積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

基礎工事を経て気付いたこと、教わったこと

はじめに

これまで基礎について、ラクダなりの考察や調べたことから、実際の工事の状況まで、さまざまな内容を紹介しました。 最後に基礎工事中に気づいたこと、教わったこと等、ちょっとした内容に触れて、基礎のシリーズを終えたいと思います。

基礎工事の流れについては、こちらの記事を参照してください。

building-dream-home.hatenablog.com

防蟻処理

防蟻用の薬剤は、防湿コンクリートを流す前に地面に直接撒いています。この薬剤の有効期間は約10年です。10年後のメンテナンスで防蟻処理をする際は、基礎の上に直接撒くとのことでした。

積水ハウスの柱は、ホワイトウッドの一種であるスプルースを使った集成材です。ホワイトウッドは比較的柔らかくシロアリが食べやすい木のようで、シロアリ対策をして寄せ付けないようにすることが大事と言われています。

現場監督のお話では、10年後のメンテナンスで防蟻処理をする施主は木造で50%以下、鉄骨で10%以下という印象だそうです。鉄骨で施工率が低いのは分かるのですが、木造でも思っていたよりずっと施工率が低くて驚きました。積水ハウスはお高いので、長持ちさせるためにも防蟻処理をする施主さんが大半かと思っていました。

もしかすると積水ハウスを通さないで地元の専門業者に直接防蟻処理をお願いする方も一定数いるのかもしれません。

排水用の穴

よく見ると、防湿コンクリートのところどころに穴が開けてあります。これは、工事中、屋根をかける前の段階で溜まった雨水を地中に浸透させるためで、後に屋根がかかった段階で埋めます。基礎ができてから屋根がかかるまでに大雨が降りましたが、この穴のおかげでしっかりと排水されていました。

排水用の穴

ただこの土間コンの下には防湿シートがある?ため、下に落とした水は簡単には地面にしみこまない気がします。それとも防湿コンクリートを打っているので、防湿シートは無いのかな?余り考えないことにします。

エアコン隠蔽配管用の穴

基礎の立ち上がりの部分に何カ所か穴が開けられています。隠蔽配管用の穴のようです。この立ち上がりの部分は建物の梁と同様に、基礎の強度を維持するうえで非常に重要な役割を果たすため、勝手に穴を開けることができません。穴を開けることを前提に設計してもらっているので安心感があります。

配管用の穴

土間部分の断熱処理

土間の部分は断熱材をコンクリートの下に入れます。それ以外の部分は床下に断熱を入れるので、構造が異なります。型枠の内側に模様が施されているため、コンクリートを流しこむことによりデザイン基礎が完成します。デザイン基礎の上にシートを貼り、さらにその上から吹付をします。シートを貼るのはクラック(ヒビ)対策で、どうしても発生するクラックを見えないようにするためです。

先ほどと同じ写真ですが、玄関ポーチから一段高くなったところに土間と土間収納があり、その先で靴を脱いで上がるエリアからは一段低くなっているのが分かります。

土間に注目

この部分は、後でタイルが直接貼られるところです。そのため防湿コンクリートの下に断熱材を入れています。言われてみれば、そこしか断熱材が入らないのですが、ちゃんと考えられていますね。

床下換気口が無い

少し前までは、住宅の基礎にはところどころ換気口があり、小動物が入らないようにスリットの入った金属製の蓋がついてました。換気口で換気を図る場合、「5m以下ごとに300㎠以上の面積の開口を設け、ネズミの侵入を防ぐ対策を講じること」というルールがあるようです。

しかし最近は、基礎のコンクリート部分と木部である土台の間に設置される硬い樹脂製の部材(基礎パッキン)を使って、床下全体が全周で換気できるようにする方法が一般的になりつつあるようです。

積水ハウスはダイレクトジョイント方式を採用しているため土台はありませんが、スリットを設けることで基礎パッキンを使うのと同様、全周で換気を取っているとのことでした。

基礎の強度を高める仕組み

基礎が完成してみると分かりますが、我が家は大空間を追求した結果、家の外周回りを除くと柱が非常に少ない設計になっています。一方、家の内部で柱が立っていないところも、立ち上がりの高さは低いものの線上に基礎が入っており、基礎全体がいくつもの長方形を組み合わせた形になっています。

基礎は柱を支えるだけでなく、それぞれの線が梁の役割を果たしながら基礎全体の強度を保っています。そして梁は四方が囲われた四角形になっていると強度が上がります。このため、柱がないところにも基礎を設ける必要があります。

立ち上がりの高さは強度に関係しますが、図面を確認したところ、こうした追加の線で立ち上がりが低いものは、内部の鉄筋をD19からD22に強化したり、幅を広げたりといった強度を保つ工夫がなされています。この辺りは構造計算をしてさまざまな調節がされているのだと思います。

近所にあった別の工事現場

建築中の住宅地には、他の建築現場もちらほら見かけます。ハウスメーカーで言うと、ヘーベルハウス住友林業、アイ工務店がちょうど基礎を作っているところです。アイ工務店の現場はよく見えませんでしたが、ヘーベルハウス住友林業共に立派な基礎でした。ヘーベルハウスは鉄骨ですし、住友林業もビッグコラムを基礎に直結させる方式なので、どちらも土台がありません。それぞれのホームページによれば、どちらも構造計算をしているとのことです。

住友林業は木造、ヘーベルハウスは型式適合認定を受けているので、どちらも法律上構造計算は必須ではないはずですが、4号特例の廃止を睨んで施主側の意識が高まってきたこともあってか、構造計算を実施しているのだと思います。施主からすると、とても良い流れですね。

まとめ

普段あまり注目されない基礎について調べ始めたら随分と奥が深く、ブログの記事も増えてしまいました。興味がある方は、他の記事もご覧いただければ幸いです。「そんな細かいこと興味ないよ」という方には、「大手ハウスメーカーはかなりちゃんとやっているから、それなりに安心して任せて大丈夫」という印象をお伝えしたいと思います。