積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

住友林業:選択しなかった理由

はじめに

具体的な検討に入る前のイメージが非常に良く、素敵なプランが提示されればそのまま契約しても良いと思っていた住友林業でしたが、残念ながら縁がありませんでした。

building-dream-home.hatenablog.com

building-dream-home.hatenablog.com

building-dream-home.hatenablog.com

building-dream-home.hatenablog.com

振り返って要因を整理すると、

  • タイミングや運に起因するもの
  • 私たちが希望する家と住友林業が得意とする家づくりの相性に起因するもの

の二つに分類できます。それぞれについて簡単にまとめた上で、「住友林業がどのような人に向いているか」について、ラクダの考えを書きたいと思います。

タイミングや運に起因するもの

営業担当はよく頑張ってくれたと思います。ただ、若手から中堅に差し掛かる途中の営業担当が、会社内で十分な調整力や影響力を持てていないように感じられました。

さらに、支店全体として、「簡単に契約が取れて面倒なことを言わない客なら契約したいものの、そうでなければほどほどに対応して、契約が取れなくても良い」という位置付けだったのではないかと感じました。

初回だけ担当してくれた設計課長は優秀な方だと思います。作成してくれたプランも、それだけを見るとインパクトのある立派なものでした。

一方で、私たちの要望資料にしっかりと目を通した形跡がなく、建設予定地周辺の状況(臨家の窓の位置や抜け感のある方向など)も考慮されていないように感じました。打ち合わせ中の応対も、施主に寄り添ってどうすれば良い家が作れるかを考える姿勢とは程遠く、「あなたたち、(予算的に)本当にこの家を建てられるの?」という雰囲気でした。

初回提案時にいきなり支店長が契約をプッシュしたかと思えば、初回プランで上手くいかないと説明もなく若手設計士に交代。また、「申し込み制度」を利用しているにも関わらず、地盤調査は最後まで実施されませんでした。

営業担当が言うように、多くの受注残があり、着工まで時間がかかる状態だとすれば、顧客の数より顧客一人当たりの収益性を追求するのは、支店経営として当然だと思います。ウッドショックやインフレ、人手不足など、さまざまなコスト高要因があり環境的にも厳しい中、私たちはあまりおいしい顧客に見えなかったのでしょう。

私たちが本当に高額な家を建てられるのか?、彼らが確信を持てなかったことも、対応に大きく影響したのだと思います。

その時はハウスメーカーもビジネスなので「そんなものかな」と思いましたが、三井ホーム積水ハウスの熱意と比較すると、あまりにも落差がありました。

もし、熱心な設計士が担当してくれたり、設計士が真摯に向き合ってくれたりしていたら、私たちの中での住友林業の評価は大いに上がっていたことでしょう。

家づくりの相性

デザイン・設計の方向性の違い

大開口・大空間が欲しいという点では、住友林業の得意エリアと私たちの好みは重なっていました。また、木質感を大事にするという点も好みに合致していました。

一方で、間取りを具体的に考えるようになると、目指す方向の違いが見えてきました。

間取りの感覚

LDK以外の部分の間取りについても、海外の家のように開放感を重視したつくりを希望する私たちと、日本的な間取りに慣れている(ように見える)住友林業の方向性の違いを感じました。

細かく要望を伝えれば対応できると思うのですが、それだと私たちの考える以上の提案は出てこないばかりか、住友林業の良さを活かせません。私たちの家には吹き抜けはありませんが、吹き抜けなどをよく手掛ける他のハウスメーカーの方が、間取りの感覚が私たちに近いと感じました。

木質感の活かし方

私たちは木の質感は好きですが、木目模様そのものが好きなわけではありません。木の質感を重視したいので、木目の柄にするためにシート材を使った建具や面材を多用しようとは思いません。

床や天井に良質の木材を使うことには憧れますが、壁にまで木材を使うのは少しやり過ぎかなと感じます。収納も家具として置くよりは、建具のなかに設けたいと考えています。そうなると、ウッドパネルや住友林業クレストの造作家具などの活用場面は限られてきます。

モデルハウスでは、スプーンカットの無垢材など、良質かつ高価な素材を使っていたため意識しなかったのですが、私たちの好みに沿った形で(予算も考慮しつつ)住友林業の強みをインテリアに取り入れるのは、思ったよりも難しいと感じました。

住友林業仕様に収まらないものが多い

住友林業は、求めるものの多くが標準仕様のなかに収まるときに、最もコストパフォーマンスが良いように感じます。

これはどのハウスメーカーにも言えることですが、私たちが検討した他のハウスメーカーと比較しても、標準仕様に収まるものと収まらないものの割引率の差が大きいと感じました。

