積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

気密測定開始までがひと悶着、からの計測不能

はじめに

中間気密測定は、必要に応じて気密不足を是正できるタイミングでやることに意味があります。

是正は、シート・フィルムや気密テープをしっかり貼ったり、隙間にウレタンを吹き付けたり、といった内容が中心になりますが、石膏ボードを貼る前でないと問題の個所を発見したり、アクセスしたりすることが難しくなります。

このため、中間気密測定は石膏ボードを設置する前に行うことが原則です。私たちも、インスペクターと現場監督で、このタイミングで中間気密測定を行う手筈を整えてもらっていましたが、実際に計測して数値を出すに至るまでが一苦労でした。

施工内容の認識が異なる?

はじまりは、ラクダから現場監督にむけて、「気密性については設計時点から配慮してもらっている。結果に期待しているが、施工面でも一層の配慮をお願いしたい。」と連絡したことでした。

これに対して現場監督からの返事が、

[!現場監督] 現仕様では外周石膏ボードを貼り終える事で気密ラインが形成される仕様になる為、ここでの数値は期待できません。(可能性として数値が出ない場合もあります。)

提案ですが、外周側の石膏ボードを貼った後(気密ラインを施工した後)はいかがでしょうか。 この場合は、石膏ボードの中に追加でフィルムを施工する等の処置は困難になりますが気密検査をやる意義は出てきます。

というもの。

私たちは、気密施工オプションを追加しているため、気密フィルムが施工されることは確認していました。この返事だけからすると、現場監督が、

(1)フィルムを施工しない仕様と勘違いしている。 (2)気密ラインがフィルムではなく石膏ボードと解釈しており、石膏ボードの有無で数値が大きく違う

のどちらを意図していた可能性があるのですが、この時点ではラクダは、現場監督は誤認して(1)だと思っている、と思い込んでいました。

石膏ボードの施工法や、他のHMの現場だけでなく、積水ハウスの他の現場でもフィルム施工後、石膏ボード施工前に中間測定を行っており、そこで計測した数値と、完成時気密測定の数字がさほどかわらない方も多いことを考えると、(2)は説得力が無いと思ったのです。

ブログやX(Twitter)を見ていると、積水ハウスでも気密性に関心が高く、気密施工オプションを追加したり気密測定をしたりする施主さんをちらほらと見かけますが、実際の採用率は非常に低いようです。

ひとまず気密測定の予定を延期し、設計士のOさんに確認をお願いしたところ、

[!設計士のOさん]

気密施工オプションとしては壁、天井に防湿シートを施工し床、壁、天井それぞれの隙間に テープや充填材を施工し隙間を減らしていく仕様を予定しております。

これに外周石膏ボードを貼り終えることで完成形に近い気密ラインが形成され全ての工程完了をもって完成となります。 (中略) 検査結果を踏まえてからの気密是正効果が高いタイミングを狙うのであれば石膏ボード施工前がよろしいかと思います。

ということで、シート(フィルム)があること、その段階で計測が可能であることは、確認できました。

Oさん、とてもバランス感覚があり政治的センス?もある方なので、現場監督の言い分とも食い違わない絶妙の言い回しです。従って、積水ハウスとして実際に石膏ボードが気密性を保つ要素として計算に入っているのかどうかは、わかりません。

いずれにしても、当初ラクダが想定していた通り、そして他の多くの施主の方が行われた通りのタイミングで気密測定をすることになり、一歩前進です。

初回は数字が計測できず

測定開始前

当初の予定より1週間遅れで気密測定が行われることになりました。一見すると、壁・天井にシートがぐるりと施工されており、ひとまず施工内容に関しての懸念は解消された感じ。

私たちの家はFIX窓が多く、一階で開くのは掃き出し窓2か所と玄関だけで、腰窓がありません。このため、玄関に気密測定の機器を設置することになりました。

職人さんたちは、結構しっかりとやったという手応えがある様子。現場監督も少し自信がありそうです。それでも少し緊張感が漂う中、床や壁で気になる個所に気密テープを追加で貼ったりしてくれていますが、ここらへんは気休めのようなものです。

ただでさえ私たちの地域では、積水ハウスでの気密施工の実施例が少ない中、会話の内容から察するに、現場監督も職人さんも気密測定は初めてなのではないかと思います。

さて、いよいよ計測に入ると、なんと計測不能と出ました。これは隙間が非常に多く、家の中に十分に負圧がかからないことを意味します。C値でいうと5より大きくてもおかしくない水準です。C値で5というと、私たちの家の場合約30㎝×30㎝の隙間があることになります。

