積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

ホームインスペクションとは

はじめに

私たちは、万全の施工品質を目指すためにできるだけのことはしたいという思い、そして長期にわたって安心して住みたいという思いから、ホームインスペクションをお願いしました。

ホームインスペクションを入れなくても第三者機関による一定の検査は入る場合が多いですし、大手ハウスメーカーの場合には社内の検査体制もしっかりしているはずです。

今回は、ホームインスペクションの概要と、その他の検査についてまとめました。

ホームインスペクションの概要

新築住宅のホームインスペクションとは、住宅建設に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から新築住宅の建設過程を検査し、建築基準法業界標準に適合しているか、施工品質に問題がないかなどを確認する専門業務です。

ホームインスペクターは、建築士などの資格を持ち、住宅の構造や設備に関する専門知識を有しています。経歴として、ハウスメーカーで現場監督や施工管理の経験がある方も多いようです。

ホームインスペクターの業務内容

建物の検査と診断

ホームインスペクターは、施主の要望に応じて新築住宅の各建設段階で検査を行います。これには以下のような検査が含まれます。

  • 基礎配筋検査:基礎工事の際に鉄筋の配置や品質を確認します。
  • 基礎完成検査:基礎工事が完了した時点で、基礎の出来栄えや寸法を確認します。
  • 上棟時の構造検査:建物の骨組みが完成した時点で、構造の安全性を確認します。
  • 防水検査:屋根や外壁の防水施工が適切に行われているかを確認します。
  • 断熱検査:断熱材が適切に施工されているかを確認します。
  • 内部造作完了検査:内装工事が完了した時点で、仕上がりや施工の精度を確認します。
  • 足場解体前外装検査:外装工事が完了し、足場を解体する前に行われる検査です。
  • 竣工検査:建物が完成した時点で、全体の仕上がりや設備の動作確認を行います。

検査準備と報告書作成

ホームインスペクターは、検査前に図面や資料を確認し、必要な検査機器を準備します。検査後に、詳細な報告書を作成し、依頼者に提出します。この報告書には、検査結果や修正が必要な箇所が記載されており、依頼者が住宅の状態を正確に把握できるようなっています。

フォローアップ

検査結果に基づき、必要に応じて是正や改善のアドバイスを提供したり、是正確認や再検査を実施したりします。

検査と監理業務の違い

施工品質を担保するための検査図面通りに建築されているかを確認するための監理業務は、どちらも建築プロジェクトにおいて重要な役割を果たしますが、その目的と実施内容には明確な違いがあります。

多くの場合、ホームインスペクターは施工品質を担保するための検査に特化しており、図面通りに建築されているかを確認するための監理業務は行いません。

積水ハウスの場合、監理業務はもっぱら積水ハウスの社員である現場監督が担当します。

施工品質を担保するための検査

  • 目的: 建物の施工品質を確保し、施工ミスや欠陥を早期に発見して是正すること。
  • 実施者: 主に施工会社の現場監督や第三者機関の検査員が行います。

図面通りに建築されているかを確認するための監理業務

  • 目的: 建築主(施主)の代理として、設計図書通りに施工が進んでいるかを確認し、品質や工程、コストを管理すること。
  • 実施者: 主に設計事務所の設計者や建築士が行います。
  • 内容:
    • 設計図書との照合:現場での施工が設計図通りに行われているかを確認。
    • 工程管理:工事が計画通りに進行しているかを確認。
    • 品質管理:施工品質が設計図書や契約書に定められた基準を満たしているかを確認。
    • コスト管理:予算内で工事が進行しているかを確認。

ホームインスペクション以外の検査

施主が依頼するホームインスペクションを行わない場合でも、他の検査が実施されます。

大手ハウスメーカーで家を建てる場合、施主が特に依頼しなくても、複数の検査が行われ、重大な瑕疵は事前に発見されて是正される可能性が高いです。

ハウスメーカー自身による検査

ハウスメーカーでは、社内規定で様々な品質基準が定められています。また、ハウスメーカー建築基準法などの規制に則った家を建てる法的責任もあります。このため、建設の各工程ごとに社内の検査が行われています。

積水ハウスを例にとると、

という流れで業務が委任されますが、積水ハウスおよび積水ハウス建設の方がこうした検査を行っているようです。

施主からみると、全部まとめて請負側の身内ということになりますが、実際に工事を行っている協力工事店からみれば発注元が行う検査ということで、検査がお手盛りになるリスクは抑えられると考えられます。