住友林業の標準仕様には、グレードの高い資材や設備も含まれています。しかしながら、私たちの好みに合うものという観点から見ると、標準・提案仕様の中に収まりきれないと感じました。うさぎの設備に対するこだわりが強かったこともあり、おそらく異例だと思いますが、契約前にさまざまな設備のカタログをバインダー一本分もらいました。その中身を見た上での感想です。

デザインの好み

住友林業の標準・提案仕様は、同社が得意とするデザインと相性の良いアイテム、例えば木目調の素材などが多く含まれており、これには合理性があります。住友林業を選ぶ多くの施主にとっても、こうしたラインナップは理に適っています。

一方で、私たちが理想の家をイメージしながら家づくりに臨むと、標準・提案仕様の枠を超えることが多くなりそうでした。住友林業は多くの要望に対応できるはずですが、私たちの好みが微妙に異なるため、標準・提案仕様に収まりきれない要素が多くなり、特注となるケースが増えそうだと感じました。

設備へのこだわり

設備、特にキッチンや洗面台については、機能やレイアウト、面材の種類に至るまで、強いこだわりがありました。住友林業の標準仕様には良いグレードの設備が含まれており、こだわりが強くなければそのなかから選んで満足できるはずです。

私たちが先に設備メーカーの流通品などを見て理想を固め、それを実現することに優先度を置いていたことも、標準仕様に満足できなかった要因かもしれません。

住友林業は高いのか、安いのか?

私たちが目指す家を建てようとすると、設備に関する希望を反映していない段階で、既に非常に高額になってしまったことは、初回提案に関する記事で触れたとおりです。

間取りは全く異なりますが、同じようなコンセプト、設備や素材のグレード、ほぼ同じ坪数で作成してもらった三井ホーム積水ハウスのプランと比較しても、住友林業のプランはかなりの差をつけて最高額になりそうでした。

このような私たちの経験が一般化できるとは思えません。上でも説明した通り、私たちは「住友林業が価格面で強いところをあまり享受できない家づくりをしようとしていた」ためです。逆に言えば、住友林業の方向性と目指す方向が近かったり、質が良ければ設備のこだわりはさほど強くない施主の場合、住友林業の方が有利になることも十分に考えられると思います。

それ以外にも、私たちにとって住友林業が不利になる点がありました。二つの例を挙げたいと思います。

一つ目は、敷地内に高低差があるため、一部に深基礎を採用している点です。この部分の追加コストだけでも、同じく深基礎を使う積水ハウス住友林業では、100万円程度の差が出ていました。

二つ目の例は、住友林業三井ホームのプランで採用している全館空調です。住友林業の全館空調は、三井ホームに比べて200万円ほど高額でした。

もし深基礎が必要ない敷地だったり、全館空調を採用しない場合、金額の差は縮まることになります。

ハウスメーカーが得意とする分野にどれだけ近づけるか」が価格面でも大きく影響してくるでしょう。

理想の家のイメージがはっきりしている場合には、そのイメージに合ったハウスメーカーを選ぶことが一番の近道です。また、理想の家としてさまざまなアプローチを受け入れる柔軟性がある場合には、異なるハウスメーカーに同じ理想を求めるのではなく、それぞれのハウスメーカーに合った提案をしてもらうことが最も効果的だと思います。

住友林業が向いている人、向いていない人

デザインに惹かれて住友林業を第一候補にしながら、最終的には方向性が違うと判断した私たちが言うのもなんですが、やはり住友林業のデザインとストーリーに共感できるかどうかが決め手になる気がします。住友林業は特長がはっきりしていますし、コスト面でも住友林業の強みを活かせるからです。

コンテンポラリーなデザインや、洋風な家などが理想であれば、住友林業が最有力候補にはならない気がします。また、住友林業の特長を無視したアイデアを実現しようとしたり、各社に同じ間取りで価格競争をさせたりするようなアプローチを考えている人は、住友林業以外のハウスメーカーの方が向いているのではないでしょうか。

まとめ

このような理由で私たちは住友林業とはご縁がありませんでしたが、住友林業は明確なデザインとストーリーを持っているため、それに共感できる人にとっては理想的な選択肢だと思います。また、良質な標準仕様のなかでのコストパフォーマンスが高く、住友林業の強みを活かせる人には向いていると感じました。

一方で、外からのアイデアを多く取り入れたり、価格競争を重視するアプローチを取る人には、他のハウスメーカーの方が適しているかもしれません。

最終的には、自分たちの理想の家を実現するために、各ハウスメーカーの特長を理解し、自分たちのニーズに最も合った選択をすることが重要だと思います。