積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

家のコストに関する考察(1)財務諸表をみる準備

ハウスメーカーに対して工務店の優位性を唱える立場の人からは、「モデルハウスのコスト、広告宣伝費などがある分ハウスメーカーは割高。」という議論がしばしばなされます。

ここでは、できる限り客観的な資料に基づいて、コストについて考えてみたいと思います。

財務諸表のしくみ

情報源の一つとして利用できるのが決算資料です。上場企業は投資家に向けて詳細な資料を定期的に発表することが義務付けられています。

投資家がよりよく業績を理解できるように、会社全体の損益に加えて、部門ごとの損益や、関連する情報も発表することが望まれています。

多くの中堅ハウスメーカーは非上場で開示義務がありませんが、大手である積水ハウス住友林業はわかりやすく情報を開示しています。

今回注目するのは、注文住宅部門における売上(収益)、売上総利益、営業利益の3つです。この3つの数字と、売上原価、販売管理費等は、以下の図のような関係にあります。式で表すと、こちらです。

 

売上(収益)= 売上原価 + 販売管理費等 + 営業利益

 

売上原価は、家を建てるために直接かかる費用です。ここには、柱、コンクリート、キッチンやバスユニット、洗面台といった設備に加えて、その家を組み立てる作業に直接携わった職人の人件費なども含まれます。

販売管理費等は、個々の家には紐づかないけれど、広い意味でその家を売るために必要だった費用全般を含みます。営業の人件費や経費、モデルハウスの費用、広告費、事務・内務部門の費用、本社の経費など、間接費といわれるものを広く含んでいます。全従業員の人件費は、売上原価、ないし販売管理費の一部として支払われています。

営業利益は、会社にとっての「儲け」とほぼ同じです。この儲けから、法人税等、株主への配当、役員報酬(商法上の取締役等は従業員ではありません)がし払われ、残りが内部留保となります。

売上総利益

ハウスメーカーへの批判としてあがる、広告費・モデルハウスの費用等の影響を知るためには販売管理費、すなわち売上と営業総利益の差を見ればよいことがわかります。

次のポストでは、ハウスメーカーが発表しているFactBookで、関連する数字を確認してみたいと思います。