした理由から、商業施設など、より高い信頼性が必要な場所に監視カメラを設置する場合は、有線接続が基本です。

設置の容易さや、選べるカメラの多様性を考えると、私たちは無線式一択なのですが、旅行などで長期に不在にする際には、屋内に有線LAN接続のカメラを追加するなどの対応も視野に入れています。

給電方式

コンセントやACアダプターから電源をとる方式と、バッテリー方式に分かれます。バッテリー方式の場合も、電源ケーブルをつなぐことができるものが大半です。この場合、バッテリーモードと、コンセント接続モードでカメラの振る舞いが異なることがあります。

バッテリー形式の場合、オプションで太陽光発電パネルと接続することで、日中に充電してくれる仕組みが用意されているものも多くあります。

電源コードをつなぐ方式のデメリットは、やはり設置の難易度が上がることです。事前に壁内に配線をしておく、または外部コンセントを用意しておく必要があります。一方で、電源コードが繋がれている場合は常時給電されるので、長時間録画をしたり、スポットライトを長い間点灯させたり、といった電力を必要とする動作ができるというメリットがあります。

バッテリーの容量・持ち時間など(バッテリー式の場合)

バッテリー式の場合、バッテリーの容量や持ち時間が気になるところです。「3~6か月に一度の充電でよい」とうたわれている製品が多いのですが、1日に何回、それぞれ何分程度録画をする前提になっているかも踏まえて判断した方がよさそうです。

Anker Eufy Security eufyCam 2Cを例にとると、「30秒程度の動画を1日あたり10件録画する場合、約180日間使用できる」とされています。現実的には、メーカー表示の半分ぐらいの持ち時間と見ておいた方がよいのではと思います。

バッテリーが取り外しできるタイプかどうかも、充電のしやすさや、製品寿命に影響しそうです。取り外しできる場合、予備バッテリーを充電しておけば、バッテリー交換だけで使い続けることができます。また、バッテリーが劣化した場合も、新たなバッテリーに交換することで同じカメラを使い続けることができます。

逆にバッテリーが交換できず、太陽光パネルやコンセントからの充電もできない場合には、毎回カメラを取り外し、充電後に再度設置する必要があります。

防塵・防沫性能

屋外に設置する場合、埃や雨で壊れたり出火したりさせないため、防塵・防沫性能が求められます。

家庭用セキュリティカメラについては、電気機器の外装による保護の程度を表す国際規格に基づき、IP65やIP67といった仕様が採用されているものが多くみられます。

IP65、IP66、IP67の比較

以下の表はIP65、IP66、IP67の主な特徴を比較したものです:

IP等級 防塵性能 防水性能 主な用途
IP65 防塵(粉塵の侵入を完全に防ぐ) 低圧の噴流水に対する保護 一般的な屋外用途
IP66 防塵(粉塵の侵入を完全に防ぐ) 高圧の噴流水に対する保護 厳しい屋外環境
IP67 防塵(粉塵の侵入を完全に防ぐ) 一時的な水没に対する保護(1m深、30分間) 水辺や湿潤環境での使用

IP65

IP65は、完全な防塵性能と低圧の水噴流に対する保護を提供します。この等級は、多少の雨には耐えられますが、台風などでは浸水の恐れがあります。いわゆる防滴仕様です。

IP66

IP66は、IP65と同様の防塵性能を持ちますが、水に対する保護が強化されています。台風などの激しい雨でも浸水の恐れがない防水仕様となります。具体的には、100リットル/分の水量、100kPaの圧力で3m離れた距離から3分間以上の水の噴射に耐えることができます。

IP67

IP67は、IP65およびIP66と同等の防塵性能を持ち、さらに水没に対する保護が強化されています。深さ1メートルの水中に30分間浸しても浸水の恐れがありません。いわゆる完全防水仕様となります。

なお、IP67はIP66の上位互換ではなく、台風のような状況への耐性ではIP66の方が優れているようです。設置場所にもよりますが、セキュリティカメラが水没するような状況は考えにくいため、IP65とIP67の違いはあまり重要ではないかもしれません。

