はじめに
家がちゃんと完成して引き渡されるまでは気を抜けませんが、無事着工に至った現時点ではとても満足しています。
しかし、請負契約時点で不安がなかったわけではありません。また、請負契約から着工合意までの数か月の間には気持ちが萎えるような局面もありました。
最初に感じた戸惑いや不安については、振り返ってみれば杞憂だったこともあれば、対応次第では問題になり得たと感じられることもあります。
今回は、当時不安に思っていたことをまとめてみました。
不安材料
契約したら立場が逆転する?
契約までは、施主側に他のハウスメーカーを選ぶという最強のカードがあります。一方で、営業担当は契約が取れなければ単に売り上げがたたないだけではありません。それまでに使ったリソースや時間がすべて無駄になってしまいます。従って、できる限りのことをして契約にこぎつけようとするでしょう。
一社検討の場合でも、家づくりを一旦やめる、あるいは他のハウスメーカーで最初から検討を始めるという選択肢が残っている間は、営業担当も気が抜けないでしょう。
しかしながら、ひとたび施主が他のハウスメーカーを選択しにくい状況になれば、力関係が大きく変わってきます。多くの場合、契約して手付金を支払った段階でこのタイミングが訪れると思います。言ってみれば、ハウスメーカーにとって手付金が担保になるわけです。
これ以降、営業担当はより強気に打合せに臨むことができるようになります。「契約後の値引きは期待できない」ということは広く知られているので、価格について揉めることは少ないかもしれません。しかし、契約前にはやってくれた様々な作業に乗り気でなくなるとか、揉めた時の対応が違ってくることはよくあるようです。
例えば、契約前にはパース図や差額見積もりを要求する度に迅速に対応してくれていたのに、契約後は対応が遅くなる、といったことです。 これに関しては、営業担当次第で、ほとんどガチャの世界だと思います。
契約時の見積もりから大幅に増額されるのではないか?
施主にとって最も怖い事態の一つが、見込んでいた予算を大幅に超過してしまうことです。特に借りられる住宅ローン金額ぎりぎりのプランで契約をした場合には、契約後の増額は致命傷になりかねません。
増額にはいくつかの要因が考えられます。
ハウスメーカーや外部環境に依存する要因
- 営業担当が見積金額を抑えて契約しやすくするためなどの理由で、仕様の水準を落としていた
- 収納・設備で必要と伝えたものが含まれていなかった
- 契約後に地盤調査・構造計算など詳細検討をするなかで、技術的要因のために増額になった
- 概算見積もりで枠取りしていた項目に関して、資材価格等が上昇した
施主に起因する要因
- 当初プランから坪数や家の形が変わるなど、大幅な変更が発生した
- 営業担当は相応水準の仕様を考慮していたが、検討を進めるなかで施主希望でさらにアップグレードした
- 設計士・インテリアコーディネーター(IC)の提案を採用することで、変更・アップグレードした
増額幅を抑えるためには、必要な仕様について見積もり段階でプランに反映してもらい、それ以外についても求める性能や設備、質の水準感について営業担当と施主の目線を揃えることが大切です。
ただし、増額が全くないのが本当に良いかどうかはやや疑問です。契約段階では知らない情報も多く、ICさんも参加していないことがほとんどです。契約後の打合せの中で新たな情報を得たり、提案を聞いたりするなかで、追加でやりたいことやアップグレードしたいものが出てくるのは普通のことだと思います。
潜在的なニーズを見越して見積もりを膨らませておけば良いと思う向きもあるでしょう。しかし詳細見積もりにあたって、概算とされている部分以外には枠取りという概念はないので、意図的に実際に欲しいものよりも高い仕様を入れておく、といった細工をしない限り、こうした将来のアップグレード分を契約時の見積もりに含めておくのは難しいでしょう。
インテリアコーディネーターや設計士との相性は?
請負契約を結ぶまでは、ハウスメーカー側では営業担当が中心になって進めていく場合がほとんどだと思います。しかし請負契約を結んだあとは、まずは設計士、そしてICさんとの作業が増えていき、一方で営業担当の役割が小さくなります。
営業担当との相性が良いからという理由でハウスメーカーを選んでも、設計士やICさんとの相性が悪ければ、家づくりが楽しくなくなってしまうでしょう。
私たちの場合では、積水ハウスとの契約段階では設計士との打合せは数回、IC さんとは顔合わせ無しの状態でした。設計士についてはほぼ大丈夫そうでしたが、ICさんについては未知数という状態で契約を結びました。
仕様を早く固めるように急かされるのではないか?
こちらはハウスメーカーによるのではないかと思います。私たちが検討した3社(2023年夏)では、
- 住友林業:手持ち工事が結構あるので、着工できるのは随分と先になってしまいます。それでも良いでしょうか?(そのかわり、打合せをゆっくりとしてもらって構いません)
- 三井ホーム:家づくりはいろいろと検討することがありますよね。契約をしていただいたら、チームでじっくりと時間をかけて進めたいと思います。家づくりには結構時間がかかることを覚悟しておいてください。
- 積水ハウス:作業部隊の手当ての都合もあるので、ひとまず着工予定日を決めてそれに向けて打合せをしていきましょう。間取りの打合せ**回、次にインテリアが**回・・・で4か月ぐらいで全部決めてしまいたいと思います。これでも、らくださん&うさぎさんには他のお客様よりもたっぷり時間を取っているので、大丈夫です。
という説明でした。
このHMを選んだのは正解だった?
最後の最後まで三井ホームと積水ハウスの間で決められなかった私たち。それどころか、決断の2週間ほど前までは、三井ホームに大きく心が傾いていました。
積水ハウスのプランが素晴らしかったのは間違いないのですが、三井ホームとの打合せの中で外構の扱いや進め方の点で少しずつ違和感が大きくなっていったことが最終判断に大きな影響を与えた点は否めません。
決断に消去法的な要素があっただけに、これで本当によかったのかな、という一抹の思いがあったのも事実です。
まとめ
住友林業と具体的な打合せを初めてから、積水ハウスで契約するまで約6か月。3社合計では50回を優に超える打合せ、実例見学会、モデルルーム見学などを行いました。
それだけに、契約時には「やっと納得できるプランをもとに契約をすることができた」という達成感が大きかったです。一方、家づくりを検討し始めた頃に想定していたより2割以上高くなった見積もりに圧倒されるとともに、満足のいく形で着工までたどり着けるのかと不安も感じました。
着工時から振り返って、上記の懸念が実際に的中していたのかどうかは、以下の記事をご覧ください。
building-dream-home.hatenablog.com