原因1:床に大きな隙間が空いていた

負圧をかけ続ける中、職人さん・現場監督・インスペクターの皆さんが、気密が怪しげなところに手を当てながら、風を感じるところに気密テープを貼ってみますが、一向に数値が計測されるようになりません。

しばらくして、インスペクターの方が、「ここだ!これが大物で、これに較べたら他のところは小物です。」と、大きな原因の一つを発見します。

空気の流れを発見した場所は一階の天井だったのですが、外気が入る基礎に直接つながる約50平方センチメートル(1m×0.5m)の床開口部に繋がっていました。

ラクダはこのとき初めて床開口部の存在に気付いたのですが、現場の方々は知っていて問題があるとは思っていなかった様子・・・。この開口部は、気密だけでなく断熱性にも重大な影響を与えるだけに大問題です。この開口部問題については、機会があれば改めて纏めたいと思います。

この床開口部にしかるべき対応が気密測定どころではありません。初回の気密測定は終わりと思ったのっですが、現場監督はどうしても数値を出して気密測定を完了した形にしたかったようです。問題の開口部を暫定的にシートで塞いで気密測定を続けることで、この問題が解消された場合の性能を測定し、それで中間測定を終わりにしたいという提案がありました。

数値が計測できることが目標ではなく、結果を見ながら改善の余地を探ることが目的なので、場当たり的な対応にはひっかかりを覚えつつも、必要に応じて改めて中間測定を行うことを前提に、暫定措置に合意しました。

原因2:天井の気密シートの固定が弱い

職人さんが問題の個所に応急処置をしてから、再度計測をはじめます。今回は前回よりも負圧がかかりやすくなっているようですが・・・・・、やはりエラーになり数値が出ません。

どこが問題か見回り始めたインスペクターが二階にあがると、負圧に引っ張られて天井のシートの固定がはずれ、弛んでいるところが出ているとのこと。負圧をかけ続けると、更に複数の個所で弛みが出始めます。

天井シートを固定しなおして何回か試しましたが、やはり計測することはできませんでいた。このまま進めても、天井のシート施工が痛んでいくだけなので、計測を打ち切るようお願いをしました。

天井のシートが落ちてくる問題は、私たちの家だけではないようです。他の施主(積水ハウス・シャーウッド)で同じことが起こったケースでは、天井シートは両面テープで固定されていたようで、より接着力の高い両面テープを用いて固定することで問題が解消されたとのことです。

積水ハウスとしては気密測定を想定しておらず、シートの下に天井の石膏ボードを施工すればシートをしっかりと保持できることから問題ない、と考えているのかもしれません。

とはいえ、他のHM・工務店の例では石膏ボードを施工しないと気密測定ができないといった話もあまり耳にしません。積極的に調べていないから、かもしれませんが・・・。

次回に向けて

問題の床開口部を適切に処理をし、天井だけは石膏ボードを貼った上で、再度気密測定を行うことで合意して今回の気密測定は終わりになりました。

現場監督からは、「測定ができなかったのは当方の落ち度なので、今回の測定費用は積水ハウスで持たせてください。」との申し出がありましたが、それよりも実際の気密性能を確保する努力をしてほしいという思いを伝えた上で、申し出はお断りしました。

初回の気密測定が流れ、仕切り直しでも計測ができず、改めての測定ですが、次回の測定に私たちのスケジュールの都合で、残念ながら立ち合いができません。

気密測定に至るまでの経緯、初回気密測定の失敗とその要因を見るにつけ、積水ハウスに気密性能を期待するのは間違いなのでは、という印象が強まります。立ち会わずに計測を行った場合、どんな数値であれ、数字さえ出ればそれで終わりにされてしまうのだろうなという危惧も。

これまでの家づくりの過程で、積水ハウスは技術力もあり、信頼できるとても良いハウスメーカーだと感じています。意図や会社の考えと、実際の行動が一致しており、施主サポートも含め、積水ハウスが大事だと思うことは、本当にしっかりとやってくれます。

逆に言えば、気密についていえば、「気密性能って、本当に重要ですか?」というのが積水ハウスの本音なのだと思います。積水ハウスの気密性能に対する姿勢は興味深いところがあり、別途まとめて考察をしたいと思います。

まとめ

今回の中間気密測定では、床の開口部や天井の気密シートの固定不良が原因で、測定結果が得られませんでした。施工業者や現場監督も気密測定に不慣れな状況があり、問題の発見と対応に手間取りました。

次回は、床開口部の処理や天井の石膏ボード施工後に再度気密測定を行い、その結果をお伝えします。気密性に関する積水ハウスの姿勢や具体的な数値も踏まえ、今後の改善点についてさらに考察していきます。