検査の体制や厳格さはハウスメーカーによって違うようですが、少なくとも大手で価格帯の高いハウスメーカーは相応にしっかりとした体制で検査を行っており、信頼性も高いようです。

三者機関によって行われる検査

施主が特別に依頼しなくても第三者機関による検査が行われる場合が少なくとも3つあります。

  • 瑕疵保険
  • フラット35
  • 住宅性能評価制度(品確法)

瑕疵保険は、品確法によって定められた制度で、引き渡しから10年以内に構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防止する部分に欠陥が発見された場合に、保険により修理費用などが補償される制度です。ハウスメーカーが保険に加入し、住宅購入者に対して保険証券を交付します。

欠陥工事があると保険会社が被害を被るため、検査をすることになります。原則この検査は全ての新築物件に適用されるはずです。

住宅ローンをフラット35で借りる場合には、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合しているか、という観点で第三者検査が入ります。これは、万が一借り手が返済できくなった場合に差し押さえされる家が欠陥住宅であれば、担保価値がなくなってしまうという観点から行わる検査です。

ただし現在の金利環境では固定金利のフラット35を選ぶ人は少ないでしょうから、この検査が行われる割合は低いかもしれません。

住宅性能評価制度も品確法によって定められた制度です。この制度を利用するかどうかは、施主が任意に選べることになっていますが、積水ハウスではこの制度を利用するケースが多いそうです。本制度を利用する場合も、第三者機関により検査が行われます。

制度の趣旨や検査の内容という点で、ホームインスペクションと重複が一番大きいのが、この住宅性能評価制度による検査です。

以下のマトリクスは、住宅性能評価、フラット35、瑕疵保険の各制度における新築住宅の建設段階での検査内容を詳細に比較したものです。

検査段階 住宅性能評価 フラット35 瑕疵保険
設計段階 設計住宅性能評価 設計検査 -
基礎工事 基礎配筋検査 中間現場検査 基礎配筋検査
躯体工事 躯体検査 中間現場検査 躯体検査
防水工事 防水検査 - 防水検査(オプション)
断熱工事 断熱検査 - 断熱検査(オプション)
内装工事 内装下地検査 - -
竣工時 竣工検査 竣工現場検査 竣工検査(オプション)
検査実施者 登録住宅性能評価機関 適合証明検査機関 住宅瑕疵担保責任保険法人
主な検査内容 構造安定性、省エネ性能、遮音性能等10項目 住宅金融支援機構の定める技術基準への適合 構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分
検査結果の証明 建設住宅性能評価書 適合証明書 保険証券

注意事項:

  1. 住宅性能評価とフラット35の検査は、一部の条件下で省略可能な場合があります。
  2. 瑕疵保険の防水検査、断熱検査、竣工検査はオプションとなっており、追加料金が必要です。
  3. 各制度の詳細や実際の運用は、個別のケースや時期によって異なる場合があります。
  4. この表は一般的な流れを示したものであり、全ての場合に当てはまるわけではありません。

この表から、各制度で重点を置いている検査項目や、検査のタイミングの違いが分かります。住宅性能評価が最も包括的な検査を行っており、フラット35は融資の観点から必要な検査を、瑕疵保険は構造と防水に焦点を当てた検査を行っていることが見て取れます。

まとめ

今回は、ホームインスペクションの概要とその他の検査や業務との関係をまとめました。

私たち施主にとって重要なのは、住宅性能評価制度を利用する場合において、ホームインスペクションとほぼ同じ領域をカバーする第三者機関による検査が含まれていることだと思います。

実際に、私たちがホームインスペクションを入れたいと申し出た際、積水ハウスの営業担当は「入れてもいいですけど、第三者機関の検査は他でも入るので、重複して無駄になりますよ」と言われました。

一部のホームインスペクターは「住宅の○○%で指摘があり欠陥だった!」などの強い言葉を使いますが、大手ハウスメーカーの施工管理体制を考慮すると、ホームインスペクションを入れなければ欠陥住宅になるというのは過剰な主張だと思います。

私たちがそれでもなぜホームインスペクションを入れようと思ったのかをまとめたいと思ったか、どうホームインスペクターを選んだかは、別の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

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