データの保管方法

データをローカルに保存する方法と、クラウドに保存する方法があります。ローカルの場合、カメラ内のSDカードなどに保存する方式だと、カメラごと持っていかれてしまうと意味がありません。このため、別のデバイスに保存する仕組みになっているものの方がよさそうです。

一方でクラウドの場合には、クラウド使用料が毎月発生する可能性があります。月額500~1,000円ぐらいが相場のようです。また、クラウド環境を提供している会社の管理体制によってはセキュリティの懸念があります。一部の会社はデータの保存先も日本国内にあることをアピールするなど、情報保護を重視する姿勢を示しています。

画像の解像度

多くの製品がフルHDか2Kの解像度を採用しています。ただし、2Kの定義はやや曖昧です。テレビ等で2KというとQHDを指すことが多いようですが、横のピクセル数が約2,000あれば、2Kと名乗れてしまうためです。

例えば、COOAU ZS-GQ1は、日本語サイトでは「2K 300万高画質」、英語サイトでは「2K FHD」と書かれています。英語サイトの表記を信じればフルHD、日本語サイトの「300万高画質」が300万画素を意味していると考えると、2,080x1,440などの規格と考えられます。

名称 解像度 (横 x 縦) 総画素数 備考
フルHD 1920 x 1080 約207万画素 一般的なHDTV規格
2K 2560 x 1440 約368万画素 QHD (Quad HD) とも呼ばれる
4K 3840 x 2160 約829万画素 UHD (Ultra HD) とも呼ばれる

また、夜間については赤外線カメラで白黒の画像を記録するものと、「明るい」レンズやCCDを採用したり、スポットライト等を使ってカラー画像を撮影できるようにした製品があります。

通話機能

バイス内蔵のマイク・スピーカーを通して、カメラの前の人物への応答が可能な双方向音声機能がついている製品もあります。この場合、セキュリティカメラをインターフォン代わりに利用したり、侵入者に警告をしたり、といった使い方ができます。

サイレン

遠隔操作可能なセキュリティサイレンが付いている場合、侵入者を検知した際にサイレンを鳴らすことができます。製品によっては自動で鳴らす設定ができるものもあるかもしれません。

スポットライト

スポットライトがついている製品には、人感センサー付きライトと同様に、動きを感知したときにライトを点灯させたり、あるいは暗がりで動画を撮影する際に明るさを補ったりできるものがあります。

携帯電話やスマートホームバイスとの連動

携帯電話のアプリや、Alexa、Google Homeとの連動ができるものが一般的です。ただし、ファームウェアやアプリを継続的に開発してくれないと、スマホOSのアップグレードなどのタイミングで使えなくなってしまう可能性があるので、継続的にセキュリティカメラに取り組んでくれそうな会社でないと不安が残ります。

動体検知能力・動体検知から立ち上がるまでのラグ

バッテリー式のカメラの場合、常時録画しているとすぐにバッテリーがなくなるため、動体検知した時のみ録画する機能が必須です。一方で、風で木が揺れたり、道路を通る車の照明でガラスに影が映ったりといったことで反応してしまうと、不要な画像を多く撮ってしまう結果になります。

「人物を自動検出する」などのアルゴリズムを搭載しているカメラもあるようですが、アルゴリズムの精度はカタログからはわかりません。この点も、ソフトウェア開発力がありそうなメーカーを選びたくなる理由の一つです。新しい製品の中には、人間かどうかを検知するばかりか、家族のメンバーか他人かを見分けることを目的としたアルゴリズムが組み込まれたものもあります。どの程度正確に判定できるかは使ってみないとわかりませんが、期待の持てる分野だと思います。

大きさ・デザイン

家の外壁に設置する場合、色・形を含めデザイン面での収まりが気になります。色が浮いていたり、大き過ぎるのはデザイン面からは望ましくありません。一方で、侵入者に対する牽制といった役割を考えると、全く目立たないのも問題です。

まとめ

今回はセキュリティカメラの導入にあたっての私たちの検討ポイントをまとめてみました。次回は、具体的に検討している製品についてご紹介したいと思います。