積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

断熱検査、足場解体前検査も無事終了

はじめに

上棟後、外装工事と並行して木工事が始まります。木工事は、建方工事によって柱と合板で作られた「箱」の境界から内側に向かって進んでいきます。そのため、最初に行うのは、壁に通気層を作り、断熱材を設置することです。この断熱材の設置が完了したタイミングで、断熱検査と足場解体前検査を実施しました。

私たちの場合、これらの検査は同じ日に行われましたが、インスペクターは別々の検査として扱っており、料金も2回分かかります。二人のインスペクターがそれぞれ、断熱検査と足場解体前検査に分かれて実施してくれました。

足場解体前検査についてはあまり書くこともないので、今回は、足場解体前検査と、以前に行った防水検査の二つの検査についてまとめておきます。

検査の概要

断熱検査

家の断熱性能はUA値で示すことができますが、UA値は壁・窓・床・天井に使用する材質や厚さなどを基に計算された理論値です。そのため、施工状況によっては実際の断熱性が大幅に劣る可能性があります。断熱検査の目的は、適切に施工されており、理論値に近い断熱性能が期待できるかを確認することです。

断熱材に隙間や欠損があると、そこから熱が逃げてしまい、断熱効果が大幅に低下します。このため、断熱材が隙間なく、かつ適切な厚さで施工されているかを丁寧に確認する必要があります。

具体的な確認ポイントとしては、以下の項目が挙げられます:

  1. 壁体内の断熱材の充填状況
  2. 天井裏や屋根裏の断熱材の敷設状況
  3. 床下の断熱材の施工状況
  4. 開口部周りの断熱材の施工状況
  5. 配管や電気配線などの貫通部周りの断熱処理

これらの箇所で、断熱材が隙間なく施工されているか、欠損や圧縮などの不具合がないかを確認します。特に、壁の隅や角、天井と壁の取り合い部分、床と壁の取り合い部分は、断熱材が不連続になりやすい箇所なので、注意深く確認する必要があります。

断熱材の施工状況は目視だけでは判断しにくい場合もあるため、サーモカメラを使用します。サーモカメラは物体の表面温度を可視化する装置で、断熱性能が低下している箇所を簡単に特定することができます。

サーモカメラを用いた断熱検査の手順は以下の通りです:

  1. 室内外の温度差を確保する(通常、5℃以上の温度差が必要)
  2. 建物の外周や室内の壁、天井、床などをサーモカメラで撮影
  3. 温度むらや異常な温度分布がある箇所を特定
  4. 特定された箇所の詳細な調査と原因分析

サーモカメラを使用することで、断熱材の隙間や欠損箇所が周囲よりも温度が高く(夏季)表示されるため、目視では確認が困難な壁体内部の断熱不良箇所も容易に発見することができます。

防水検査(足場解体前検査)

私たちの家にはバルコニーが無いため、主なチェック箇所は屋根・サッシ回り・外壁貫通箇所です。屋根や外壁を調べる必要があるため、この検査は足場を解体する前に行う必要があります。

取り合い部分の処理

  • 屋根防水: 屋根材と壁面との取り合い部分の処理、ドレン周りの防水処理
  • サッシ周り: サッシと外壁との取り合い部分のシーリング処理、サッシ枠と防水層の接合部分の処理
  • 外壁貫通箇所: 貫通部と外壁との隙間のシーリング処理

防水透湿シートの施工

  • 屋根防水: ルーフィングの重ね幅や接着状態の確認
  • サッシ周り: サッシ周りの透湿防水シートの施工状態の確認
  • 外壁貫通箇所: 貫通部周りの透湿防水シートの施工状態の確認

水切りの設置状況

  • 屋根防水: 屋根の勾配と雨水の排水経路の確認
  • サッシ周り: サッシ上部の水切りの設置状況の確認
  • 外壁貫通箇所: 貫通部の上部に水切りが適切に設置されているかの確認

シーリング材の状態

  • 屋根防水: 防水層の破損や膨れ、シーリング材の劣化の有無の確認
  • サッシ周り: シーリング材の劣化、亀裂、剥離の有無の確認
  • 外壁貫通箇所: シーリング材の劣化、亀裂、剥離の有無の確認

検査結果

防水検査 (前回)

防水に関しては問題ありませんでした。ただし、一部のサッシは運搬中に部品が破損していたため、検査時点では設置されていませんでした。これらのサ ッシは、施工後に積水ハウスからインスペクターへ写真を送り、写真ベースで確認することになりました。

足場解体前検査

いくつか細かい傷などタッチアップが望ましい点が指摘されましたが、おおむね適切に施工されているとの結果でした。

断熱検査

インスペクターの一人が時間をかけて、壁と2階天井の断熱材の状態を隅々まで確認していきました。

一階から確認を始めましたが、ほとんど欠損が見つかりません。インスペクターによれば、断熱材がこれほど丁寧に施工されているのは珍しいとのことです。

結局、一階で見つかったのは一箇所だけでした。断熱材はしっかりと入っていたのですが、配管が圧迫して断熱材が潰れ、その結果、断熱性能が落ちているようでした。

続いて2階の確認に移りました。同様に確認していきましたが、やはり壁・天井ともに全く欠損は見つかりませんでした。特に天井の梁の周りは隙間ができやすい箇所ですが、ここも問題ありませんでした。インスペクターは「腕の良い職人さんが担当されたんですね」と何度も言っていました。

ところが、最後に天井で5箇所ほど断熱材に隙間が見つかりました。これまでの丁寧な施工とは対照的に、次々と見つかる隙間に、インスペクターも「ここは別の職人さんが担当されたのでしょうか」と驚いていました。

5箇所を確認していくと、電気配線がある部分でした。インスペクターは、

「もしかすると、最初はきちんと施工されていたけれど、電気工事の際に配線を通すために断熱材を触り、その後、元通りに戻さなかったのかもしれませんね。断熱材を施工する人は重要性を理解していますが、電気工事を行う人が同じ認識を持っているとは限らないので、こういったことはよくあります」

と言っていました。実際のところはわかりませんが、納得のいく説明でした。

それぞれの箇所に目印となるテープを貼り、断熱検査は終了しました。下の写真で天井から垂れ下がっている緑のテープが目印です。

途中で、

積水ハウスの現場監督:「それが有名なサーモガンですね。結構高いんですか?」 インスペクター:「これはいいものなので、30万円ほどしますよ」

という会話が印象的でした。サーモガンを使えばすぐにわかるため、ハウスメーカーの自主検査でも使用した方が良いのではないかと考えながら聞いていました。

まとめ

断熱検査ではいくつかの指摘箇所がありましたが、インスペクターによると「基礎工事・建方工事に続き、木工事前半も施工品質は非常に高い。さすが大手HMだと感じます」とのことでした。

これで検査は、当初予定していた全6回(基礎配筋・基礎完成・上棟・防水・断熱・足場解体前)が終了しました。振り返ってみると、含水率の問題を除けば大きな指摘はなく、積水ハウスがしっかりとした施工体制を取っていることが裏付けられたように感じられます。

残るのは気密測定だけ。ところが、安心した頃にトラブルはやってくるものです。トラブルについては、改めてご紹介したいと思います。