積水ハウスで、夢をかたちに。

憧れをかたちに、はできなかったけど、3社で迷い積水ハウスになりました。

こだわり度合い別、標準仕様との付き合い方

はじめに

前回は資金計画書について触れ、家づくりにかかる費用の概要を見てきました。

building-dream-home.hatenablog.com

今回は、金額が一番大きい項目である建築主体工事費について考えるために、よくいわれる標準仕様・オプション仕様について整理したいと思います。

ハウスメーカー比較を始めたころは、各社の標準仕様が気になり、何が含まれているか随分と調べました。特にキッチンなどの設備にはこだわりがあったため、欲しいタイプのキッチンが採用できるかどうかは、ハウスメーカー選定において非常に重要だと思ったためです。

設計完了および着工にあたって振り返ってみると、積水ハウスでは何が標準仕様に含まれているか、標準とオプションの境目を特段意識する必要があまりなかったと感じます。

今回は、施主のタイプ別に、標準仕様に対する向き合い方について私たちの考えをまとめました。

標準・オプション・特注という区分

ハウスメーカーによって呼び方や扱いは違いますが、大まかにまとめると、ハウスメーカーの仕様は次の三分類に分けられます。

  • 標準ハウスメーカーが建築する家のグレードとして適切だと思うもので、多くのプランで採用する仕様
  • オプション:グレードが高い、または趣味性が高い仕様。全戸に勧めるものではないが、一定の施主が採用しそうなものをハウスメーカー側で予めまとめたもの
  • 特注:標準・オプション以外の仕様

コストパフォーマンスという面で、標準・オプションと特注の間には大きな壁があります。

また、A社では標準仕様に含まれているものが、B社ではオプション仕様であったとしても、A社の見積もり額がB社よりも安くなるとは限りません。標準仕様の方がオプション仕様よりも掛け目(設備メーカー定価からの割引率)が良い傾向があるのは事実ですが、ハウスメーカーと設備メーカー間の取引条件の差が、より大きな価格差の要因となることも多いためです。

従って、「標準・オプション仕様の範囲で何が選べるか?」を考えるのが重要だと思います。

そもそも標準とオプションという区別をしていないハウスメーカーもあります。例えば積水ハウスのインテリアカタログでは、シート材から、無垢材、加工・着色した板材まで多様な床材がES-I/II/III/IV/X、およびCN/CN-Pという7つのグレードに分けて掲載されています。施主が特に希望を伝える前の段階での見積もり金額は、営業担当が「幅広い選択肢の中から大体これぐらいのものを入れておけば、施主のイメージに合うだろう」と用意するものです。これを標準と呼ぶとすれば、標準は営業担当ごと、あるいは案件ごとに異なると言えるかもしれません。

一方、三井ホーム住友林業では、標準仕様、オプション仕様という区分が明確に存在します。特に住友林業は標準仕様に対する制約が厳しく、施主にこだわりがある場合は、オプションや特注になることが多いという印象を受けました。

タイプ別分析

「とってもおおらか」タイプの施主

ある程度のクオリティは欲しいけれど、細部の仕様やどの設備メーカーにするかはこだわりがない場合、あなたは幸せです。

大手ハウスメーカーであれば、ほぼ間違いなく標準・オプション仕様の範囲で満足のいくものが選べるはずです。また、請負契約後に金額が膨れ上がるリスクは少ないでしょう。

この場合、間取りプランが気に入るハウスメーカーを選べば良いと思います。

「そこそこおおらか」タイプの施主

ほとんどの細部にはこだわりはないけれど、何点かは譲れない項目があるタイプです。

例えば、「キッチンのカウンタートップはセラミック以外はありえない。フロントオープン・深型で幅60cmの食洗機も必要。でもそれ以外はハウスメーカーの選択肢から選べる」というタイプ。

この例では、ほぼリシェルSI(LIXIL)+ Mieleの食洗機で決まりです。従って、標準+オプションの範囲でこれが選べるハウスメーカーが有力候補になるでしょう。

「こだわりまくり」タイプの施主

設備のモデルやグレードだけでなく、細部にも譲れない点が多数あるタイプです。キッチンの例でいえば、

  • カウンターの長さを自分仕様にしたい
  • 面材は、どうしても○○メーカーの△△でないとだめ
  • アイランドにコンセントが必要
  • レンジフードは、○○機能のついたモデルでないとだめ

といった様々なこだわりがあるタイプ。このタイプは特注の嵐になることを覚悟しましょう。

落とし穴は、設備メーカーの一般流通仕様とハウスメーカーの仕様設定の違いにあります。

例えば、あるハウスメーカーLIXILのリシェルSIを標準仕様に採用しているとします。LIXILのカタログを見ると、リシェルSIには多彩なオプションがあり、いろいろなカスタマイズが可能です。面材(色)も各グレードごとに何種類も用意されています。

ところが、ハウスメーカーの仕様としてリシェルSIを導入する場合には、LIXILのカタログと比較すると選択肢が大幅に減る場合があります。なかには、ハウスメーカーLIXILの共同開発仕様として、LIXILのカタログには載っていない選択肢が用意されていることも。

この場合でも、必ずしも自分の好みに合わせたリシェルSIが導入できなくなるわけではありません。多くの場合、特注扱いとして導入することが可能です。

導入できるのであれば、一見問題なさそうですが、大きく違ってくるのが割引率です。標準・オプション仕様として導入した場合と、特注で導入した場合では、割引率が大きく違うことがあります。ハウスメーカーの標準・オプション仕様以外から選んだ場合、それが設備メーカーのカタログにある仕様でも、ハウスメーカーから提示される特注価格が、設備メーカーの定価より高くなることさえあります(←経験談)。

キッチンのように定価が高い商品では、この割引率の差が非常に大きく効いてきてしまうため、特注に強いハウスメーカーを中心に考える必要が出てきます。

現実的なアプローチ

実際は、どの施主にも自分のこだわりポイントがあります。例えば、キッチンは「こだわりまくり」タイプ、その他は「とってもおおらか」タイプといったように、分野によってこだわり度合いが違うのが一般的かもしれません。

このため、強いこだわりがある分野については、しっかりと調査してハウスメーカーの選択や、予算の確認を行いつつ、他の分野ではおおらかな気持ちでハウスメーカーの標準・オプションのリストから選んでいくのが良いと思います。

まとめ

今回は注文住宅でよく言われる「標準仕様」についてまとめました。この記事を書くのは結構苦労しました。それは標準仕様とオプション仕様という概念はいわれるほど明確ではなく、金額とセットで考えないと、判断基準にはならないということが実感できたからです。

逆に、予算管理の上で本当に気をつけるべきは、標準・オプションを外れた「特注」になるものでした。特注問題について考える上では、割引率がどう決まるかに触れる必要があります。割引率について別途考えてみたいと思います。