積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

悲報:中間気密測定の結果は…

はじめに

前回は、気密測定で数字を計測できるようにするだけでも、一苦労だった経緯をご紹介しました。今回は私たちが立ち会えなかった中間気密測定の結果の報告です。

期待していた数値の水準

ハウスメーカー積水ハウスに決めた時点で、積水ハウスは気密性に強いハウスメーカーではない、という認識はしていました。

それでも

  • 鉄骨ではなく木造
  • 引き違い窓の数を減らす
  • 営業担当、設計士に気密性を重視していることを伝え、設計面でも考慮してもらう
  • 気密施工オプションを追加
  • 気密測定を行うことを前提に施工してもらうよう依頼する

など、できることは全てしてきたつもりです。

中間気密測定が近づくなか、改めてSNS等で調べると、シャーウッド+気密施工オプションであればC値が0.6前後出ている例も複数件あるばかりか、なかにはC値が0.2という例も。一方でC値が1.4という例もありました。

こうした例を踏まえ、

ラクダ: あわよくば、C値0.5~0.6を期待。しかしながら、これまでの経緯を見ると私たちの現場では気密性への理解度や施工水準は期待できなさそう。なんとか、0.8ぐらいにならないかな。悪くても、せめて1.0を切ってくれれば・・・

と思っていました。

結果は?

測定日当日、どきどきしながら結果報告を待ちます。結果は、

インスペクター: 本日気密測定を実施しました。

C値は1.3でした。

現場では建設会社と共に可能な限り対応させていただいた状況です。

とC値1.3 (1.27)、n値1.58という結果でした。期待していたより相当に残念な数字です。その後、現場監督さんからも、連絡がありました。

現場監督さん: あらゆる箇所について隙間を確認しましたが大きな隙間等は無く、ビスの穴等隙間の積み重ねの可能性があります。

今後の工事の中でその部分についてはパテ処理にて埋まって来ます。

とのことですが、n値をみても、満遍なく細かい隙間があるのではなく、どこかに大きめの隙間があることが予想されます。「今後埋まっていく」という説明と合わせて、実体験に基づかない希望的観測でしかないことが伺われます。

なお、同じレポートによるACH(気圧差50Pa時の漏気回数)は、2.1回/hと、かなり高い数字(悪い数字)がでました。ただし、前提条件を考えると、この2.1回を、機械換気の目標数値である0.5と直接比較することは不適切に思えます。気密性能の解釈については、改めて考察したいと思います。

気密保証をしている工務店や、一部HMの例は別にして、大手HM(木造)の測定例をみても、1.3というのはとても残念な数字です。レベル感で言うと、鉄骨でがんばって気密施工をした家とほぼ同等といってよいでしょう。

積水ハウスの他の施主は、ずっと良い数値がでているところも多く、少なくともばらつきの大きさは積水ハウスの気密施工の弱さを表していると思います。この点については別途考察したいと思います。

家の形状の影響

間仕切り立ち合いの際に不満を率直に伝えたところ、立ち合いにいらしていた建築課(=施工部門)の一級建築士(設計担当とは別の人)から興味深いコメントがありました。

積水ハウス一級建築士: この家は、形も不利なんです。この家を建てるのと同じ材料を使ったら、倍ぐらい大きな家だって建てられます。気密性は家の外周の長さに比例しますから。

私たちの家は細長い上に特徴的な凹凸がある形状なので、同じ外周の長さでも、正方形に近い形にすれば床面積はずっと大きくなります。

C値を算出する際には、壁の隙間を床面積で割るので、隙間面積が壁の表面積(~壁の長さ×天井の高さ)に比例すると仮定すれば、正方形の総二階に近い形の家が最も有利、という指摘です。

配管周りの隙間など例外もありますが、壁の長さが重要なパラメーターという言い分は確かにもっともです。そこで、壁の長さの合計が同じままで、縦・横比が約3:2の長方形の家だったら、床面積がどうなるかを計算すると、なんと1.5倍以上です。

家の隙間が壁の長さに比例すると仮定すると、形状が変わっても隙間面積は変わらないのに、分母にあたる床面積が増えるため、C値は

$$\frac{\text{計測したC値}}{\text{床面積の比}} = \frac{1.27}{1.5}=0.84$$

と、0.8~0.9前後に収まる結果になりました。

言ってみれば数字遊びみたいなもので、私たちの家の性能が変わるわけではありませんが、「他の施工例とC値だけを比較することで、施工品質を評価するのは適切ではない」のは確かです。

エコであることを考えると家はできるだけ小さくして表面積・容積を押さえる方が良いのですが、それだけで家の形状や大きさはj決められません。住みたい家のイメージやデザインもとても大事なので。

「気密性能を上げるために家の形をシンプルな長方形にするという選択肢があったとしてもそれを選ぶか?」と自問すれば、答えは否。

この換算値が0.5とか、0.6になってくれれば尚良かったのですが、1.3と0.8ではだいぶ見え方が違い、少し心が休まりました。

まとめ

中間気密測定の結果は、期待を裏切る残念な数字になりました。現場監督は、「今後数字が良くなるかも」との希望的観測を言いますが、今後の焦点は、完成時気密測定で数字が悪化しないことに移ります。

ただし、数字が悪いのは、私たちがとても気に入っている家のデザインそのものの影響も大きいということがわかりました。

積水ハウスの気密施工に対する姿勢については、改めて掘り下げて考えてみたいと思います。また、負け惜しみ視点で、「気密性が無いとどういうデメリットがあるのか、実は気密性はそこそこでも良いのではないか?」という点をもう一度考えてみたいと思います。